2021/10/02 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 奴隷市」に黒曜石さんが現れました。
黒曜石 > 奴隷市場都市バフートの奴隷市。
今日もそこでは変わらずに奴隷達が競りにかけられていた。
人の尊厳が数字、金に換えられる証明のような場所。
今も高い壇上で、年端もいかないミレー族の少女が売りにかけられている。
少なくとも、それを見ている観客の過半数の表情に人間らしいものはない。
道徳を何処かに置き忘れてしまったように声が上がる。

「………賑やか、だな。」

声をあげていないこと以外は、“彼”の視線も例外ではない。
まるで、遠い何かを見つめるような視線に、奴隷への人間的感情を期待することはできないだろう。
今まさに奴隷を壇上にあげようとしている商人の護衛の一人。
それが、つい先程までの彼の身分だった。

職を解かれれば、まるで糸の切れた操り人形。
市の片隅の壁際に腰を下ろし、見るともなく、ただ、壇上へ視線を向けていた。

黒曜石 > 1人、また1人と売られていく奴隷達。
それを見送る無関心、無感動な瞳。
己も奴隷とさして変わらぬ姿形をしていた男の姿が消えたことには
きっと、誰も関心を払わなかっただろう。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 奴隷市」から黒曜石さんが去りました。