2020/01/17 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」に八蛟さんが現れました。
八蛟 > この大陸で一番体現しているとあたしは言える場所。
奴隷市場の都市バフートへ足を付けるのも久しぶりな中で、2mの背丈と見た目の傷跡や肉の付き方から関わってくるのは友ある者だけだ。

指で引っ掛けた肩に下げる焼き物の酒瓶を揺らしながら歩いていき、精液と血の匂い。 悲鳴と憐憫。
そんなもので振り向くやつなんざ居やしない。
相変わらずのケダモノの巣窟だ、と獰猛な笑みで犬歯を覗かせて笑めば、一人がのんきに近づき挨拶を交わす。

『久しぶりだなぁ鬼女。 奴隷買いか?』

にたりとスケベ面で話しかけてくる馬面人体の異形。
互いに硬い拳のをぶつけあいながら鼻で笑って笑みを返し。

「ハッ、まだぶらついてるだけさ。 そう言うおまえさんは精液くっせぇな。
 どうせまた女の子宮でも崩したんだろ。」

並みの男じゃ表現できない一物を良く自慢する奴だったと記憶しながら、来ない間に話に上がってきている他の土地の街
帝国などの噂も交えながら別れていく。

他にも奴隷売りや娼婦紛いな奴隷の味見を称する一時買いを行うテントを仕切った欲深い目をする老婆が話しかけるのを適当に返事をし。

「相変わらずお盛んなこった。」

どかっと手短な段差で腰を下ろせば、長く太い手綱煙管に詰める刻み葉。
火、火、と火口を添えた火打ち金を豪快に鳴らす。
火花が散り、淡い火が奔ればそれを近づけプカァッと煙を吐き出した。

八蛟 > 三口ほどで吸ってしまえる煙管葉も何度か入れ替えていれば煙の味で舌が辛くなる。
手のひらに叩きつけたちょっとした凶器にもなりえる煙管から一粒大の灰が堕ちるのなら
管に残る煙と残滓を吹き出しながら懐に収め。
唐突に鳴る腹の虫。

「―――そういや腹減ったなぁ。 遊ぶ前に精でもつけっか。」

グッと伸びをすれば、コルク栓を歯で挟み引き抜くや口の中に流し込むように注がれる熱く透明な酒。
喉と胃袋を焼く熱と辛口の味が心地よい。

「ふはぁぁぁぁ……。」

熱で焼けた吐息が外の空気で白く濃く染まり、大きく吐き出すと口から漂いながらベロリと雫を舐めとる舌先。

「んーナマモンて気分でもないしなぁ。」

今は血とモツの味という気分ではない。
精をつける純粋な食い物のほうがいい。
市場の中を歩き回りながら、好い飯は置いてないかと背丈の高さでぐるりと見回していく。

野郎や同族ならわかる話、ヤった後の酒と飯は旨いからこういう場所でも売れるもんは売れるんだ。
顔見知りでもいりゃあどこぞで一杯引っ掛ける気持ちで掻っ込む気持ちもあれ、新顔の屋台なんぞも見える。

「酒ばかりじゃあ腹の虫も収まらんよ。」

せっかくの酒を胃袋を埋める為に使うのは鬼としても酒好きとしても気が引ける。
腹が減るほど飯も女も欲しくなるように、牙を舌で舐めあげながら物色するようにぶらぶらと。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「ん~……必要なモノは買えたかしらね」

バフート。公然と奴隷売買を主産業とする都市。
そんな都市に、一人の女が買い物に来ていた。
身長は……およそ150サンチほどか。体躯に見合わぬ肢体を黒のドレスにつつみ。
うろうろと通りを歩く。豊満なバストを、ぶるんぶるんばるんばるんと揺らしながら。
当然、通行人たちはその姿にだらしない笑みやら浮かべたり、鼻の下伸ばしたり、なのだが。

「……」

女の姿を見ると、その多くはサッ、と顔を隠す。
この女、この国では割と有名であり……。
うかつに手を出そうとすれば、痛い目を見る、と知っているものも多いのだ。
特に、奴隷商人などは、この女を上得意としている者も多いのである。

