2021/09/30 のログ
リス > 奴隷のネームタグや、体の様子などを眺める。トゥルネソル商会の奴隷は犯罪奴隷などは使わない事にしている。
 自然と借金落ちをした奴隷や、ミレー族が多くなってくる。奴隷には基本的にどうして奴隷になったのか、と言う説明書きがネームタグに有るから、それをしっかりと確認する。
 序に言えば、違法に奴隷にされた存在を取り扱う積りもないので、下調べなどは特に入念に行うことにするし、そう言うのを取り扱わない、健全な店舗と提携する必要がある。
 下調べに関しては妹や、その師匠が特に役に立ってくれているので、情報に関してはとても安心できる。
 奴隷と言う商品もそうだが、商品と言うのは、品質は大事なので、少女はその辺りだけは、人任せにはしたくない。
 と言って、少女が分身できる訳ではないので、ある程度以上にしっかりと学ばせた人を代理にしたい物だ。
 父や母は、偉大ね、なんて、ダイラスの父母を思い返して桜色の唇からため息一つ。

「気を、取り直しませんと、ね。」

 この、バフートにある、トゥルネソル商会の店舗、其処の店長も、そろそろ募集しないといけない。
 人格、能力、正直この辺りは必要だし、人を見る目も養われていないといけないし。
 父母は、その辺りどうする積りなのだろうか、問いかけたい所でもある。
 今は、此処の店長よりも、仕入れる奴隷の事を考える異にして、通路を進む。
 しばらく行けば、開けた場所、競売場のような段のある場所へとたどり着く。
 受付兼ガードマンだろう、物々しい格好をしている男たちに、少女は懐から手紙を―――招待状を差し出す。
 何度も来ているから、顔見知りではあるが、それはそれ、これはこれ、なのだ。
 招待状をチェックし、ボディチェックを行い、売り場に通される。
 案内される席は、一番手前のかぶりつき、良く奴隷が見える場所で。

 少女は、椅子に腰を掛けて、競りに臨むのだ。

リス > 始まる。競りの時間となり、周囲の喧騒が、商人達の声が徐々に潜まっていく。
 完全な静寂となり、商人達の意識が壇上へと向けられる、其処に立つのは売り手、今回は、商人達である自分たちが買い手だ。
 売り手の説明が始まる。

 最初の奴隷は―――エルフか。
 売り手のセールストークが始まる。

  曰く、エルフの王国の姫だ。
  曰く、彼女の魔力は、膨大だ。
  曰く――――。

 セールストークは聞いているのだが、売り手の男性の言葉に信用が無くて。
 売り手の視線は性的な物を見る目で、エルフの奴隷を見ている、恐らく、そう言う調教を行っているのだろう。
 視線に反応しているのも見える、しかし、リスには食指が沸かないし、そもそも、買いに来ているものと少しずれている。
 しかし、他の商人は違うのだ。
 競売が始まれば、我先に、と値段を付けていくのが見える。
 商人だけではなく貴族も、手を挙げ、値段を紡ぐ。

 値段が増えて、増えて、増えて。
 とある貴族がそれを飼い落す、貴族は好色な目で見ているのが判る。

 次の売り物は、と、競りは続いて。
 少女は目的の奴隷を仕入れ、バフート店に戻り、書類作成し、トゥルネソル商会の奴隷としての登録を始めるであった―――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリスさんが去りました。