2020/03/22 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアラミルさんが現れました。
アラミル > 娼館で働く淫魔が、ふらりと馬車に乗り、この街に降り立つ。
向かうのはバフートらしい奴隷売買の中央市だ。
男女問わず奴隷が盛んに売買されており、方々から下卑た声が聞こえる。
そんな声を受けながらも、女は平然と、何かを探して市場を歩く。

そんな場所に、令嬢然とした女が来れば、辺りはざわつき。
この都市において財力などの力をあまり持たない小物は、その女のバックに何か居るのではと恐れ。
逆に力を持つ者は、その何も気にしていないような態度から罠かどうかを勘繰り。

結果的に、膠着に陥っていく。
やがて、気にしないこととした奴隷商達はその女を無視して商売を続けることにした。
無暗に絡んで、厄介なことになっては面倒だ、と。

ある意味注目を浴びる女の目的は、奴隷を買う事。
あるいは…『ごはん』を食べてもいいけれど、主目的は前者。

現在でも、娼館で働くことによって空腹は抱えていないが。
それはそれとして、拘束はしないとしても、そういった関係を築けば不意に空腹に襲われた時に対処がしやすい。

男でも、女でも構わないけれどできるだけ、精気に溢れた存在がいい。

「――――――……」

彼女は時折立ち止まり、奴隷を観察している。
周りに護衛もおらず、ただ普通に買い物をしているような雰囲気だが、場所が場所だ。
とてもよく目立つことは間違いない。

アラミル > 「んー………」

きょろきょろと見回る女。
流石に、近くに来られれば応対せざるを得ない奴隷商が色々と言ってくる。
やれこの奴隷は戦場で、やれこの奴隷はさる王国の―――

そんな文言は、彼女には届きにくい。
直感、あるいは淫魔としての食欲とでもいうべきか。
相手を見れば大体、美味しそうかどうかわかる。
それは、人間が料理を見た時にどう思うかに近く。

いくら奴隷商が喧伝しても彼女が気に入らなければ買うことはない。
初めてお使いを任された子供のように金貨が多量に入っている袋を持っているため尚質が悪く。

「……」

期待させるだけさせて、ふら、とまた次の商人の元へ歩いていく。
言ってみれば悪質な客だ。

アラミル > そのまま、女は夜の街を歩いて消えていった…
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアラミルさんが去りました。