「……っ、って。あ、あれ、何……?」

そんな女が通りを歩いていると、とんでもないものを見かけ、立ち止まってしまう。
とてつもなく圧のある肉体の持ち主。遠目にも分かる。およそ人間ではない。
そして、女の勘が告げていた。あれは、兵。猛者、強者だ、と。
そしてなによりも……。

「……おもしろそうなもの、見~つけた♪」

女の好奇心が、声をかけることを選ばせる。
女は、その相手に向かい、とととととっ、と足早にかけていく。

八蛟 > 腹が減ると性欲も食欲も高まる。
飢えが過ぎれば亜人だろうが人だろうが腹の中に納まることだって鬼としては良しとするだろう。
今鬼がそれを行わないのは食欲より性欲が勝っているからである。

「ん?」

やれ数人の視線が図体のでかいアタシに向くよりも、後ろに鼻を伸ばしたり顔を逸らしたりと皆の反応が忙しい。
なんか面白そうなやつでもいんのか?とぐりっと後ろを振り向けば

「―――ぁん?」

背丈は小柄 黒いドレス 売り飛ばされて当然な身なりだが―――
火薬の匂い。
物騒なチリつく空気も感じる。
身なりが綺麗なのは襲われてないって証拠だ。

「へぇ、セイン……ディバンだっけ?」

50㎝差の身長を見下ろしながら舌を湿らす程度に辛口の酒を傾ける。
金髪や身なり、その体躯とは真逆な相手は好奇心旺盛な子供のような笑みで鬼と向かい合っていることに
鬼もまた笑みを浮かべ名前と顔を一致させた。

「今日は女か。相変わらずいいおっぱいしてんな、あんた。」

ニッと笑いながらやや背を曲げ、断りもせず片手がその張り詰めた片方を下から持ち上げやわやわと揉みしだいた。

「で、アタシになんか用か?」

周りがヒソヒソと声がする。

『“悪食”がデカ女にちょっかいかけてら…』
『どっちがどっちにだよその呼び名』

セイン=ディバン > 近づき、声をかけようとした瞬間。振り向かれる。

(……ち、近くで見ると、なおさらデケェ……!
 いや、身長もだが、オッパイもデケェ! ってそこじゃねぇよ!
 会話、会話を切り出せ! 友好的に! じゃないとマジ命がヤベェ!)

にへら、と笑いつつ。視線をぶつける形。背中には凄まじい汗。
圧。圧。圧が凄い。戦って勝てない、とまでは言わない。
だが、身体能力だけの勝負なら、龍と子犬ほどの差がある。
女はなんとか声をかけようとするのだが……。
次の相手の一言に、笑顔を一旦消し。そして、すぐにまた、笑みを浮かべる。

「……アタシの、こっちの姿を一発で看破するとか……。
 やっぱりアナタ、只者じゃないわね?
 一応、親しい仲間か……逆に。本当に親しくない相手にしか見せてない姿なんだけど」

自身の正体を見抜かれた女は、ニヤリ、と。冒険者らしい笑顔を見せるのだが。

「って、何いきなり触ってんのよっ! 金取るわよ!」

やおらに胸をもまれれば、ばっ、と離れ、胸をガードするように。
それは、恥じらいよりも、『タダ揉みなんざしてんじゃねぇ!』という感じ。
そこで女は、相手の顔をまじまじと見て……。

「……金髪ロング。顔に傷。赤い、爪……。
 あぁーっ! アンタ、アレでしょ!
 フリーランスの八蛟! そうだわ、そうよ! なんで思い出せなかったかな!
 この国のフリーの荒事師で、身の丈2メルトルにも届く女、なんて。
 そうそう居る訳ないのに!」

思い出したぁ! と。女は相手の素性に気づき、ずびしっ、と指を突きつける。

「あぁ、えっと、用事、用事?
 用は特にないんだけど……アンタ、お腹空いてるの?
 この近くの酒場に、メシが美味い店があるんだけど。
 一緒にどう? アタシ、アンタに興味があるのよ」

そこで、おほん、と咳払いし、相手に向かい笑顔を向けなおす。
なお、ヒソヒソと自分の嫌いな二つ名を口にした商人には、視線も向けぬまま、銃を取り出しぶっ放し、足を打ち抜く。

