2020/01/30 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリスさんが現れました。
リス > 奴隷市場都市、バフート……トゥルネソル商会は、この場所にも店を開いている。
 奴隷というのは立派な商品であり、それを調達するのに一番良い場所というのは、この場所であるのは間違いがないからである。
 此処がどういう場所か、どういう所なのか、知っている、少女は、知っていてこの場に立つのである。
 何も思わないわけではない、何も感じないわけでもない、しかし、必要な場所かどうかで考えれば、確かに必要なのである。

 何故ならば、奴隷というのは、国が設定している身分であり、其処の売り買い事体、国が行っているのであるのだから。
 それに、此処に店を構えたのは、間違いなく、自分の父親であり、トゥルネソル商会を作り上げたエルブである、文句を言うのであれば、それこそ、父親の業績を超えるものを作り出す必要が有るのだ。
 そう、奴隷商よりも利益の出る商売というものを見つけ出さなければならないのである。

 今宵、少女がこの場所に居るのは―――別に少女が捕まっているわけではない。
 確かに、少女自身人竜という珍しい存在であり、ふたなりという、両性の存在だ、捕まえて売ればかなり高く売れるだろう。
 むしろ、少女の親に身代金を言えば、たっぷりせしめられるであろう。
 できれば、の話ではあるが。

 少女は、護衛の冒険者を連れつつ、バフートを歩くのだ、理由はふたつ。

 一つは、バフート店の内情の確認、父親がダイラスに居るとは言え、売り上げなどの監査をしなければなるまい。
 もう一つは、商会で使う奴隷を買い足す―――仕入れというのも有るのだ。

 なので、奴隷市場通りを少女は、進んでいく。

リス > 様々な奴隷が居る、少女は通りを歩いてみるのだけれども、ミレーがまず一番多く、その次に犯罪者なのだろう人々、その次に何かしらの理由で売られていった人と、有るのが判る。
 奴隷と一口に言っても、色々いるのである、それこそ、戦争で捕虜になり、そのまま奴隷になったものまで。基本そういうのは逆らえないようにしつつ戦闘用の奴隷として売られているのだ。
 少女が用が有るのは、基本的には戦闘用ではない奴隷である、商売で売る様の奴隷愛玩用とか、手伝い用の奴隷である。
 奴隷商人たちが集まり、そして、始まるのは奴隷の競売である。
 身目麗しい性奴隷もいれば、屈強な奴隷もいるのだ。

「えっと、今回の予算……はと。」

 少女は自分の今回の予算を思い出しつつ、どれだけ安く多く買おうかしら、と考える。
 少女の店の奴隷は基本的には、国で許可があり、信頼のある奴隷商からの買い付けである、この競売もそれと同じものなのである。
 幾人か買って、店に連れて行き、教育をしないとねと、思うのだ。
 そして、偶に思うのは、この店の店長任せられる人とか、欲しいわね、という所。

 この、バフートの悪徳に負けずに、しっかりとした人物、此処の流儀が判っている人ならなおよしである。
 それは、父親が考える事でもあるが、少女もそういう人脈とか、欲しいわね、と考えたりもするのだ。
 競売に売られている奴隷を眺めながらの、思考。

リス > 競売は……商品が出てきてからが勝負なので、商品が出てくるまでは案外暇である。
 普通の奴隷などであれば兎も角、戦闘用の奴隷……戦奴などになると、暴れる個体もいるので、其れで中断したり、ということも有るのだ。
 毎回すんなりいくわけでもなく、少女はそんな折は暇となってしまうのだ。
 場所が場所だけに、雑談をするような相手もいないので、故に、少女は思考に耽ることになる。

「……あ。」

 そして、連れてこられる奴隷。その奴隷を眺めて少女は考える。
 見た目、健康にして居るかどうか、気質……。
 そういったモノを奴隷商は彼が判る限りで説明をしていくのである。
 それを聞いて買うかどうかを決めるのは買い手の方である。
 時間がかかっていたのは抵抗していたから……と言う訳ではなさそうである。
 どうしたものか、買うべきか、買わざるべきか。

 無理に買う必要もないし、少女は値段を言っているほかの買い手の声を聴いていた。 

リス > 「………。」

 少女は、息を吐き出して立ち上がる。今日の競売には、少女の目を引くような商品―――奴隷はいないと判断したからである。
 目的としては、失敗と言えるだろうが、それで焦っても仕方がない。商品に対しての品質は確かなものが良いのである。
 売りに焦って粗悪品を出すのは商人としては、下の下である、良いものを安くが重要なのである。

 しっかりと見て、そして判断しての結果だし、其れでの撤退は―――悔しさなどは無く、むしろ無駄遣いしなくてよかったという安堵。
 少女は一旦様子を見るために、バフート店へと戻ることにする。
 これからしっかり売り上げなどの帳簿を見なければならないのだし。
 そう離れてていない場所なので、直ぐにたどり着くだろうけれど。

 一応冒険者に守ってもらいつつ、少女は移動するのである。

「――――。」

 その間も、道に置いてある簡易牢屋―――奴隷を展示するための檻を眺めながら、目を引くものが居ないかしら、と進む

リス > 少女は檻を眺めながら進んでいくのだが………特に気を引くような奴隷は見つからない。
 仕方がないと少女は諦めることにする、商売というのは何時でもうまくいくものでは無いし、買い物に来ても良いものと出会えない事もあるだろう。
 なので、視線をすぐに戻すのだ、視線を向ければ直ぐに少女は自分の店―――トゥルネソル商会奴隷市場バフート店の店舗が見える。
 こんなところでも、他の店舗と同じ四階建てである、此処は、他の店に比べて奴隷の方が多い。
 場所が場所だし、特色、なのである。この店の奴隷が他の店に移動して店員となるのだから。

 此処は、トゥルネソルでも、其れなりに重要でもあるのだ。
 此処は、むしろ奴隷たちに教育をして、店員にするための場所でもあるのだし。
 研修所というのが正しいのだろうと、少女は思う。

 他の店員たちに挨拶をしながら事務室へと入り。
 そして、お金などの帳簿の整理を始めるのだった―――

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリスさんが去りました。