2018/07/05 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルインさんが現れました。
■ルイン > (――敗戦その物は、予測していなかった、といえば嘘になる。
ただ、そのレベルが想像以上だっただけだ。
勿論商売人としては。勝とうが負けようが、国がお得意様である事は変わらない。
裏を返せば、国自体が無くなってしまうのは、上客を失う事になる。
…どうやら暫くは、自身の事は後回しに。商売その物に、本腰を入れるしかなさそうだ。
あらゆる作業と商業をフル回転させる為には、人手を増やさねばならない。
だから。この都市に来たのだが)
分かっちゃいたけど。迷うね、これって…
(王都や港とは、また異なる意味で。盛況で、喧噪に満ちている。
当たり前の如く、人間が商品として並べられ、売られ、買われ。
そんな市場の中を歩きながら…表情を変える訳にはいかなかった。
余計な詮索はされたくない)
■ルイン > (首を振る。過度な同情は必要無い…種よりも個。今は、己自身。
それでも。品定めの瞳が、つい。奴隷達の中、人間よりもミレーの物を多く見てしまうのは。
個人の理性や性格ではどうにもならない、本能なのかもしれない。
瞳を細め息を潜め。とある一つの店先、陳列された檻の中へと。
その中で息を潜める同族へと、手を伸ばそうとして…)
あ。…あぁうん。見繕ってくれるかい?
今欲しいのは。兎に角、即戦力。活きが良くて、人足に向いた男とか。
客受けの良い、華になりそうな女とか。
……あぁ、これだと、殆ど当て嵌まるね。
(不意に、その店の店主だろう男に声を掛けられた。
無意識に帽子を押さえながら振り返り。どんな奴隷が欲しいのか…との問い掛けに答えよう。
誤魔化し加減に取り急いでまくしたてた台詞はちぐはぐだったが。
実際、何れも欲しいのは間違いない)
■ルイン > という事で。
今この檻の中に居る――全員、貰おうかな?
(店主としては。一気に在庫が捌け、纏まった金が支払われ、万々歳。
従って些細な違和感など直ぐ様吹き飛び、上機嫌で手続きに移る。
檻に囚われたミレー達は、この新たな主が如何なる人物なのか、と。
不安と疑心、怯えと媚びのない交ぜになった瞳を向けてくる。
――どう思われようが構うまい。所詮こちとら混ざりモノ。
必ずしも彼等の味方をしようとも、人だけを優遇しようとも思わない)
――気の迷い。だよねぇ。我ながら甘っちょろい。
(知らず知らず一人ごち。何か、と首を傾げた店主に。おざなりに手を振って。
…どうやら今日は大赤字だ。
この損益の穴埋めは、早速彼等に…今手に入れた奴隷達に、働いて貰わねばならないだろう。
取引と手続きが終われば、王都に取って返す――ではなく。
直ぐにこの侭その足で、ダイラスの方面へ。
次なる仕事は、さて、如何なる物か)
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からルインさんが去りました。