2019/05/10 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルドミラさんが現れました。
ルドミラ > 「……まあ、素敵。本当に注文通りにしてくださったのね。これだけの数を揃えるのは大変だったでしょうに」

夕刻、奴隷市場の一隅にて。とある奴隷商に相対する女は、チュールの編み目越し、目元に滲むような微笑を浮かべた。スタンドカラーの機能的なドレス姿はシンプルながら仕立てがよく。レースの手袋に包まれた指先を口元にあてる仕草ひとつとっても貴婦人然としており、およそこの場にふさわしくない類の人間のようにも見える。

ルドミラ > だが。卑屈まで半歩に迫る奴隷商の丁重な態度と、2、30ほどもある奴隷入りの檻の数は、女がこの市場の上得意であることを物語っていた。

「見て回っても、よろしい? ……いえ、いいの。
ひとりひとり引き出されるのを待つ時間が惜しいものだから。
お気遣いありがとう、優しい方ね」

己のために用意されたらしい席を謝絶し、奴隷商に挨拶がわりのチップを握らせると、護衛とおぼしき屈強な男たちに目配せをして。

女はひとつひとつ、檻の中にいる者たちの検分を始めた……。

ルドミラ > ひとつの檻あたりに費やす時間はそう多くない。
ほとんど裸か、簡素な布地を巻き付けられているだけの奴隷たちの顔ぶれは実に様々であったが、人間も、人間以外でも、見目のよい者が揃っているようだった。

力みも気負いもない、単純にショッピングを楽しむ者の足取りで。
女の通ったあとには、控えめな香水の残り香。
時折立ち止まっては、檻に掲示された番号を、護衛のひとりに書き取らせている。
軽いヒールの音を、檻の中の奴隷たちは何と聞くのだろう。
運命の足音?
悪魔がいたずらに回すルーレットの音?
それとも、ただひたすらに己の運の悪さを呪うこと以外に関心を向ける余裕もないか。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にダグラスさんが現れました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルドミラさんが現れました。
ダグラス > 奴隷商の集まる街バフート。
今日はその中でも贔屓にしている奴隷商の元へ、大きな馬車を引き連れて訪れる。
最近大きな取引があったために急遽奴隷の補充が必要だと注文を受けわざわざ魔族の国や南方の国から集めてきたのだ。
店の前で馬車を止めれば部下たちに奴隷を奥の牢に入れるよう命じた後、大股に店の中に入っていき。

「店主、新しいのを連れてきたぞ」

店主の顔を見つければ声をかけるが今は同時に檻の前に立つ貴婦人の姿も目に留まり。
店主から今は商談中だと言わんばかりの視線を受ければ口を閉じ。
入り口の柱に背を預け腕を組んで取引が終わるのを見守ることにする。

ルドミラ > 「……では、この書き付けに挙げた子たちを、いつもの場所まで届けて下さる? さすがの品揃え、今回も感服いたしました。ありがとう」

やがて、品定めを終え、女が購入を決めたのは十数人ほどの奴隷。丁重に礼を述べ、支払いは受け渡しの際に、と伝えて踵を返そうとしたところで、先程まではいなかった男に、気づく。
己と奴隷商の商談が終わるのを待っていたのであろうことも、見てとった様子で。

「まあ。ごめんなさい、お待たせしてしまったかしら。次のお客様?」

黒目がちの瞳をかるくみはって、済まなそうに眉をしならせる。後半は、奴隷商へ。彼の商品の調達役であることを説明されると、紅い唇が笑いの形にほころび。

「では、あなたが供給役なのね? あたくしきっと、知らずに恩恵にあずかっていたのではないかしら。お会いできて光栄よ」

如才なく、そう述べて片手を差し出すのだ。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルドミラさんが現れました。
ルドミラ > 「……では、この書き付けに挙げた子たちを、いつもの場所まで届けて下さる? さすがの品揃え、今回も感服いたしました。ありがとう」

やがて、品定めを終え、女が購入を決めたのは十数人ほどの奴隷。丁重に礼を述べ、支払いは受け渡しの際に、と伝えて踵を返そうとしたところで、先程まではいなかった男に、気づく。
己と奴隷商の商談が終わるのを待っていたのであろうことも、見てとった様子で。

