2020/04/11 のログ
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 此の街では、貴族が欲求を満たす為の奴隷を買いに来る事など日常茶飯事。強いて上げれば、子供一人で訪れているのが少し珍しい、くらいだろうか。
平民地区を散策するよりも余り注目されていないというのは、何時訪れても不思議な感覚であった。

「それだけ王侯貴族が此の都市を重用しているという事なのだろうが。まあ、活気があるのは良い事だがね」

時折、檻の中に見え隠れする奴隷の中には見知った顔がある…様な気がする。その顔を見たのは王城か、富裕地区か、己の屋敷か。
とはいえ、それを買い上げて助けてやるだけの義理がある相手でも無い。少なくとも、此方に助けを求められない限りは、助けてやる義理も無い。

「…声を上げる、というのも立派な行動だとは思うのだがな」

羞恥心か絶望か。視線だけ此方に向けてくる"元"同胞に肩を竦めつつ、珍しい奴隷でもいないものかと散策は続く。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > そうして、少年の散策は続いていく――
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。