『あぎゃあああああああああっっっ!?』
『だ、大丈夫かマーティーーーーンッ!』

八蛟 > 好奇心旺盛に近づくくせに一瞬で互いに間合いを測るような空気。
んだやる気か?と少し喜々とする感情が別に沸く。

しかしそれ以上のものは感じず、挨拶代わりの名前当ては正解だったらしい。

「酒好き女好きで色んな奴とヤってるってだけなら当たり前だけどよ
 ナニがでけぇ噂とかも含め男の姿なら酒場でも顔くらい見てる。
 周りが顔逸らしてんのもそれだろ?」

親指で辺りにクイと向けてやりゃあ笑みが返ってくる。
やり手っぽい雰囲気の癖に……慎重そうな奴だ。

汗の匂い 女の匂い 煙の匂い
縦筋の蛇のような瞳を細めて笑めば、おっぱいは中々なもんだったと思う。

「おう、ご馳走さん。」

カラカラと笑いながらもう揉めないらしい。
背を戻し、酒を肩に下げ直せばガードする上からでも小柄な爆乳ってやつは中々美味そうだった。

「ん?金払うんならヤっていいのか?」

と乗り気で言った直後に張る声が被さり、アタシの事も知ってるらしい。
賑やかな奴だなと笑うまま飯に誘われたなら一つ返事で頷いてやる。

「おう、いいz(銃声と悲鳴)」

陰口の悪食ってやつに反応したのだろう。
ぶっ放された行為を愉快そうに笑い。

「ハッハッハ。
 なんだ面白いやつじゃないか。
 気に入ったよアンタのこと。
 セインって呼ぶからさ、アタシのことも八蛟でいいよ。」

数打ち物な得物に比べ一点物と呼べそうな黒い短筒。
間違いなくあのセインらしいやと想うや、転がってる野郎は気にせず小柄な体躯をひょいと肩に担ぐ真似をする。

「よっと、で、酒場だっけか。
 セインも酒好きだろ?期待できそうじゃんか。」

と雑談を交わしながら童を肩に乗せるように歩き出し。

セイン=ディバン > 興味本位で近づいたものの、黙っていればケンカを売っているのか、と思われかねない。
なんとか、会話が成立して、命の危険は免れたようだが。

「……なんとも、身に覚えがありすぎて反論できないわねぇ。
 ……そうみたいね。別に男なんて取って喰ったりはタマにしかしないのに」

大体、客に対しておびえた様子を見せるなど、失礼な話だ、と憤慨する女。

「ご馳走さん、じゃねぇわよ!
 アンタ、アンタねぇ! アタシの体は、金の取れる黄金の肉体なのよ!?」

主に。冒険者として有能、の意。
怒りながらも、次の言葉を聞けば。
自身の噂なんかも知っているだろうに、喰う気なのかよ、と内心呆れるが。

「……キライなのよ。悪喰って名は。侮蔑の意味がこもりすぎてて。
 ん……まぁ、そういうことなら。よろしくね、八蛟。
 それじゃあ、道案内するから……って、うわわわわぁっ!?」

なんとも、気安いなぁ、と思いつつ。逆に気を使わなくていいのは楽だった。
女は、酒場へと案内する、と言うのだが。すぐさま相手の肩に担がれれば、驚いたように。

「……ほ、ホント規格外ね、アンタ……。
 ま、まぁいいわ。楽しくなりそうだし。
 ……あ、そこそこ。あの、笑顔で酒場のマスターが鳥の首を絞めてる看板の店」

ほえ~、視点高ぇ~、などと楽しみつつ。
店の看板が目に入れば、指差して教える。
……酒場。『酔いどれ店主の酒絞め亭』。料理、酒、ともにレベルが高いのに。店名と看板のせいであまり繁盛していない店だ。
店内に入れば、女はテーブル席を選び。

「酒とメシ、じゃんじゃん持ってきて!
 さて八蛟。せっかくだから話しながら勝負といきましょ。
 アンタの酒豪っぷりが噂にたがわぬかどうか……見せてもらいたいわね」

