2018/11/07 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 賭場」にジンライさんが現れました。
ジンライ > 高い天井から差し込む陽の光が鈍るほど煙の立ち込めた賭場。
幾つものテーブルが並び、それぞれで歓声が上がったり、ため息が漏れたり、嬌声が上がったり…

その中のテーブルのひとつ、黒髪の女性がディーラーを務めるルーレットの席に、東国風の長身痩躯の男が座っている。

「あーんと…じゃァ、黒」

がしがしと頭を掻いて、多少投げやりに、コインをいくつか黒のマスへ押しやる。額と頬の大きな傷やら目つきやらで大層人相が悪いが、今は表情が何とも微妙。

ジンライ > くるくると回るルーレット。球の行方を顎を撫でながら半眼で追う。
しばらくして、かん、という音とともに球の運命が点々とし始める。

(…マジで、頼む…)

両手指を組んで、額をつけて球の行方を祈る。(黒、黒黒黒黒…!)

ジンライ > やがてルーレットの周る音も、球が迷っている音も止まる。
「………」
男がうっすらと目を開けて確認しようとすると

「白の9ですね」

女ディーラーの冷めた声。

ジンライ > 「だァっー言うンじゃねェよ!」
眼を剥く男にディーラーはこれまた冷めた目線。

テーブルはすでに、舌打ちをしているこの東国風の男しかいない。続けます?と問われれば、男は鼻を鳴らして立ち上がる。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 賭場」にノアさんが現れました。
ノア > 多額のベットをする訳でなく、止めるでもなく、グラス片手に ちまちまと、賭場に居座る女が一人。あちこちのテーブルを回る女からは勝利への欲が感じられず、寧ろ気怠げに "暇潰し" でもしているかの様。ふらりふらり… 次は何処へ座ろうかと、フロアを歩いていれば ──

「 ………っ、 ごめんなさい。」

丁度立ち上がった長身の男と、軽い接触。控えめな声量で謝罪しつつ、相手の顔を見上げた。

ジンライ > 「おッと…ああ、ワリィ」
ディーラーに捨て台詞でも吐こうと思っていた所、思わぬ接触と女の声。ぐるっと首を巡らして片手で軽く拝むようにする

女性の手にグラスがあるのに気づくと(最後に一杯行っとくか…)軽く唇を舐めて
「ワリ、酒ってどこ行って頼めンだ?」

ノア > こざっぱりとした男らしい髪型、額や頬に刻まれた傷、そして… 随分と鋭い目元。女の琥珀色に映し出されたのは、お世辞にも温厚そうには見えぬ風貌の男だった ── けれど、

「 ん… いや、あたしが ぼーっとしてたから。」

片手で拝む様なジェスチャーをしてみせた相手は、思いの外 物腰も柔らかく。ほっと肩の力を抜いて、自分の不注意だと返し

「 案内したら、一杯付き合ってくれる ? 」

なんて、ゆるりと首傾げ。つい先程まで退屈そうだった琥珀色も、何処か愉しげに煌めいていた。

ジンライ > 思わぬ提案に、アァん?と一足先にカウンターを探していた視線をぎろりと戻す。

「構わねェけど、奢らねェよ。奢ってもらいてえくれえだしな」

けらっと笑う表情は打って変わって呑気なものだ。

ノア > 「 ん ………あぁ、 なるほど… 」

けらりと笑う男の後ろでは、チップを引き寄せる女性ディーラーの姿。どうやら随分とやられたらしい事を察すれば、ケープの中で財布を揺らし

「 んんー いいよ ? 負けてないし♡ 」

重みある硬貨の音を鳴らしてみせる。貴方を見上げる其の表情は、少々生意気な笑みを浮かべていた。「 こっち 」と手招きなんかしてみながら、酒を提供しているバースペースまで貴方を誘導し

ジンライ > 女の余裕のある態度にケッと一瞬悪態をつくが、酒の誘惑に勝てず招かれるままにバーの方向へと付いていく。

カウンターに辿り着いてみて、改めて女をしげしげと見下ろしてみる。この都市には、奴隷を「買う方」「売る方」「買われる方」の3種類くらいしかいないと思っていたが…
それはそうと酒だ。

「ホントに奢ってくれンのか?」
高い酒を指さしながら、まあ、どれでも良いンだけどな…と漏らしてニッと笑う。

ノア > 悪態つく貴方に対して ふふんと生意気に目を細めたり、先程までの重い足取りとは違い 軽やかな足取りで貴方と共にバースペースへ。貴方が上等なワインボトルを指差すと

「 頼むのは構わないけど、一口で潰れたりしないでよ ? 」

などと 揶揄う様な台詞を口にしつつ、さらっと其のワインを注文。空いたグラスはカウンターに置き、仕切りで区切られたソファー席へと

「 ………名前、何ていうの ? よく来るの ? 」

ふかふかのソファーに ぽすんと腰下ろし、ワインとグラスが届くまでの間 何気なく質問を。

ジンライ > 「おォ…豪気だな、お前ェ」

高い酒をさらりと注文する姿に感心した様子。言ってろ、と軽く笑いながらソファ席へと誘われると、どうやら初めてらしくヘエーと間抜けた声を漏らす。女の向かいに腰掛けると、腰の後ろを探って煙草を取り出しながら

