2019/08/18 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 真夏の熱気にも負けぬ程、欲望の熱波が渦巻く奴隷市場。
今宵も、多くの奴隷達がステージに現れては、貴族や富豪に買われていく。

待ち切れぬとばかりに買ったばかりの奴隷と別室へ消えていく者達を眺めながら、入札希望を表示する為の札をくるくると手元で弄んでいた。

「…やはり、実用的なモノを買おうとするのは難しいやも知れぬな。慰み者を買い取って、諸侯への土産にしても良いが…」

一際高い所に築かれた貴賓席からステージを見下ろしながら小さく溜息を吐き出した。
冷やかしではな、とぼんやり考えながらも、司会者の紹介と共に現れる奴隷に視線を移すだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > そうして、奴隷市場の夜は更けていく。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (どんなものでも手に入る、という触れこみの街、その中央に位置する広場では、
今日も異様な熱気が渦巻く、公開オークションが行われていた。
男たちの罵声やら下卑た笑い声やら、売り物の奴隷が鞭打たれる破裂音やら、
そんなものが今も、耳の奥にこびりついて気持ちが悪い。

広場からすこし離れた、うらぶれた路地の片隅で、朽ちかけた建物の壁に取り縋り、
俯いて胸元を手で押さえ―――深呼吸を、二度、三度と。
そうしてやっと、差し迫っていた吐き気を鎮めて、もうひとつ、深く息を吐き)

………ダメだな、なんかもう、こういうの、身体が受けつけないや。
あいつらも、一度奴隷の立場になってみろ、ってんだよなぁ。

(きっとまだあの熱狂の中にいるのだろう、旧友、と呼ぶのも忌々しい、
かつての己と同様の下衆貴族たちの顔を思い浮かべ、低く呟き落とす。
そういえば、体型を隠すために羽織ってきたロングストールを、
あいつらの誰かの手のなかへ置いてきてしまった、と思い出すも、
広場へ取りに戻る気には、まだ、なれず)

リュシー > (しばらくじっとしていれば、気分はともかくとして、
とりあえず、問題なく動ける程度には回復してくる。
はぁ、ともう一度息を吐いてから、壁に凭れていた身体をまっすぐに起こし)

……帰ろ。
あいつらはもう、ほっといてもいいや。

(正直なところ、身なりの良いボンボンなんてものは、
自分が捕まって売り物にされる心配をすべきでは、とも思うのだが。
ある程度年齢も行っていることだし、大丈夫だろう、と勝手に結論し、
己一人しか使えない移動手段で帰ろうか、と。

袋小路と思しき路地の奥へ、影のより濃いほうへ。
その先で、己の姿はいつしか影に紛れ、じわりと溶けるように消えた、とか。)

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリュシーさんが去りました。