着席後すぐさま雑な注文をする女。にやり、と笑う表情には。
相手への侮りがちょっとと、期待が大部分。
豪快なところを見せてくれ、とでも言うかのようだ。

八蛟 > 「だから男共の噂があるってことか?」

つぅか噂出す前にくたばってんじゃねぇのかとクックックと笑い。
コイツおもしれぇと気が合いそうだった。
体躯がこれで同じなら尚良かったろうよと後日談があるくらいにはもう鬼は気安くしていた。

―――況して鬼がやりとりを一々行儀よくする必要もない。

「だから言ってんだろう?いいおっぱいだったって。」

等と軽口と言いつつも肩に乗せた姿は思いのほか楽しんでいるらしい。
ひょいひょいと運びながら周りの視線はデカ女とあのセインが一緒になって歩いている。
物騒ごとの空気しかしねぇと避ける奴らもいた。

「ふぅん。なんだ?鳥がうまいのか?」

看板を見ながらまだ入ったことのない店だ。
奴隷を其処らで売り買い ヤりまくる場にしちゃあ行き届いてる店のようだ。

「邪魔するよっと。」

入口を軽く屈んで入るようにし、肩に担ぐまま入店するならテーブル席を案内される。
周りの顔色ははっきり言えば良くはないわな。

「ほれ。」

ひょいと席に戻してやるように座らせるのなら、首を鳴らしながら向かい合うように席へ。
美味そうな酒と肴の匂いがしてる。

「ぁん?飲み比べかい?
 鬼にいい度胸してんなぁセイン。」

飯食って喰っちゃべるのかと思えば勝負を挑まれた。
それも呑みで。 獰猛な笑みを浮かべてニィッと笑えば。

「あ、度数の高いやつ頼むよ。軽いの好きじゃないんでね。
 あと精の付くやつな。そういうの揃ってんだろ?」

そう言って手持ちの酒をテーブルにドンッ。
長太い手綱煙管を取りだし、刻み葉を詰めながら火打ち金の音が鳴る。

「ふぅぅぅ~……で、飲み比べに勝ち負けたらどーすんだ?セイン。」

其処が本題だろぉと獰猛な笑みのまま挑発するかのよう。
相手の返事次第では―――

「アタシが勝ったら攫ってくよ?」

と笑みを向ける。 既に気に入った気の合う奴とし
小柄だがエロい噂も聞いている。
背丈の差くらいは気にしないように喰うつもりだと。
セインは八蛟が狙いを定めたと言うように。

セイン=ディバン > 「……否定はしないわよ。
 ただまぁ、私だって相手は選ぶんだけど」

相手を選ばないのは、仕事の時くらい。
女状態で潜入し、敵兵をかどわかす時はまぁ、安売りとかもするけど、などと。
さすがにそれは口にはしない女である。

「褒めりゃあいいってもんじゃない!」

がうっ! と吼えるようにする女。
完全プライベートなら、タダで触らせる必要なんてないのだから。
しかして、相手の肩の上、というのは。
これはなかなか、得がたい経験ではある。

「いや、全部おいしいんだけど。
 ……こぅ……インパクト重視の看板にしちゃったらしいわよ」

美味いよ! みたいな看板にしようとしたのだろうが。
逆効果なのは否めまい。
相手と共に入店。女も、軽く体をかがめたり。

「……やっぱり。人間じゃなかった訳ね。
 そりゃそうか。アンタみたいなガタイの人間、そうそういないもんね」

相手に関して聞いていた噂。そして、女が質問しようとしたことの一つ。
その答えが、相手から提供される。
鬼種。屈強な体を持ち、種族によっては高い再生能力をも有する。
なるほど。名が売れるわけだ、と女は納得し。

「……ふふっ。あははっ。カハハハハハハハハハッ!
 八蛟。アンタほんと、正々堂々ねぇ。
 いいわよ。その代わり……そうねぇ。アタシが勝ったら、アンタ。
 アタシに抱かれなさいな。アタシが負けたら。
 アタシのマンコといわずアナルといわず胸といわず。好きにしたらいいわよ」

