2021/02/23 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にセレーネさんが現れました。
セレーネ > 冬の太陽が照らす昼下り
季節も天候も関係無く賑わいを見せるバフートのマーケットにふらりと一つの影が姿を現す。

いかにも高そうなゆったりとした紫のドレス。帽子からはヴェールが垂らされ口元から上の表情を覗くことが出来ず、素性も明かす素振りを見せない。
あるタイミングでふらりと現れては店をまわり、魔族や呪い関連の商品だけを買い娼館に宿泊することもなく、ふらりと姿を消す。

数ヶ月前からバフートに顔を出し始めたその女は今では一部の売人の間で噂される程に認知されていた。
人に紛れ込んだ上位魔族だと言う声もあれば買って行くものから、死んだ旦那を魔術で蘇らせようとしている未亡人だのただの偏屈な錬金術師だの様々憶測が飛び交っているが、結局その真意を知っているものは極わずか

それはこの街が他ならぬ悪意と無法の街バフートであるからであって。

セレーネ > 「こんにちはマイヤーさん、良い天気ね。今日は何か良いものあるかしら」

文字通り、ありとあらゆる物が売られ時折叫びと喧騒が入り交じる絵に書いたような無法地帯である市場内を女は今日の夕食の買い出しでもするかのように気安く話しかけ色々な店を回る。

これはここ数ヶ月の間でセレーネが学んだ彼女なりの生存政略であった。
隙や弱み、戸惑いを少しでも見せればそれを食い物にしようとしてる人にターゲットにされる。それ故に堂々と強者を演じ常に余裕を見せつける。

「ありがとう、いい買い物だったわ。また今度もお願いするわね?」


いくつかの魔法石を店主に箱に梱包して貰った女が徐に左手を虚空に掲げ指を鳴らす
とその影から一つの形が盛り上がり人の形を取る。
マントをつけた鎧兜のようなシルエットのそれは魔法によって形成された簡素なゴーレム。
言われるがまま彼女の荷物を持ち無言でただその背後を付き従うそれは魔法的には単なるハリボテに近い代物であったが、魔法に疎い物にとっては不気味なガードマンが付き従っているように見えるだろう。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にセレーネさんが現れました。