2022/01/07 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 市場」にイファさんが現れました。
■イファ > ヒトがごった返すいくつもの露天が並ぶ通りを歩く全身鎧姿がひとつ。
貌を隠す者は珍しくないし鎧を纏うのものもそこかしこに居るが、それが独り歩いている様子は奇異なのだろう。行き交う客たちだけではなく露天商たちも通り掛かれば視線を向けている。
露天といっても、どれもこれも『奴隷市場都市』の名に恥じぬ、立派な奴隷を扱う店だ。
よくよく見れば店ごとに得意な伝手があるのだろう、若い娘ばかりを取り扱う店、ミレーばかりが集められている店、はたまた肉体労働向けの身体付きの良い者を扱う店。
(居ないな…)
鉄仮面姿は、通りの人々を密かに一瞥しながら足早にあるく。
護衛で付き従ってきた商人の、息子が行方知れずになったという。
息子と言っても20歳手前、どこか適当な娼館やらにしけこんでいる可能性はある、寧ろ高い。
しかし依頼主から一応足取りを追ってほしい、と言われれば是非もなかった。
(この市場に現れたことは確かなんだが)
そこそこ有名な商人の息子だ、顔を知っている者がいて、此処へと足を踏み入れたらしいことは解っている。
もう夕暮れ時で、冷たい空気が漂ってきている。店によっては早灯りを灯しているところもある。
(……檻の中、『商品』たちは如何しているものか)
尋ね人は流石に身体を冷やしてまで外に居ると思えない、そろそろつぎは娼館を当たってみるしかないだろう。