2019/12/17 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にセレーネさんが現れました。
セレーネ > 日が沈み辺りを篝火や魔術の光が照らす
バフートの大通り。様々な人や職業が行き交い、道端では売春宿や見世物小屋、闘技場の客寄せが声を貼り身振りを大きくしながら騒ぎ立てるその光景は、眠らない街ハイブラゼールの煌々とした様子とは違った夜の街の様相を現していた。

そんな中、数多の通行人に紛れる人影が1つ。ボロボロのマントを羽織り、目深に被ったフードで顔を隠したそれは通りの流れに身を任せるかのように宛もなく歩きながら1つ溜息を吐いた。


「参ったわね…」


冒険者支援のスポンサー確保と行方不明の冒険者の身柄調査の為に冒険者に変装してまで足を運んだこの街。本来は早めに用を済ませダイラスで宿を取る予定だったのだが交渉が難航した為に乗合馬車を逃し女は足を失ってしまった。

宿を取ると言ってもあまり立ち寄らない場所故に悪質宿を判断する材料に欠け、最終的に他の通行人の様子を観察しながらどうにか安全に一夜を越す手段を得ようと判断したのが2時間程前。
それから夜が更け始めても尚戦果を得られないままグルグルと大通りを何度も歩き回って今に至っていた

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルヴィエラさんが現れました。
セレーネ > 公主の降嫁もあってシェンヤンとの関係が現在緩和しているがそれとは対照的に魔族との戦いは激しさを増すばかり。
旦那からは既に今年は帰れそうに無いと言った由の書簡を受け取っており、騎士団に所属している息子は今年はル・リエーでの訓練合宿で年を越すと話していた。

寂しさを紛らわすように仕事に没頭していたのがまさかそれがこんな形で仇になるとは想定していなかった。

いっそ街で備品を揃えてから街を出て夜営するのもありかとは考えたがこの時期の山賊街道に1人で寝泊まりするのはこの街で過ごすのと大差ないだろうと判断し覗き込んでいた露天から離れて再び徘徊を始める。

ルヴィエラ > (様々な人が売買されるこの街は
娼館の人員たる新たな「娘」を発掘する為、昔から良く訪れている
今宵もまた、其れに加えて、一寸した人付き合いも兼ねて脚を伸ばした訳だが
さて、此の儘ハイブラゼールの館まで帰るか、或いは気ままに一晩を明かすか
大通りの端、行き交う人の流れを眺めつつに、のんびりと考えていた、そんな頃。)

「―――――……おや。」

(ふと、目にしたのは、少々見目は悪いボロボロの外套姿。
別段、其の様な姿がこの場所で珍しい訳ではない、が
先刻から、何度も何度も、この通りを右往左往する様に見かける物だから
或いは人探しでもしているのか、等と考えつつ、僅か興味を引かれて歩み出し。)

「―――……余りその様な姿で歩き回ると。」

(背後より、ローブ姿でそっと、其の隣へ並び歩けば。
一言、相手の気を引くように声を掛けて。)

「……性質の悪い輩に、目を付けられてしまうものだ。」

(そして、言葉を続ければ。 丁度進行方向で在る通りの先
露店商が大きく声を張り上げている其の辺りで
彼女へと、視線を向けている幾人かの姿を、示すだろうか
みすぼらしい姿が、必ずしも自衛に為るとは限らぬ場所
道行く名も無き誰かすらも、奴隷に貶めるのがこの街だ)。

セレーネ > ふ、と声掛けられる視線を向けると灰色のローブの男が歩幅を合わせるように自らの横に立っていた。
流石に長時間あちこちを彷徨き過ぎたのだろうか、男が示した先の男達はローブの下から視線を向けるとふいと視線を散らし気配を誤魔化そうとしていた。


「……御忠告感謝する。ただ自衛の手段は備えているつもりだ」


絞り出すように低い声で無愛想に応答すると、ローブの下から装備している魔本とイヤリングを男にだけ見えるようにチラつかせる。
そもそも身長も高く、体躯もそれなりにいい自分が丈の長いローブを羽織っていれば性別はすぐには判断が付かないもの。それを嗅ぎ分けた上でわざわざ話しかけて来たのは怪しさしか感じず、こちらはいつでも戦闘態勢を取れるという圧力も兼ねての行動で