2022/01/29 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にファビオさんが現れました。
ファビオ > 奴隷市場の大通りに面した、数ある見世物小屋のうちのひとつ。
身分や種族を問わず多くの人々が集って出来た人だかりの中心で、甘く媚びた様な喘ぎ声を響かせながら、
細くしなやかな肢体をくねらせるのは天井から伸びる鎖に両手を繋がれた身目麗しい女性の姿。
その素性や来歴は定かではないものの、首許に嵌められた首輪が今の彼女の置かれた状況を雄弁に物語っていたか。

「―――最後に、此処をこうすれば……そら、この通り。」

観客達の注目を一身に浴びた彼女の傍らで、そう言葉を放った男が手許の器具を弄って見せると。
それに呼応するかのように、繋がれた女性の嬌声はより強く色香を帯びたものへと変わり、
終にはその身体をビクビクと小刻みに痙攣させたかと思えば、息を乱しながらぐったりと力無く項垂れてしまおうか。

「……嗚呼、よく頑張った方だと思いますが……流石に少々刺激が強過ぎましたか。
 それでは皆様、彼女に今一度盛大な拍手を……。」

男がそう告げると、好奇と情欲に満ちた視線を投げ掛ける観客達の中から歓声と拍手が響き渡り、
しかし当の彼女はその身に襲い掛かった快楽の余韻に浸るかのようにぐったりと項垂れた侭、舞台袖から姿を現した男達に抱えられて姿を消してゆく。

「―――さて、次の演目にご協力頂ける方は……。」

そう呟きながら、男の視線は次の主役―――今しがた退場した彼女に代わりこの淫靡な舞台に立つ者の存在を求めて周囲を彷徨い始め。

ファビオ > 今宵この場所で行われていたのは男が持ち寄った商品―――淫靡な魔道具の数々の試用と実演。
先程の女性のように、調教を兼ねて宛がわれた奴隷が舞台に立つケースが殆どではあったものの。
中には観客達の中から興味本位で自ら舞台に上がる事を志願する者が現れることや、
偶然迷い込んだ不運な通りすがりが済し崩し的に舞台に立つケースも決して少なくはない。

私としては舞台が盛り上がってくれるのならば、どちらでも大歓迎ですが―――と、
そんなことを胸の内で呟きながら、男は見世物小屋の周囲を順番に見回してゆく。

「……それでは、其方に居られる方にお願いすることに致しましょうか……。」

そうして、男の目に留まったのは自ら手を挙げた志願者か、或いは不運にも迷い込んでしまっただけの犠牲者か、果たして―――

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からファビオさんが去りました。