2021/10/22 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にスゥさんが現れました。
スゥ > 両の手首を後ろ手に金属の枷で戒められ、首には黒鉄の環を嵌めて、
娘は靴も履かない素足が痛むのも構わず、見知らぬ街を駆け抜けていた。
盲いた目は閉ざされており、ふらふらと、よたよたと、足取りはただでさえ危うげで、
しかし娘は、怯まず、弛まず、ひたすらに―――――『あるじさま』の許へ、帰ろうとしていた。

「は、………はぁ、っ、……はぁ、は、――――――」

帰らなければ、戻らなければ。
目覚めた時には檻の中、頭上から知らない男の下卑た笑い交じりの声が、
娘の境遇を、未来を、語って聞かせていたけれど。
男の隙をついて飛び出した娘には、ただ、ひとつのことしか考えられない。

『あるじさま』
『あるじさま』

今、帰ります、すぐに――――そう繰り返す胸の内、頭の中の何処にも、
肝心の『あるじさま』の居場所を示す、手掛かりひとつ無い、というのに。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からスゥさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にトランプさんが現れました。
トランプ > 深夜の賑わうバフート。
その喧騒から外れた街の深い闇の中、ぬっっと闇の中から現れた一人の巨躯の男。
偶には外にでも出てみようと思った男は、王都からバフートへと転移をしてきた。

「さて、何方に行きますか。」

冬の訪れを感じさせる底冷えする地面と、体温を容赦なく奪う冷たい風。
だが、それでも男は構わずに先ずは一歩足を踏み出す。

トランプ > 買いに行くか、それとも買う側を狩りに行くか。
それとも、追われる女性でも助けてみるか。
全てはその時、その場次第。
何はともあれ、進まなければ何にもならないと、バフートの裏道を巨躯の男が進み始める。