2021/09/11 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にダリルさんが現れました。
ダリル > 夜を迎えてなお、異様な熱気に包まれる奴隷市場に面した店。
いかにも商人然とした、でっぷり太った中年男が奥で金勘定をし、
口のうまそうな店員が店先に立ち、商品が所狭しと積み上げられる。
―――――ただし、ここでの商品と言えば、檻に閉じ込められた人間であった。

粗末な木綿の服一枚で、檻の片隅で震えている少女あり。
どこかの貴族令息なのか、身形だけはやたらと良い、涙目の少年あり。
皆、一様に革製の首輪を着けられ、右足首に枷を填められ、鎖で檻に繋がれている、
そんな中で、たいそうふてぶてしい表情であぐらをかき、片膝の上へ頬杖をつく、
シスター姿の少女、――――ではない、少年の姿があった。

寝込みを襲われて捕まえられ、ここへ入るまでの間に、
身体検査と称してべたべた触られた後なので、性別は既に割れている。
女装の少年として売られるのか、少女と偽って売られるのか、
どちらにしても、もう装っても仕方ないとばかり、地金を完全に露呈させていた。

「て、いうかさぁ、……この檻、ちっと小さすぎね?」

立つどころか、這って歩くスペースもろくに無い。
奴隷を突っ込んで置く檻とは、そもそもそうしたものかも知れないが、
寝転がるスペースもなさそうなのが、大いに不満だった。
というわけで、少年はあからさまに不機嫌そうな顔で、
通りすがりの客人がこちらを見るたび、全力で睨み返す、という、
反抗的な態度を取り続けているのだった。

ダリル > 売り物だという自覚は皆無、というよりも、売られてなるものかという姿勢。

買われなければ永遠に、檻からは出られないのかも知れないが、
――――――いまのところ、少年に、売られる気は無かった。
そして、こんなふてぶてしい奴隷を買おうという豪胆な人物も――――――――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からダリルさんが去りました。