2020/08/27 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 大衆浴場」に八蛟さんが現れました。
■八蛟 > 「ふぅぅぅいいい……。」
ザバァッと大衆浴場だからこそできる、その巨躯を浸からせる広い湯船。
肩までとはいかずとも脇の下まで湯を感じるぐらいには貴重なものだ。
様々な種族がいる故に対応した、段階ごとの深さもあるだろう。
身体や顔に傷跡を持ち、筋肉が連なる肉体。
背中には遠国風の絵を用いた色を入れた入れ墨が背中全体に彩っている。
大衆浴場は 綺麗に身を清めさせるも良し 身一つになった奴の哀れな金品とその身体をいただく。
いろいろな考えが浮かぶ場所ながら、この鬼にそれをできる丈夫はいない。
奴隷市場にも存在する魔物と奴隷の嬲り芸の中に、一回やらせろと乗り込み、遊び始めたのが始まりだ。
汗や汚れを落とす羽目になり、折角ならこの混沌とした湯に浸かりにきたわけだった。
「アタシの体が伸ばせるんだから貴重だねぇ……。
酒も美味いったらないよ。」
王都で造られた燻し酒の透かし瓶を片手に持ち、湯船の中でも構わずにラッパ呑み。
周りはマナー云々の前に、度数の高そうなそれを熱い湯に浸かりながら飲む鬼の酒豪っぷりに目がいく。
「―――くぁぁぁ……たまんないねぇ。」
これで冷えているのもオツなもんだが、ぬる酒がかえって喉を純粋に灼け付かせる。
酒の誤魔化せない熱を浴びる。それがいい。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 大衆浴場」にヴァレリー=D=ツインテイルさんが現れました。
■ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……ふむ……」
バフートにも、大衆浴場はある。
名こそ、『奴隷市場都市』などと言われているが。
完全に無法地帯、というわけでもないのである。
そんな大衆浴場に、少女は一人踏み入っていた。
「……まぁ、あれですわね。
多くを求めるのは酷ですわよね」
興味本位で入ってみれば、なるほど。
実に気軽に。そして、体を伸ばせる構造の風呂、フロ、お風呂。
少女は、はぁ、とため息を吐くものの。
まずは体をしっかりと洗い……。
すくっ、と立ち上がり。湯船に向かうが。
「……うぉっ!?
……こ、コホン。失礼……しましたわ」
さぁて入浴。そんなタイミングで、先に湯に浸かっている客を見て。
思わずその姿に驚きの声を上げてしまう。
すぐさま、取り繕うように頭を下げるものの。
少女自身とは全く作りの違う肉体に、思わずちらちらと視線を向けてしまう少女なのであった。
(……な、なんというか。スッゲェ怖そうな人ですわね……。
うぉっ、とか言っちゃったのは不味かったかもしれねぇですわ。
こ、ここは刺激しないように。ごく自然に。こういった場所に慣れている客、を演じないとですわ……)
心臓をバクバクと跳ねさせながら。
少女は、ゆっくりと湯に浸かり、内心の動揺を隠していく。
近くにいらっしゃるそのお客様。明らかに、強そう、であるので。
少女、ビビりまくっていた。
■八蛟 > 長く膝まで伸びている髪を気遣うことすらせず、湯船の中で揺らめく八つに分かれる房。
汗をにじませ、透かし瓶片手に無法地帯の中の清めの場の空気を物騒にさせている。
言ってみれば霧風呂の中にやくざ者がいるようなものだ。
最も、王都どころかこの奴隷都市に於いて傷が奔る2mの♀鬼なんぞ、大したこともないだろう。
むしろ他者よりも、己の現実の立場を呪うような場なのだから。
「おぅ?」
素っ頓狂な声が聞こえ、赤い蛇瞳がそちらを向く。
体付きはまあまぁの、こんなところにいるのが似つかわしくない相手が一人。
「気にすんなよ、デカブツが酒飲んでるだけさね。」
ケラケラと笑いながら、酒を傾けるともはや波打つ音すらしやしない。
舌を伸ばし、ポタリと落ちた最後の一滴。
喉に灼け付く鬼の燃料が尽きてしまう。
「ありゃ、無くなっちまったよ。」
そう言うとゴトンッと湯船の淵に用は無くなったように置かれた酒瓶。
こんな場所では煙と喧嘩もありはしない。
酒気がこの湯熱で抜けきってしまえば、用も無くなってしまうだろう。
「―――同じ金髪同士ビビんなって。
アタシも酒がないと退屈だ。仲良くしようや。」
ばしゃっと貌に湯を掬いかけ、前髪を後ろに撫でつけるヤヅチ。
それに対し片身狭そうにしている、やはり少し場違い感のある少女。
その場違いさが、ヤヅチの首を傾げさせた。
「育ちが良さそうだけど、なんてこんな誰でもな場所に来るってんだい?
