2017/11/19 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアザレアさんが現れました。
アザレア > 昼夜を問わず、剥き出しの欲望に塗れた人々の熱気と、
それを糧にして懐を温かくする職業の人々とが集う場所。

広場に設えられたのは簡素な舞台と、扇形に並ぶ客席。
出し物は日によってまちまちだが、今日のそれはさして珍しくもない部類に入るだろう。
奴隷商が持ち寄り、次々に舞台へ上げては叩き売っていく奴隷の顔ぶれも、
多少の見目は考慮されているものの、目立った美女が居る訳でもなく、
目を瞠るようなグラマラスボディの女が用意されているでもなく。
それなりの奴隷を、それなりの価格で―――という、そんな競り市の現場。

両手を後ろ手に括られ、細い首に革の首輪をつけられて、
首輪に繋がる鎖で引き立てられるまま、舞台の中央へ出された娘も、
見た目はさほど珍しくもない部類に入ると思われた。
年の頃も、身体つきも―――傍らの奴隷商が滔々と語りながら、
無遠慮に手を伸ばし、片方の乳房を掴み締められれば、僅かに顔を顰めるも。
ぎゅう、と絞られたそこに、じわと滲む母乳の存在すら、珍しいと呼ぶにはきっと足りない。

「っ、――― た、…ぃ………」

涙ぐんだ娘の、か細い苦痛の声など、誰も聞かぬだろう。
ふらつく足で踏鞴を踏み、逃れようと身を捩れば、容赦なく鎖で引き寄せられるけれども。
―――売り出し価格として提示される金額も、決して高くはない。
お声、御座いませんか、と、奴隷商の声ばかりが朗々と響いた。

アザレア > 『お試し』でも構わないのか、という声が掛かり、奴隷商が小さな舌打ちをする。
本当は今、この場で、正気に戻れば厄介な娘を売り払ってしまいたかったのだろう。
しかし、買い手がつかなければそれはそれで―――

結果、娘を繋ぐ鎖は声を上げた男の許へ、引き摺られるようにしてこの場を離れることになる。
どこへ連れて行かれるのか、何をさせられるのか、すべては宵闇の中の秘め事として――――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアザレアさんが去りました。