2019/10/26 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 欲望の色を湛えた人々が、絶望の深淵に沈んだ瞳の奴隷達を引き連れていく。
或る意味で、此処はハイブラゼールよりも原初の欲望を宿した都市。自由と尊厳が数枚の硬貨で売られる場所。

「……思ったよりも良い値で売られている様だな。元貴族の端くれならば、安値で買い叩かれるよりは矜持も保たれよう」

今宵此処を訪れたのは、己に歯向かった貴族の成れの果てを確認する為。
でっぷりと太った初老の男性が檻の中で喚いているが、それでも元貴族という肩書は値段を押し上げたらしい。そうでなければ、精々魔獣の餌くらいにしかならないだろうに。

「…一族郎党の命を取らなかっただけ感謝して欲しいものだ。後は、買われた先で己の選択の責任を取ると良い」

此方を睨み付けて叫ぶ"元"貴族を一瞥した後、興味を失ったかの様にその店から離れる。
暇つぶし程度に居並ぶ奴隷を眺めつつ、やたらと声をかけてくる客引きや奴隷商達に鬱陶しそうに溜息を吐き出した。