2018/07/13 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート/奴隷市場」にカイルさんが現れました。
■カイル > 数人の男女が大男に引かれている。首には首輪を嵌められそこから垂れた鎖を男は引いて市場へと入った。
「お前らはぐれるなよ。ってこれじゃあはぐれようもないか」
男は小さく笑い声を漏らした。
男は傭兵を生業としているが、傭兵として支払われるギャランティー以上に儲かる事がある。
つまりは捕虜を売るのだ。無論、上の方からはきつく禁じられてはいるのだが、敵の数などいちいち数えてなどいないし、
最悪死んだ事にすればいいのだ。
男は市場の中でも比較的小さな店へと入れば(といっても屋根も布を張っているだけだが)奴隷商人へと話しかけた。小さな体躯の髭をたくわえた中年の店主が出てくる。
彼らは仲買だ。
つまり、男から奴隷を買って他に奴隷を売っている店へと卸すのだった。無論、直接大きいところにもっていけばそれだけ高く売れるのだが、大きな奴隷商は身元も解らないどこからか攫ってきたような商品は買いたくないし、何処の人間かも解らない男とは取引しないのだった。だから、男は必然的に奴隷を仲買に売るしかない。
「なんだ。商売繁盛してそうだな。」
男はそういって、背もたれもない椅子へと座る。鎖を店員にわたすと店員は奴隷を奥へと連れて行って。
「約束の人数集めたぜ。なかなか強そうだろ?たまたまだが、今回捕虜の中に女もいたから連れてきたぜ。」
味見はしたのか?と問われると男は首を振った。
「俺はしてねーよ。好みじゃねェ。それより商売の話だろ?」
そういうと片手を大きく広げた
「今日は5だ。」
店主が何かいいかけるとそれにかぶせるように言葉を吐く。
「おっと、今日はまけねェぜ。今日はあんたの注文でもってきたんだからな。」
■カイル > ため息をつきながらしぶる店主に男は顔を近づけて声にドスをきかせる。
「なにかイチャモンでもつけて値をさげる気か?俺はあんたの言う通りに連れてきただけだぜ。ここから値を下げるのはルール違反だぜ。俺は別に正しいだ悪いだいうつもりはねーが筋とおんねェ話が俺が一番キライなの、あんた知ってるよな?」
男は机という名のただの樽の上に板を置いただけのしろものの上の金属製のペーパーウェイトを掴むと手の中でそれを丸くして見せた。店主は青くなってこくこくと頷く。
「わかればいい。俺は商売人の駆け引きなんてわからねーからな、そういうのは商売人同士でやりゃあいいんだ。」
男は金をもらうと満足気に立ち上がった。
「ちっと見てくぜ。」
そう男はいうと店の中にある檻へと目をやる。檻は小さく中には積み重ねているものすらある。
こんなトコにいるよりゃ誰かに買われた方がよっぽどマシだよな。と男は思った。
■カイル > 「ちっ、どいつもこいつも辛気臭ェ面してやがるぜ。噛み付いてやるくれーの勢いで来るヤツぁいねェのかよ」
と言ってみるもさすがにそれは無理があるというもの。男は誰かに身を重ねて理解しようとする行為は苦手だった。というかそもそもそういった概念を持ち合わせていないのかもしれない。
近くにあった木切れを手に持つとキンキンと金属音を鳴らしながらまるで巡回でもしていくように檻の間を歩いていく。
■カイル > 「ったっく、こんだけ煽ってるんだから、鉄格子鳴らしたり叫んだりてめェらなんかあんだろうが!」
思い切り木切れを鉄格子に投げると大きな金属音が鳴った。怯える姿を見て辛気臭いやつらだと思ったが、それも当然の事なのだろう。あー、恥ずかしい。なんで切れたんだよ。アホらし。男はそう思いながら、近くにあった樽へと座り込むと紙巻たばこに火をつけて一服しはじめた。小さくため息をつくと紫煙が口の端からこぼれていく。