わざわざ、攫う、なんて宣言するなんて。気持ちのいい女だ。
そう思いつつ、女が提案する。勝負内容は酒の飲み比べ。
勝敗をつけるのは単純に何倍飲んだか。途中、水、食料を摂取してアルコールを薄めるのも自由。
時間無制限。潰れるか、ギブアップするまで続行。
そんなルールを設定し……。いよいよ。勝負が開始される。
まず届いたのは、ドラゴン肉のステーキと、火酒だ。

「じゃあ、いただきまーす! がふっ、んぐっ、んっくんく……。
 ほれで、八蛟。んぐっ。アンタ、フタナリって噂、ホント?」

いただきます、といい、女は初手から勢い良く肉と酒を食す。
食すのだが、とうぜん会話も忘れない。お互いを知るのは大事、という思いもあるのだろう。

八蛟 > こんな売り買いの世界で気のいい会話が続くものである。
これで顔合わせは初めてとは誰が想うだろうか。

此処の店を利用するセインからすれば周りの客もセインが利用することを知っているんだろう。
中には鬼とセインがつるんでたのかと誤解すら抱く会話がしょぼしょぼと繰り出されている。

無論そんなしょっぱい話なんぞ耳に入れる必要もなく、吸い殻入れに煙管を叩きつけて灰を落とすのなら。

「ああなんだい、鬼とまでは把握してなかったのかい?」

セインの種族がどうとかは知らない。どうやって性別が切り替わってるのかも。だがどうでもいいことだ。
逆に鬼からすれば、角がない以外は鬼と名乗るに値すると自負している。
繁盛に名乗ることもないが把握していると思っていたような顔で言っていた。

「プッハッハ。
 こんなデカ女を犯したいっていう背丈かい?
 同じ図体の奴には言われたことあるけどねぇ。」

逆に負けたら喰われろときた。
愉快だった。明け透けに言いあいながら飲むのも久しぶりだ。
おまけに好きにしていいとまで言われたら退くわけにもいかない。
セインも相当な飲みかと言いながら、堂々と言い放つ素振りには素直に喜び。

「お、両方いけんのか。いいねぇ。
 長く楽しめそうだよ。10回くらいがいいかい?」

からかうようにしながら受け入れる度量があるのがわかると鬼も余裕をもって犯せるわけだ。
舌なめずりしながら縦筋の蛇のような瞳が相手を舐めるように見つめ。

「おう。ほれ。」

ガツガツ食いつく健啖っぷりに杯を差し出す。
セインが察するならガツンッと互いに乾杯の合図を行い、グィィィと一飲みのそれで鬼は白く熱い酒器を吐き出した。

「くはぁ~……好い火酒じゃないか。
 で、竜の肉か。また王道な精力剤だねぇ。」

ザクザク切り分ける肉を、手でつまむようにポイと大きくほおばった。
甘い脂身と力強い味。ゴクンと飲めばぴったりなメニューに体も熱を帯びるようだ。

「アタシのそっち系の話もでてんのかい?
 まぁ両穴好きにしろ言うから知ってるんだと思ってたよ。」

肯定しながら火酒もっとおくれーと声を出し。

「あれだけ啖呵切ったんだ。セインの中は十分受け入れることができるんだろう?」

セインみたいなドスケベがいてうれしいよ、と好い意味で褒め。

セイン=ディバン > 女も、相手のことは噂には聞いていたので。
もしも顔を合わせたら、意気投合するか……殺しあうか。
どちらかだろうなぁ、と思っていたが。
どうやら、前者になったようである。

「まぁね……じゃないか、みたいな噂にはなってたけど」

人間離れした体格。無尽蔵の体力。人間じゃないのなら、亜人ではないか。
相手の実力が高くなれば、自然、噂も増えるというものだ。

「あら、意外? アタシ、イイ女には目がないのよ。
 アナタを抱いた、なんて男の話。まず聞かないわ。
 そうなると、アナタ、処女でしょ?
 く、ふ、はははははっ! 気の強い鬼女の処女マンコ。
 喰えるなんて、そうそうないもの」

