2019/11/24 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアルフレーダさんが現れました。
アルフレーダ > 王都で過ごすことの多い王女の姿は、今宵奴隷市場都市と呼ばれる土地にあった。
その中でも王侯貴族御用達のホールにて開かれるオークション会場である。
商品は表の市場に比べるべくもなく質が良い。
いくら嬲るための購入とはいえ、ミレー族や貧民に接することを嫌う彼女にはこちらのほうが性に合っていた。
―――――が。

「今夜は小汚い犬が多い気がするのだけれど。退屈だわ。」

椅子に深く腰掛け、葡萄酒を片手にぼんやりと舞台を見下ろす王女はぼやいた。
傍らの侍従は返答に困って曖昧に頷くのみで、王女自身も返答を望んでいたわけではないため、特に気にもしていない。
没落貴族の子女なんかは飼ってみると実に愉快なのだが、容姿の好みもあってなかなか興味をひく商品はない。

時間は無為に過ぎていく。
むしろ自分と同じ立場の者たちを見るほうが興味深いくらいだった。

アルフレーダ > だがわざわざ足を運び、時間を使うと何も買わないというのも損した気分になる。
そろそろ会場を出ようかと算段する頃、王女が舞台上の商品を指す。

「あれ。」

その一言で侍従は察し、札を挙げた。
値段についてはいくらかかろうが文句は言われない。
彼女が浪費しているのは民から巻き上げたものだから。
そのため、いくらになるかなど興味のない王女は席を立ち、護衛の者に囲まれて出口へ向かった。
こうして腐敗した夜は更けていく。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアルフレーダさんが去りました。