2019/02/23 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアリエルさんが現れました。
■アリエル > 「あ……ありがとう、ございました」
両手に今日の分の報酬が入った皮袋を受け取って、見世物小屋の主に軽く一礼し、颯爽と背を向ける。
己が呪いを見世物として、その場で誰かの精を受け、その場で幾つかの卵を生み落とす。
物珍しさに見に来る客や、自ら種付けしたいと名乗り出る客たちのお陰で、少女は何とか冬の厳しい日々を凌げていた。
今日産んだ卵は、4つほどだっただろうか。
何も残さない卵。中はがらんどうであるにも関わらず、自分が産んだと言うだけで、買う輩もいるのだから―――。
むりむりと膣から押し出される感覚がまだ残っていて、仄かに劣情の残滓を滲ませながらも、
貌を見られぬようにとフードを目深に被り直す。
奴隷でもないのだから、なるべくこんな場所には長居したくない。
そんな面差しがありありと見てとれただろうか。
「……とにかく、これで―――明日も、食べる分には困らなさそう。
今日は、もう、帰って……嗚呼、熱めのシャワー、浴びたい……な」
疲れたようにぼやきながら、市場の隅を少女は歩く。
■アリエル > 誰とも目を合わさぬように、なるべく地面に視線を落とす。
そんな歩き方をすれば当然、誰かとぶつかることもあるのだが、すみませんすみませんと低姿勢で謝り、
相手の反応を待つ前にさっさとその場を離れる、の繰り返し。
見世物で貌は知られているのだ。
前に帰りしな客に声を掛けられた事があって、その時は何とか強引に逃げられたものの、
それ以来何かと怖くなって、後をつけられていやしないか、時折足を止めては確認する癖が出てしまった。
「――――大丈夫。誰もついてきてない。だいじょうぶ……」
ぶつぶつと繰り返し、自分に小さく言い聞かせる。
両親に捨てられてから今まで、何とか一日一日を無事に切り抜けてきていた。
こんな呪われた自分でも、その呪いを商売に変えて、一人でだって立派に生きていける。
今は無事に、帰路に着く事だけを考えれば良い。
余計な事まで考え始めてしまうと、足取りさえ重くなってしまうのだから。
■アリエル > 「…………、ぅ…」
ぶるるっ...と。不意に腰辺りが戦慄いた。
寒気ではない。ただ、下半身が、下腹が落ち着かない。
胎に受けた白濁は、全て卵のための栄養となった。
股座から溢れてくるものに精液の類は欠片もなく、代わりに、とろ、とした
少女自身の愛蜜が、薄い下着を濡らしながら内腿を伝う。
―――足りない。快楽が、享楽が、子宮に浴びせる熱の奔流が。
「…っ、だめ、もぅ………今日は、“お仕事”…しないって―――」
決めたんだから、と少女は唇を引き結んだ。
淫蕩になってしまったカラダ。産卵した後は特に、余韻が長引く。
フードを深く被り直す。きっと自分の顔は今、はしたない顔をしているだろうから。
少女の歩みは段々と、無意識に足早になっていく。
■アリエル > 「………明日、は―――、…あしたも……」
これは仕方のないこと。生きるため、食うため。
だから“これ”は“仕方がない”のだ―――
そう自分に言い聞かせながら。
少女は無事に帰路に着く――――。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアリエルさんが去りました。