負ける、なんて微塵も考えていない女。
豪快に笑う女の表情には、オマエをオレのものにしてやる、という自信が満ち溢れていた。

「……い、いいわよぉ?
 10でも20でも。なんなら、今から夜明けまででも。
 好きにしたらいいんじゃない?」

だが、相手の宣言には、笑顔も引きつる。
しかして宣言した以上、退く事はできない。覚悟をきめるのみ、である。

「ね? おいしいでしょ?
 ホント、看板さえなんとかすれば繁盛すると思うんだけどね」

あむあむ、と肉をしゃぶりながら言う女。
相手に負けじと酒を呷る様子は、まだまだ。余裕たっぷり。

「そりゃあね。娼婦が言ってたわよ。
 すごいチンポだった、って。
 ……ま、肉体変化の呪文で女になってるから。
 体内はある程度なんとかできるでしょ」

ちなみに、その娼婦の様子といえば。そりゃあもううっとりしたものだったとか。
目の前で相手がお代わりを求めれば、女もお代わりを要求。
……一つ言うのなら。この女はかなり酒に強い。
強いのだが……鬼種の酒の強さを知らなかった。
鬼=お酒大好き。ここまでは知っている。
だが、実際。どれほどの量を飲めるのかということを知らずにいたのだ。
全生物、全種族の中でもこと鬼種は酒への強さは最強ランク。
鬼に酒飲みで勝てるのは、それこそ酒精くらいのものである。
そうとしらずに、女は酒を呷っていくが……。
火酒を4杯ほど開けたところで、明らかなペースダウンを迎える。

八蛟 > 好き勝手にブラブラと。
千切り合うも契り合うも楽しんでいたが生き続けりゃあ噂も伸びるってもんか。
セインの話は鬼を納得させる。
己の噂や尾ヒレなんぞ鬼からすればどうでもいい。
それで左右されない種族故だろうか。
けれどもその噂がこうして美味い酒を交わし合う切っ掛けになったと言っていい。

続けたセインは処女だろう 筋肉マンコ最高とワイワイ言い合っている。
処女呼ばわりさえも笑いながらあっさり頷き肯定してしまうあたりが鬼の姿勢か。

「よくわかったねえ。名推理だよ。」

パチパチと赤い爪先の手のひらで手拍子を入れ、その自信に満ちた表情。
死合う時の笑みを同じく何度見たことか。
負けて犯される奴も何度も見てきた。

嗚呼 楽しい時間だよまったく。

「20回かぁ。よし、アタシも頑張ろうじゃないか。」

望むんなら仕方ないね、と了承。
セインが え゛ という顔をするかもしれない。
しかしもう言質を取ってしまったのは鬼なのだ。
奪い返すことも取り消すこともできやしない。
セインは後々言うだろう。あれは本気で20回こなすつもりの笑みだったと。

「いや、それもそうだけどセインの選択がうれしいよ。
 アタシも最初竜の火酒でもあれば頼もうと思ってた。
 竜も酔っぱらうって言うあれさ。」

鬼以外も酒豪は数多くいる。 竜もそれに入る表現だ。
そして互いに杯は下げず、空が重なっていく中肉を放り込み、骨を銜えるや歯列が削り取り、綺麗な骨をカランと放った。

「んぐ、褒められて悪い気はしないさ。男もふたなりも。
 セインだってそうだろう? ―――ところでさ。」

そう言って杯を空にし終えて互いに5杯目を迎えるところか。

「埒が明かないから切り替えようじゃないか。
 ―――おぉぉい。」

杯を振りながら呼びつけるのなら、竜も酔っぱらうようなのはないかいと聞いた。
竜の火酒はちょうど置いているらしい。

「丁度いいや。杯の大きさも変えとくれ。 ちっさくて仕方ないよ。」

体型的にこれでは物足りないというように。
そして置かれるジョッキサイズの火酒が二つ。

「おおきたきた。竜の肉と竜の火酒。合わないわけがないよ。」

そう言ってほれ、と差し出し、こちらも放り込んだ肉の塊
脂身の甘さを流すような火酒で体が熱く精がついてきた。

「かぁぁぁ~~ あっついねぇ!」

ギシッと腕に瘤が浮き上がり、血管が奔る。
そろそろ決着だろう。

セイン=ディバン > 女は、基本仲間を作らない。同僚、というか。同業者と話したりはしても。
パーティを組んだり、ということをあまりしないのだ。
それは、冒険者が死と隣り合わせだからこそ、なのだが。
こうして、気の合う相手と話し、飲む、ということ。
珍しくはあれど、女としても嬉しいことらしく。

