2020/06/19 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 人の背徳が集まり出来上がった町と聞く、奴隷市場都市バフートに、私は足を運ぶことにしました。此処には、少しばかりの縁があり、その縁を求めての来訪です。
最近、全く見なくなったあの子を探していまして、私は、あまり好きではありませんがこの場所に来て、確認をすることにするのです。もしかしたらという思いがそうさせてしまうのでしょう、私はこの国の人間ではありませんが、縁を結んだ相手が何かあれば心配する程度の『人間らしさ』というものは持っているのです。
この町はいつ来ても汚く、粗野な人間が多く、危険が多くあるのが判ります、何時如何なる時でも、様々な人が、目を光らせているのです。敵意という名の彩を以て。
道行く人は、奴隷か、奴隷商か、冒険者か、顧客と言って良いのでしょう、私の事を嘗め回すように、見る視線が沢山あります。
そんな視線を私はすべて無視をし、奴隷市場の中に入り込みます。奴隷市場はこの町での生命線なのか、外側の市街地よりは綺麗になっています。
そして、様々な檻があり、そこには、人間、魔族、魔獣、ミレー族……様々なヒトがいるのです。それは、もともと高貴な存在もまた、いるのでしょう。
その中に、探している人がいるのか、いないのか。私は探すことにしているのです。
こつり、こつり、石畳を踏みしめながら、私は人々の合間をくぐり、一つの檻をのぞき込みます、沢山の奴隷が詰め込まれているもので、ちら、と見ただけでは判別できないやもしれませんから。
■シュティレ > 檻の中には、幾人かのミレー族のヒトがいます、ミレー族はこの国では奴隷階級らしく、奴隷市場都市の檻の大半は、ミレー族だそうです。
様々な種族のミレー族がいまして、それはみんな女性でした、恐らくこの檻は性奴隷を捕まえているのでしょう、あの子もどちらかと言えばこういう所に捕まってしまいそうです。
この国で女性は何かと性奴隷として捕まってしまう事が多いようです、確かに考えてみれば、この国のヒトは不思議と美人が多いので、さもあり何と思います。
とはいえ、この檻には私の探している人は居ないので、別を探したほうが良さそうです。視線を外してみれば、奴隷商らしき人が揉み手をしながら立っておりました。
ああ、そうですね、私はお金を持っていますし、この国ではなくても貴族に値する人物です、故に、お金の匂いを感じて来たのでしょう、間違いではないと思います。奴隷商人ならば、詳しいかもしれませんね。
「すみませんが、探している奴隷がいます、案内してもらえませんか?」
私は、奴隷商に、探している人の特徴を伝え、案内を求めてみます、彼の商品の中にいればよし、いなければまた別を探せばいいだけなのです。
それに、彼の扱いがどこからどこまでという事を知れれば、また別を探すことができるのです。だから、嬉しそうにも見てして、先を歩き始める商人に私はついて、歩き始めました。
周囲を眺めて、見た姿がないか、とちゃんとチェックはします。
■シュティレ > 案内されている途中に、特に気になる奴隷は居ませんでした、確かに、様々な奴隷がいます、性奴隷以外にも、戦闘用の奴隷とか荷物を運ぶための奴隷とか、そういった奴隷の人々もいるのですが、私の求めるものではありませんでした。
私は別に奴隷を欲しているわけではありません、人を探しに来ただけであり、その人が奴隷になっているという可能性があるから、ここにきているというだけなのです。
しかし、やはりという事なのでしょう、この場所に私が求める人は居ない模様、彼の扱っている奴隷に居ればいいのですけれど。
連れていかれるがままに私は、奴隷商の屋敷の中に入っていきます、彼の話ではその中に、特に高値の奴隷を扱っているという事なので。
確かに、入り口から入り、その右左には、様々な奴隷が捕まっています、が、どれもあまり状態は良くなさそうです。余り奴隷を大切にしていないのが、判ります。―――中には、磨けば美しくなるであろう、エルフのヒトがみすぼらしい格好で倒れてもいます。
売る気は、あるのでしょうかという思考と同時に、警戒心も少しずつ沸き上がります。歩いていくにつれて、奥の部屋に物騒な気配が。
殺気ともいえるぐらいの敵意が流れているのです。
勧められるがままに部屋に入り、椅子に座ると同時。商人は、下品な笑みを浮かべて私を見るのです。それを見ながら私は、商談―――と言うべきなのでしょうか?問いかけました。
彼が連れてくる奴隷を見定めなければなりませんし、最初の奴隷を、連れてきてください、と願いました。
奴隷商は、何やら鼻白んでいるようですが、私に逆らうことができないのでしょう、奥に、『商品』を取りに動き始めました。
■シュティレ > 暫くして戻ってきた商人が連れて来たのは―――私が探している人とは別の方でした、確かに似てはいるので、知らない人が人づてに聞けば納得されてしまいましょう。
そして、その方は……酷かった、所々殴られた後、けがもしているし、ろくに栄養も取らせてもらってはいない模様。これを、売ろうという商人の気質にはあきれてしまうものです。これが、この都市の商人のスタンダートなのでしょう。
私は次を求めた所、商人の表情が変わります。そして、何やら暴言を吐きかけ始めました。何を言っているのかはよくわかりません、その程度の言動で私は恐怖を覚えると思ったのでしょうか。
余りにも低俗なのでそれを気にせずに次を、と求めましょう、奴隷の悲しそうな表情も気になりません、似ているだけの別人に向ける義理はないのです、私は別に聖人君子ではありませんので。
そんなことを考えて、扉が開けば、先ほど感じた敵意、悪意を持つ人が出てきました、男性であり、その手には、既に剣が握られていました。
商人と二人でやって来た彼は、何を勘違いしているのでしょう、商人と一緒に暴言を吐きかけてくるのです、手に持った剣を見せて、脅してるつもりのようです。
いい加減、付き合うのも億劫になりました、この店には、居ないのでしょうというか、恐らく彼らは私を捕まえて奴隷にと、考えていたのかもしれません。
身の程を知らない―――俗物ですね。
私は、改めて二人を視ましょう、敵意を込めて。それだけで、商人は泡を吹き、倒れてしまいました。私の持つ恐怖に、己の心が耐えられなかったのですね。
そして、もう一人の男性は、持ちこたえられては、居ました。気絶から、ですが。その目は恐怖におびえ、がちがちと震えているのが見えます、しかし、逃げるには、足が竦んでいるのでしょう、動けない模様。
私は椅子から動いておりません、唯々、座っていただけの身を、ゆるり、と立ち上がらせましょう、男性は私よりも頭一つ高い、言うなればしっかりとした肉体を持っている模様。
そんな男性が恐怖におびえた表情を見せて、無手の女を前に動けなくなる、本当に、情けない。
ですから、次に、同じようなことをしたら、どうなるか、覚えておいてくださいましね、と、優しく警告をして、私は彼の持つ剣を、折って見せました。
それを見て、限界になったのでしょう気絶する男性、私は彼らを放置して、そのまま、その場所を後にするのでした。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からシュティレさんが去りました。