「あァ…俺ァ『ジンライ』ってンだよ。お前ェさんは?」

取り出した煙草を良いか?と振って見せる。

ノア > 羽織っていたファーケープを脱ぎ、ふぁさ と背凭れに掛ける。少々乱れた長い髪を指でときながら此方も名乗り返し、煙草を揺らす貴方には 構わないと頷いてみせ

「 ジン、ライ ? 珍しい名前ね。あたしノア、よろしく♡ 」

程なくして、銀のトレーに乗せボトルと二人分のグラスが運ばれ、店員の手慣れた動作にて美しい紅が二人の前に注がれて

「 ジンラ……… んん… "ジン" じゃダメ ? 」

早速貴方の名を呼ぼうとするけれど… どうやら、言い慣れぬ響きに口ごもった模様。初対面にしては少々図々しい略称を提案しつつ、グラスを手に取り

「 乾杯っ 」

にこり、懐っこい笑みを向けた。

ジンライ > 許可が下りると煙草を咥え、慣れた手つきでマッチで火を点けて深く吸い込む。
己の名前が言えない相手に軽く笑いながら煙を細く吐きだし

「まァ、構わねェが…呼ばれても気付かねェかもしんねえ」

酒が目の前に来れば唇を湿らせる。懐っこい笑みを浮かべる女に乾杯、と合わせてやってから一気に半分ほどを呷る。

「この街に限ンねーが、俺ァ賭場がありゃどこでも顔出してンな。
お前ェさんは?この街に住んでンのかい?」

灰皿にぽん、と灰を落としながら

ノア > スツール並ぶカウンター席とは違い、薄暗い照明の中 仕切りに区切られたソファー席。取引や密談が其処ら中で行われている こんな都市だからこそ、需要があるのだろう。やたらと柔らかいソファーは、スツールとは比べ物にならない座り心地で

「 ……… 、 んー 幸せ♡ 」

そんなソファーに深く凭れながら上等な酒を煽ると、女は うっとりと目を細めた。"THE・勝者の余裕" を悪びれもせず醸し出したまま、もう一口。貴方からの質問には、グラスの淵を指で拭いながら

「 いや、家は王都にあるんだけど ね… 」

一瞬、女の視線が揺れる。けれども直ぐに、調子を取り戻し

「 "暇潰し" ってやつ ? それくらいの気持ちの方が勝てるものよ、ギャンブルって。ふふ 」

などと、生意気を言ってみせた。

ジンライ > 相手の淀みのある回答にヘエ?と片眉を上げる。まァ、この女にも色々あンだろ…と心の中で独り言ちて

「悪かったな、俺ァ年中素寒貧だから、滅多に勝てやしねェや」

言葉の内容のわりに、表情はサッパリしている。再び煙草を深く吸って
「貧乏暇なし、ってなァ、マジな話だな」

ノア > 己の欲を満たす為、手に入れる者。そうした者の欲によって、財を得る者。彼らによって、売買されるモノ。そんな三種類の人間と各々の感情が渦巻く都市で、女は其のどれにも当て嵌まらぬ様だった。小生意気な態度で飄々と戯言を垂れつつも、心底この都市を楽しんでいる風でもなく… まるで、家出少女の様な。そんな脆さが ほんの一瞬、琥珀色を揺らし表れた。

「 じゃあ… 忙しい貴方と呑めるなんて、あたしはラッキーね♡ 」

"貧乏暇なし" なんて溢す貴方に、いい時に捕まえたと悪戯に微笑んでみせる。貴方の煙草が随分と短くなったタイミングで白い手伸ばし、最後の一口を盗んでしまおうと試みる。もしも奪い取る事に成功したなら、吸い込んだ紫煙を細く長く吐き出してから煙草を灰皿に押し付けて

ジンライ > 自分のグラスが空になると手酌で勝手にどぶどぶと注ぐ。そうしてから気づいたように、相手のグラスにも注ぎ足そうかと瓶を掲げて

「俺なンぞ引っ掛けて面白ェってなら、まァそうなんだろな。余裕のあるお方は違うモンだねえ」

おどけたような口調で言った所、煙草を奪われる。最後の一口が吸われてしまえば「…貧乏人から掠めンじゃねえよ」と苦笑を浮かべる

「お前ェさん、いくつなンだよ?」
グラスからまた一口呷った後、一瞬過ぎった、心細げな表情を思い出して問うてみる。

ノア > 薄暗い照明の下、改めて目の前の貴方を見詰める。髪型や顔立ちの他、異国の装いには特に興味深げな視線這わせた。其の視線は 掲げられた酒瓶によって引き戻され、注いでもらおうと残りを飲み干し空にしたグラスを差し出して