身一つじゃガブリと喰われちまうかもしれないよ?」
■ヴァレリー=D=ツインテイル > 後から入ってきたにも関わらず、いきなり素っ頓狂な声を上げてしまう。
指摘されるとすれば、まさに貴族らしからぬ振る舞いなのだが。
相手が豪快に許してくれたことに、まずは少女安堵。
「いえ、本当に失礼いたしましたわ」
快活に笑う相手に、少女は再度頭を下げ、非礼を詫びる。
そうして、相手から少し離れた場所で入浴していれば。
どうやら、相手が飲んでいた酒がなくなってしまった様子。
「……う、んっ……。
え、えぇ。その、そうですわね」
体を伸ばしながら、緊張していた少女だが。
声をかけられれば、ぎこちなく笑顔を見せる。
相手が声をかけてきている以上、無視するのは不自然だ、と。
少女は、相手のほうを見ながら一度頷き。
「その。少し、大衆浴場に興味がありまして。
それに、ご心配いただかなくとも。そこらの下郎には遅れは取りませんわ。
こう見えても、私も腕に……ひゃうぅぅぅううっ!?」
相手に向き直り、自信満々、といった様子で物を語っていた少女だが。
突然、奇声を上げることになる。
相手の体。湯の中のその体。
目を引くのは、豊満すぎるバストもだが。
少女の目に、なにやら……『女性にあるべきではないもの』が見えている気がするのだ。
少女、思わず凝視。確認するために凝視。
失礼かもしれない、と思わないでもないが。じぃぃぃぃぃ……、と。
いっそ覗き込むように見ている。
■八蛟 > 「ほーん。
興味があるから入浴って……肝が据わってるねぇ。
供周りがいるわけでもなし。テメェ一人でカタがつくってことかい。」
少し好戦的な笑み。
こんな年若の金髪螺旋が一人でバフートをうろつき、大衆浴場という身一つの場所をいく。
肉をぶら下げて獅子の群れに行くようなものか。
「チンピラや人攫い程度なら殺れるってのは威勢がいいが。
アタシみたいなデカブツに怖気てるようじゃあまだま―――ぁん?」
どこまでが真でどこまでが嘘かなんてどうでもいい。
全て呑みながら会話を広げようとしたら、また少女がとっ散らかす。
声と視線に、自分の浮かぶ胸元、を見るものの、それより更に下となると一本しかない。
乳房のデカさで気にもしていなかった肉棒に、何をいまさら、と鼻で笑い。
「なにじろじろ見てんだい。
こんなもん、どこでもお目にかかるもんだろ?。
お嬢だって娼婦程でないにしても好い身体してんだ。
男の5人や6人、経験あんだろうにさ。」
そうしていると、デカブツが傍にいるせいで、周りは手を出しにくいものの、チラリチラリと。
この金髪お嬢に興味を示し始めた輩が出始めている。
「―――……。」
なにじろじろ見てんだ。
そう言わんばかりに、瞳を細めて背の向こう側にぐるりと視界を広げる。
お嬢に視線を戻すと、顎を撫でながら。
「んー、盗られるってのも癪だねえ。
お嬢、ちょっとこっち。」
クイクイと人差し指を内側へ数度曲げる、来い来い。
そうして距離が縮まるのなら、腕を回すようにして抱えるだろう。」
「ちょっくら場所を変えるよっと。」
そう言って、ざぶざぶと広い湯船ではなく、隅の地味な場所へ。
■ヴァレリー=D=ツインテイル > 「えぇ、と言っても……。
飽くまでも護身の範囲ですが。
魔術と、体術に覚えがありますので」
相手の笑みに対し、少女もまた、自信のある様子で笑う。
歴戦の猛者、というレベルの相手には敵わないだろうが。
町のゴロツキ程度なら、軽くあしらえる程度の実力はあるのだ。
「い、いえ。殺すとかそこまでは。
……し、失礼、いたしました」
さすがに殺しはムリです、と宣言するものの。
少女は、まず非礼を詫びた。
なんというか、変なリアクションを見せてばかりである。
「どどど、どこでもは見ないでしょう!?
そ……それ……は……。
えええええ、えぇ、まぁ? 経験は、ありましてよございましてよ!?」
相手の言葉に狼狽する少女。
どう見ても、言葉に無理があるのはバレバレであろう。
経験だって、本当に数回程度なのだから。
「……え? な、なんですの?
きゃっ!? ちょ、ちょっと、お放しになってくださいます!?」
いきなり、近づけ、と言われ。
その言葉に従えば、抱き寄せられる。
これまたうろたえる少女であったが。
悲しいかな、体格差は歴然。
少女は見事、相手に連れられ、浴場の隅へと持ち運ばれてしまうのであった……。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 大衆浴場」から八蛟さんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 大衆浴場」からヴァレリー=D=ツインテイルさんが去りました。