2019/11/25 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にプリシラさんが現れました。
■プリシラ > ――――本当ならばこんな所、ついて来たくはなかった。
今更そんなことを言ってみても始まらない、とにもかくにも、
またしても己は迷子になっていた。
「……ここ、は、一体、どの辺り、なのでしょう」
呟く声音もか細く闇に吸い込まれてしまいそうな、暗く細く入り組んだ路地。
奴隷市場へ向かうのだというパーティの一行について宿を出てから、
ものの数分で逸れてしまうのは、ある意味才能かとすら思うほど。
頼みにするのは両手で握り締めたロッドと、そこに籠められた加護の力。
―――とはいえ、それも、道案内にはなる筈も無く。
市場へは、正直なところ、辿り着けなくても構わないのだ。
ひとがひとを売り買いする場所なんて、見たいとも、参加したいとも思わない。
けれどせめて、今夜の宿には―――普通に、清潔なベッドで眠りたい、とは。
思ってはいるけれども、果たして。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリヒトさんが現れました。
■リヒト > 何か用事があったわけでもない。そもそも奴隷どころか煙草を買う金も失っていた所である。
強いて言えば、逃げ出した『商品』でも確保して礼金の一つでもせしめようかと考えていたくらいか。
まあそんな美味しい話など中々ないわけで、舌打ち交じりに路地裏へ潜り込み、
煙草すら切れていた事そこで思い出して機嫌悪そうに頭を掻いた。そんな頃、一人少女が近くを通りがかったのを見つけて。
「お嬢ちゃん、どうした。もしかすると迷子かい。」
でかい身体を緩く屈め、にんまりと細く人の好さそうな笑みを浮かべての挨拶。
いきなり隣へぬるりと歩み寄ってくるから、距離感はかなり近め、で。
商人とも奴隷ともつかない相手の素性は、迷い込んだカモそのものと男の瞳には映っている。
「良い所でもないだろう?……明るい方へ連れて行ってやろうか。俺も帰る所でね。」
だとか提案しつつも、視線は彼女の身なりを改めて確認。
財布の中身の予想だとか、肉付きの良さだとか、割かし下卑た事が頭を回っていた。
■プリシラ > とぼとぼと、ふらふらと、あちらへ、こちらへ、そして溜め息。
そんな姿は少し眺めていれば、大抵の人には迷子だと気づかれたであろう。
そして、熟練の冒険者とは決定的に異なり―――大変に、隙が多い。
「きゃ、―――…… え、え?」
不意にひどく至近距離で、人の声を聞いた。
びくん、と肩を揺らしながら声のした方を振り返り、見上げる長躯に僅か、
双眸を怯えの色が過ぎったけれども。
向けられた笑顔は、少なくとも―――悪い人ではないように、見えた、ので。
「あ、…あの、実は……はい、そう、なん…です……。
えっ、と……それじゃあ、お願い、しても、よろしい、ですか……?」
宿へ戻りたいんです、と、先刻出てきたばかりの宿の名を告げるのも、
この街ではたいそう不用心なことであろうか。
己にすれば、目的地を明らかにすることは、道案内をお願いする際の基本である、と、
それだけのことだったのだが。
ほっとしたように笑顔すらみせる己はきっと、人によっては格好のカモ、なのだろう。
金持ちそうには見えないだろうが、―――おもに、商品的な意味で。
■リヒト > 「ああ、その宿なら俺も知っている……今日は一人かい?それとも……お仲間と?」
仕事柄、特に宿なんて場所は位置関係も把握しきっている。頭の中に地図描いて確認。
さらりと相手の同行者の有無だとかも聞き出しつつ、宿とは離れる方角へ向かい路地を行こう。
つまりは人気が少なくなり、余計に道が狭くなり、暗がりへと。
と言ってもそれはきっと慣れない者からすれば些細な変化、気付けるかは怪しい所。
「しかし運が良かった……最近ここいらじゃあ質の悪い通り魔が出るらしいからなあ。」
その通り魔をまさに実行しようとしている男が彼女の隣にいる奴である。
ふんふんと機嫌良さげに鼻を鳴らしながら、時折目を向いて、安心させるように笑みを。
なんなら片手差し出して手を誘ってみたりもするが、それは半分断られる前提。
そうして相手の警戒心適度に緩めつつ、適当に食い散らすに丁度良い場所辿り着くまで足を進めようか。
■プリシラ > 告げた宿の名を知っている、と応じられれば、ますます表情は晴れやかに。
己がどこへ連れて行かれようとしているのか、気づく気配も無く。
「良かった…!
あ、えっと、仲間が、一緒なんです……今は、ちょっと、
……でも、宿に戻れれば、きっと、皆さんも戻ってくる筈ですから」
己は大人しく宿で待っていれば良い―――筈、なのだ。
通り魔、などという物騒な名称が飛び出すと、反射的にこわごわと、
周囲の暗がりを見回して―――己から、ほんの少しだけ。
男の方に近づいて、身の安全を図ったつもり。
さすがに、差し出された手を取ることまではしないけれど、
まさか、隣を歩く男が『そう』なる可能性には思い至らぬまま―――
ますます狭く、暗く、ひとの気配のしない方へ、誘い込まれて行くのだった。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリヒトさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からプリシラさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」に刀鬼 紫沙希さんが現れました。
■刀鬼 紫沙希 > その日、鬼は奴隷のセリに姿を現した。
中ほどの席に腰掛け、キセルを吸いながらセリに掛けられる奴隷を見ていた。
一家の活動を拡張するにあたり、新たな人員として奴隷を求めてみようと思ったのであった。
どうせなら、鬼の欲望を受け止めることが出来る強い女奴隷の類が良い。
護衛にも伽にも呼べる奴隷を求め、セリを眺める鬼。
今日は破産した元冒険者や、戦場で捕まった敗残兵などがセリに出されると言う。
「可愛い騎士さんでも居てくれれば、言うことはねえんだがな…。」
紫煙をくゆらし、居並ぶ奴隷たちに視線を巡らしている。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」から刀鬼 紫沙希さんが去りました。