2017/09/23 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 奴隷市場の賑やかな場所。朝だというのに、もう奴隷市の一部の商人は仕事の準備に追われてる。馬車に檻を引かせたこの商人も、召使にせわしなく命令をしては、帳簿を確認したりしてる。
本来ならばこのような時間はもう休養を取るはずなのだが、急に予定が変わったのだ、と、いうのも極上――いや極上という言葉が不釣合いなぐらいの幸運に見舞われたのだから。
商人は、馬車に引かれた檻を見る。中には、ちまっとした小さな少女らしき存在。幼くて、可愛らしく、そして人懐っこそう。肌も綺麗で白く、細いわりに柔らかそうな肢体――これだけでも上物だが、 背には小さな羽根がある。そう――天使だ。この商人は天使を捉えたのである

何という幸運、こんな希少種が簡単に手中に収まると思ってなかった。しかも、傷物にすることもなく捉えられた、自分の言葉巧みな騙しによって、このメイド服の少女は、自分から魔力封印の腕輪を付け、超硬度の檻の中にいる。 この天使はいくらになるのか――年単位で遊んで暮らせる額にはなる――いやもっとかもしれない。奴隷商としては中堅だった彼が、大手の奴隷商になる資金ぐらいは軽く集まるだろう
これを幸運と思わず、何が幸運か

シャルティア > さて――檻の大きさは4畳半程。木の硬い床にぐらぐらと揺れる馬車
その中にいるのは、小さな天使であった。メイド服、幼く、人懐っこそうな可愛らしい顔立ち、背には小さな翼が一対。まごうこと無く、それは天使である。  商人が勘違いしてるのは、メイド服を来てるだけで、この天使は男の子という事である。

「ゆーら、ゆーら♪ 荷馬車に揺られてゆーら♪ゆーら♪」

少年にとっては新鮮な体験。あまり来ない街を、馬車に乗って見物できて、お菓子も貰った。そして、ヒトがいっぱいいて、自分を可愛がってくれる人を探してくれる、というのだ。とてもいい人に出会えて幸運である。そんな風に、自分が奴隷として売られる事にも気づかずに、のほほんと少年は乾パンをかじった
まあ、アレである。少年も、商人も色々行き違って、お互いに勘違いしてるのだ。そして今、奴隷市場にいる、というわけである

シャルティア > 「もうちょっと、大人しくしてようね」

と、普段はキツめな奴隷商も、今日だけは随分と優しい。目の前の莫大なお宝に罵倒なぞするものか、といった様子でニコニコである。
少年の方も、素直に「あい!」と返事をして、硬い床の上にあぐらをかいて、せわしなく働く召使や奴隷を眺める。
自分が売られる等考えてもいない、というか、人身売買など少年にはりかいできるはずもなく。

シャルティア > さて――幸運という夢の時間は終わりである。というのも

「むぅ、温泉入りたくなったー」

気分屋の少年はそんな事を言って、ひょいっと立ち上がる。可愛がってくれるという主は来ないし、退屈にもなったのだ。だから

「おじちゃん、ボクかえるね♪」と言って、出入り口に手をかける。
当然鍵がかかってる。硬い鉄製の檻、扉。それを

「しゃるてぃあぱーんち♪」

ごめしゃ、というような重く大きな音。鍵の付いた扉を、拳で叩き壊す。突然の轟音と、てこてこと出て行くメイド服の少年に、驚いた顔をする奴隷商。少年は、邪魔、というようにメキメキと、魔力封じの腕輪を両手で壊しながら

「またね!こんどは優しい人、しょうかいしてねー!」

と、空を飛んで去っていった

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にチルユキさんが現れました。
チルユキ > 眠気に撒かれて行き倒れ同然で道端で眠り込み――――
気が付いたら奴隷市場の片隅に『商品』として列に並ばされていた。
手を持ち上げると、鎖枷がじゃらりと音を立てる。
足にも同様の鎖が掛けられて、太い鎖が――――重い。
だけど重いだけ、だ。余りに杜撰な捕獲と見目に、魔の者と捉えられなかった、のか。魔封じが施されている様子も無い。

客側に目を向けると、既に目当てを得た者から離れ始め
余り盛況とは言えない有様。

ぐい、と鎖が引かれて中央に引き立てられる

チルユキ > 余り質が良いとも言い難い、
――――扱う者自身の質が良ければ 魔と検分する程度、魔封じ位は課せられていた筈、だけれど。
客も相応に見える、
己が引き立てられていきそうな、買おうにも買えなさそうな者、ばかり。

落札最低額が出品者側から提示される、が。
誰も、手を上げる者が居ない。

捕まった時から磨き上げられる訳でも無い装いだからか――――
或いは、
いつでも逃げる事は出来そうだから、買い落とす者の血でも頂こうか―――と。
目が怯えた其れでなく 狙う色を過らせたから―――か。

中央に立たされた儘―――――最低落札金額が下がってく。

「―――――……」

其れは其れで少し複雑、に、―――なった。
前にも似たような事があった気が、して。気を紛らわせるよう視線をあたりへと流す