「そりゃあねぇ。アンタを抱ける男なんてそうそういないだろうから?
 アンタを犯して、ヒィヒィ言わせて、アタシの性奴隷になんてしたら。
 それこそ、国中にアタシの名が轟くって訳よ」

ふふーん、と胸を張る女ではあるが。当然、性奴隷になんてする気はない。
だが、こうしてハッタリで相手が怖気づき、酒を飲むペースを乱してくれれば儲けもの、位に思っている。

「……そ、それはいいけど。
 途中で萎えたり、気絶したりとかしないでよ?
 アタシ、こう見えても、グルメなんだからね?」

余裕だ、という相手の宣言に、女はおびえつつも虚勢を張る。
いや、まさか本当に20発はムリだろう。オレだってせいぜい夜から女を抱いて10発くらいだし。……ムリ、だよね?
そんな不安が胸のうちでむくむくと生じるが。

「アレ、高いでしょ……。
 あぁそうだ。負けたほうはここの勘定も持ちましょ」

そんくらいしないと面白くない、と言うが。
すでにかなりの金額にはなっている。
竜の火酒。竜も殺せるというほどに強い酒。
人間の街では、なかなかお目にかかれない高級酒である。
ちなみに、アルコール度数は余裕の80度超え。並みの人間なら舐めただけで倒れるだろう。

「……うっ……」

相手の余裕そうな表情に比べ、女の顔は赤いやら青いやら。
しかも、なんか勝手に酒とグラスを交換された。
だが、相手はそれを飲み干していく。つまり。
この時点で、この酒を飲めなくては女の負けが確定する状況になってしまったのだ。
女は、まず肉を胃に入れ、味覚を来いドラゴンステーキの味で満たす。
そして、ぐっ、とその酒に口をつけた。
ごく。ごく。ごくっ。三度までは飲み干せたのだが……。
そこが限界。女は、ジョッキをテーブルに置くと、ばた、と机に突っ伏し。

「……ま、まいりましたぁぁぁ~~~~……」

力なく、そう敗北宣言をした。

八蛟 > 「おぅおぅ言うねえ。アタシを貪るつもりだ。
 こんな童に追われちゃ鬼も泣いて逃げ出しそうだよ。」

ケラケラと楽しい酒盛りは過ぎていく。
鬼もここまで言われると気分がいい。
萎縮 遠慮 弁える分水嶺を超えた友ある関係だ。

「ん?美味い酒も肴もごちそうになったんだ。無碍にはしないさ。
 お陰でほら、体も気分がいいってさ。」

バシッバシッと腕を叩いて力強さを見せ、気持ちよさげな笑み。
喜々は相手との飲みも含め20発を了承した気概もだろうか。

正にセインの危機である。

周りもセインの引きつり顔を見て、明け透けに話す回数宣言に化け物を見る目だ。
そしてセインにわずかな同情が行くかもしれない。

「雪のように澄んだ酒ってやつさ。度数も高くて火をつけりゃあ燃える。」

負けた方が奢りとまで言うあたりまだ余裕なんだなと火酒を煽り終えると、突っ伏したところでキョトン。

「ありゃ? セイン? おぉい。」

ツンツンしながら敗北宣言。
20発されますとしてしまうのなら、持て余す体の火照り。
肉も火酒も空になりながら、セインの残りの酒だって口の中へ消えていく。

「ぷっはぁ。 丁度空になったしなら移動しようかね。
 20回だと泊まり込みだよこりゃあ。 クハハ。」

会計としてゴルドが革袋に収まる分を先払いしておく。
貸しだよ?と気楽に言いながら運ぶのならご馳走さんと出ていくだろう。
火酒をかぱかぱ開けた姿に店主も、種族用に酒を増やすかと考えたとかどうだとか。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」から八蛟さんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からセイン=ディバンさんが去りました。