2021/09/15 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にシェティさんが現れました。
シェティ > 「―――此処、は………。」

夜の帳が落ちて尚、異様なまでの熱気に包まれた市場の中心部。

大通りには檻に入れられた少年少女、鎖に繋がれた若い女性などを売り物の如く扱う店が軒を連ね、
広場に出来た人だかりの中心部からは何処か悩ましげな喘ぎ声と、その度に上がる歓声が聞こえて来る。

そんな街の広場の隅で、黒いドレスとヴェールを身に纏った女が独り、
ヴェールの薄布の向こうに隠れた青と金の双眸が、それらの光景を所在無げに見回していた。

「―――私、確か王都に………。」

女の記憶に間違いが無ければ、自分は王都へと向かう乗り合い馬車に乗っていた筈――

それが唯の手違いか、何者かの奸計によるものかは女には知る由も無いけれど。
結果として辿り着き、此処が終着とばかりに降ろされたのは女の知る王都とは異なる、
淫靡な活気と狂乱に満ちた街並みだった。

シェティ > 「ひとまず……此処を離れましょうか………。」

暫く立ち尽くしていると、少しずつ周囲の好奇に満ちた視線が集まり始めているのに気が付いて。
特に行く当てがあるわけではないにもかかわらず、女は広場から逃げる様にその場を後にした――

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からシェティさんが去りました。