2020/11/24 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にソーニャさんが現れました。
■ソーニャ > たとえ昼間であっても、小娘一人、ぶらつく場所でないことは百も承知。
しかし何故だか、王都よりは余程、息がし易い場所のように思えて―――
夜更けを迎えても異様な熱気が渦巻く街の、とある見世物小屋を冷かしつつ、
ふと、裏手に回り込んでみたところ。
かつん、かつん、高い靴音が不意に途切れたのは、前方の暗がりが文字通り、
閉ざされた闇であると認めた所為だった。
「あら、……通り抜けられるのかと思ったのに」
先刻、表通りを辿っていた時には、小屋の左手にも右手にも、裏へ向かう細い道があるように見えたから。
てっきり、通り抜けが出来る構造になっていると思っていたのだが―――
打ち捨てられて久しいのだろう、煤けた廃屋が道の方へ崩れかかり、
もとはあったのだろう抜け道が、完全に塞がれてしまっている。
令嬢らしからぬ小さな舌打ちとともに、肩越しに背後を振り返り。
今来たばかりの道を戻るしか無いのだろうか、と、苛立たしげに目を細めた。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にベクラムさんが現れました。
■ベクラム > こんなところを彷徨うには随分と不用心で不釣り合いな姿を見つけると、雑踏に紛れながら静かにその姿を追尾していた。
長く長く、そしてその合間も自身を人混みの一部へ溶かしながら追い続ければ、千載一遇の好機が訪れる。
人気のない暗がりの裏手、行き止まりに舌打ちする少女が背後を振り返れば、北路が広がるのは当たり前のことだろう。
ただ、ついさっきまで背後から追いかけていた男は、その動きにも追従していき、視野に入ることなく、音も気配もなく、するりと背後に回り込んでいた。
暗闇に浮かぶは悪魔の笑みだったかもしれない、太い指の先端を尖らせていくと、首と方の付け根あたりへと押し当てようとする。
届けば淡く食い込みだけにしか思わないだろうが、実際は体の秘孔の一つを一瞬にして刺激する絶技だ。
じくじくと体の奥底から肉欲の火を灯すが、爆発するほどではない疼き。
それを与えようとしながら手の動きを重ねていくと、届ききれば軽くぽんっと肩を叩いたように感じるだろう。
「良くないですねぇ、こういうところは関係者以外立入禁止ですよ?」
スキンヘッドの巨漢たる自身は、薄っすらと笑みを浮かべていき、彼女を窘める。
彼女からすれば急に背後に現れた存在に見えるだろうから、それどころではないかもしれないが。