「 まぁねー 」

"余裕のあるお方" とやらを否定する事もせず、注いでもらった酒を こくりと一口。口内に残る上品な酒気と共に、奪い取った煙草の紫煙を満足げに吐き出し

「 いくつに見える ? ………って、この質問返し 男の人は面倒くさいんだってね。24、歳相応に見えるでしょ ? 」

一度はよくある質問返しをしてみせてから、くすりと肩揺らし。焦らすつもりも試すつもりもないと、あっさり実年齢を答え

「 ジンは ? んー …… 32くらい、かな。当たり ? 」

と、失礼な予想も付け足した。

ジンライ > 「ヘーエ、もっとガキに見えンな?」

24と聞くと、心底驚いたように言ってグラスをまた空にする。テーブルの上に置いていた煙草の箱からまた一本取り出し、咥えてマッチを擦りながら

「俺ァまあ…そンくらいだな」

正確な年齢には拘らないらしい。また深く吸って火をつける。

「まァ、お前ェさんよか年食ってるよ」

けっけっけ、と笑いながら煙を吐く

ノア > 「 ……… っ、 せめて "若く見えるね" とか "10代の肌してるね" とか言ったらどう ?! ガキって何よ、ガキって ! 」

つん と唇尖らせると、勢いよくグラス傾け酒を煽る。貴方に負けじと空にしたグラスを、デンと突き出して見せながら

「 薄暗い賭場に籠ってばっかりいるせいで、目が悪くなったんじゃない ? 貴方の目の前に居るのは "立派なレディ" です、 "大人の女" ですー 」

不満げに唇尖らせたまま、偉そうに脚を組み替えてみたり… ムキになる様は、残念ながら酷く幼稚。

ジンライ > わりィ悪ィ、とちっともわるびれずにけらっと笑って、またワインを相手のグラスに注いでやる。自分のグラスにも注いでしまえば、すっかり空になったようで逆さまにしても一滴も出ない。

「なンだよ、若ェって言ってンだから喜べって…」薄笑いを浮かべながらまた煙草を深く吸って、一度灰皿に置く。
グラスのワインを2度に分けて飲み干すと、ごちそうさん、と再び煙草を手にして

「…大人扱いして欲しいってェのかよ?」
凶悪な顔の眼がすっと細くなる。

ノア > キーキーとムキになって文句を垂れていたせいか、はたまた一気に煽った酒のせいか… 酒瓶が空になる頃には、白い頬も すっかりと色付き始めて

「 んん…… 別に "大人扱い" して欲しい訳じゃなくて、正真正銘オトナなのー れでぃなのー 」

すぅ と細くなる貴方の眼にも気付かぬまま、若干酔いの回った口調と声色で なお、不満を漏らし

「 ん、 ちょっ と……… きいてんのー ? 」

貴方の鋭い黒を、とろんと細めた琥珀色で覗き込んだ。

ジンライ > 呂律が回らなくなった様子の相手を認めると、あちゃあ、と片手で顔を覆って

「やべェ…」

こうなった後の女は厄介だ…
煙草を最後まで吸うと灰皿に揉み消し、やれやれと立ち上がって

「おい…帰ンぞ。送ってやっから、宿の場所教えろや」

酒を奢ってもらった恩義もある。立ち上がらせようと女の腕を取って軽く引っ張り上げる。

ノア > 「 やべェ って何よー 」

顔を覆う貴方に ずいと詰め寄る様に前のめった次の瞬間、僅かに地面が揺れる…… 否、女自身が ふらついている。

「 ん、 ハナシ逸らさないでっ……… 宿 ? 宿は… えっ、と…… 」

腕を引かれ立ち上がる… と、いうより強制連行。酒が染みた ぽんこつ脳内で、何とか思い出した宿の方角指差すと

「 んん……… こっち、かな… 」

ふらふらと頼りない足取りで、貴方に凭れつつ店を後にした。

ジンライ > お前ェのことだよ、と軽く笑いながら女をほぼ抱えるようにして立ち上がらせ、出口へ引っ張っていく。

「まァ、宿の場所覚えてンなら上等だな」

店の外に出ると、偉ェ偉ェと言って女を肩に抱え上げ、示す方向へと軽い足取りで歩き去る。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 賭場」からジンライさんが去りました。
ノア > さて、思わぬ形で厄介なモノを抱えてしまった貴方。無事すんなりと宿まで送り届ける事ができたのか… はたまた、あてにならない記憶力のせいで、あちこち徘徊する事となってしまったのか…

「 あー 今、 子供扱いしたでしょー ?! 」

いずれにせよ… 肩に担がれたままキャンキャンと喚く酔っ払いのせいで "レディと高級な酒を酌み交わした大人な夜" という思い出には、残念ながら ならなかった事だろう ───

ご案内:「奴隷市場都市バフート 賭場」からノアさんが去りました。