「まあ。ごめんなさい、お待たせしてしまったかしら。次のお客様?」

黒目がちの瞳をかるくみはって、済まなそうに眉をしならせる。後半は、奴隷商へ。彼の商品の調達役であることを説明されると、紅い唇が笑いの形にほころび。

「では、あなたが供給役なのね? あたくしきっと、知らずに恩恵にあずかっていたのではないかしら。お会いできて光栄よ」

如才なく、そう述べて片手を差し出すのだ。

ダグラス > 「こちらこそお会いできて光栄ですマダム。
 奴隷を買ってくれる方がいなければ、俺たちの仕事は成り立ちませんので」

腐っても元々王国軍の下士官、そして時に外交もこなす海賊船長として最低限の礼儀はあり。
贔屓にしてくれている奴隷商の顔を立てる意味もあり。
大柄でいかにもならず者と言った顔つきにも拘わらず丁寧な態度で返事を返し。
差し出された手に対しては軽く首を振り。

「マダム。
 俺は血に汚れた海賊です。
 このような人目に付く場所でお手を穢すわけにはまいりません」

横で自分が失礼なことをしないか心配そうな目で見ている奴隷商の主人をちらりと横目に見て。
丁重な断りを入れ。

ルドミラ > いかにも粗野な外見の男の、完璧な礼節をわきまえた対応に。女はチュール越しに長い睫毛をまたたかせ、店主はあんぐりと顎を落とした。
驚きから立ち直ったのは、女の方がいささか早かった様子で。相手の気遣いを汲んで、差し出した手をそ、と引く。

「……驚いた。いま、あなたがあたくしに示して下さったのは、騎士の礼節よ。でも、ここで見かけ通りでない人間は、あなただけというわけではないわ」

半歩、音もなく踏み込んで。手指を唇の前に翳しつつ、男に少し屈むよう目顔で合図した後、囁きかけた。

「血に汚れているという意味では、あたくしもさして変わりがないの。……人目につかない場所でなら、もっとお近づきになれるかしら?」

興味を惹かれた、という様子は、ほんの数瞬合わせた視線が如実に語るところ。次の瞬間には、香水の残り香だけを相手の鼻先に残して離れているのだが。

ダグラス > 合わさる相手の視線の奥にただの腐敗貴族にはない何かを本能的に感じ取り。
相手が再び後ろに下がれば小さく息を吐き。

「……よいのですね?誰もいない場所で、海賊に礼節を求めるのは不可能ですよ?」

恐らく相手が冗談や戯言を言うタイプではないことは何となく察せられ。
ちらりと店主に目配せをすれば、店に迷惑がかからなければどうでもよいといったように視線を外され。

「それでも良ければこちらへ。
 秘密を守れる場所を知っています。」

再び相手を見れば店の外へ。
持ってきた奴隷の清算は信頼できる部下に任せて隠れ家の一つにしている近くの家に向かうだろう。

ルドミラ > 「あたくし、面白いことは大好きなの。お話したいこともありますし……」

けろりとそう応じると、知らん顔を決め込む店主へは、何事もなかったかのように笑顔で別れの挨拶をし。己の部下たちへは、市場の近辺で待つよう伝えてておく。


「では参りましょうか、騎士海賊さん」

夕闇迫る市場を、後にする。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からダグラスさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からルドミラさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にディアさんが現れました。
ディア > 様々な奴隷達が檻の中である者は濁った眼、ある者は媚びる目、またある者は怒りの眼。
様々な眼は通りへ向けられている。

そして、通りから檻の中に向けられる目は、好奇の眼や蔑み、こちらもまたいろいろな者たちがいる。

その中を我関せず、まるで散歩でもするかのように少女はトコトコと歩いている。

ディア > 幼女趣味の貴族が、通りを歩く少女を誘拐しようと、家来たちに指示を出したりもしているようだが、
気づいているのか気付いていないのか、
少女派のんびりトコトコ、目をキラキラさせながら歩いている。

「ふゎ… すっごーい いろんな人たちがいて、いろんな物があるー。」

等と呟きながら少女は奴隷や、店先で売られている如何わしい物に目を輝かせている。