2021/11/27 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」に名無しさんが現れました。
名無し > バフートに数多存在する奴隷商の中でも、そこそこ名の知られれた館。
宿屋として使われていく区画よりやや離れた位置に展開する奴隷の売買が行われる建物は、
そろそろ日付が変わろうとしているにも関わらず未だ活気で賑わっていた。
定期的に行われる、新しく入荷した奴隷たちお披露目の為であった。

数名を並べてざっと紹介されたり、目玉商品だと言って見世物めいて紹介されたり、と扱いは様々。
かく言う己も、鉄格子で囲われた檻の中に入れられての登場であった。

『――こちらはかのシェンヤンより取り寄せました娘でございます―――』

拡声魔道具をキィンと響かせ、会場の客達へと高らかに声を響かせる司会の声に、
不快を隠そうともせず渋面を浮かべて。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (数多の奴隷が集うこの都市に於いて、この館は少々特殊だ
人種や能力、経歴問わずに露店で売り買いされる様な"なんでもあり"な市場よりも
更に特筆すべき経歴や特徴を持つ奴隷が品として並ぶ
無論、其の中には曰くつきや、少々扱いの難しい者も居るが
今もまだ、掘り出し物を求めて数多の客が、舞台へと視線を向けていた。

――其の中に、今この時間になって、足を踏み入れる。
陽が落ちて、最も場の熱気が充満する時間だと、知ってか知らずか
人ごみを、ひょいひょいと避けながら、かろうじて商品が見える隅っこへ。

近くに居た者に、鬱陶しそうな視線を幾度か向けられても、一向に構わず
その向こう側、丁度今折とともに登場した奴隷の女を、やれ、額に手を翳しつつ眺めよう

さて、彼の娘は果たして、どんな経歴で、どんな事情で、どんな能力で
売りに出されるのだろうか、と)。

名無し > この奴隷商へと売り渡されて既に幾日か経っている。
無論、その間に抵抗も脱走も試みはしたものの、敢え無く取り押さえられてしまった。
仕置きの大義名分を持った過剰な折檻の痕跡は昨夜漸く治療を施され、衣服の汚れにしか残っていない。

『――さて、この娘。かの国では貴人に仕えており、身の回りの世話から護衛までこなしていた
大変優秀な娘でございます――』

続けてつらつらと己の経歴やら売り文句を宣う男の声に、自然、尾が苛立たし気に揺れる。
仕えていた主が政敵に負けた事を言葉にされて腹が立たない訳がない。
そうして数分、多少盛ったエピソードを嘯き、客の情動を煽り、最大限興味を誘った所で
司会が注意を集めるかのように幾度か手を打ち音を響かせる。

『――なんと! この娘、魔眼を持っているのです!――』