2017/09/13 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にカミラさんが現れました。
■カミラ > 夜釣りが空振りに終わってから間もなくして、その姿は場フートに移っていた。
奪い取った術の効力で、距離というものがないに等しいのは、憂さ晴らしに出かけたいときにも便利なことこの上ない。
適当な扉からさも当たり前の様に姿を現すと、先程までと異なり、黒いナイトドレス姿で市場の中央へと向かう。
(確か、今日は上玉の競りがあったわね)
買い付けることはほぼないが、売れ筋という物が見える時もあり、時間があれば覗きに行くこともしばしば。
競りの会場へ入れば、少し高さのある個別の観覧席へと向かう。
競りに入る場所ではないが、舞台の上で広げられるショーを一望できる。
カウンターの向かいにいるバーテンダーに果実酒のカクテルをオーダーすると、舞台の方へ振り返り、始まる騒ぎを眺めた。
奥地に居た希少なミレー族の少女が、一品目。
首輪につながれ、引きずり出される少女達に欲望の歓声をあげる買い手達を見下ろしながら、その中に交じる異質を探る。
舞台を見上げてひっそりと破滅を羨望する存在、特に位が上がるほどに反動のように壊れることを望む者もいる。
そうでなくても、そこに買い手以外の女が混じれば異質だろう。
服を剥かれ、体を検分される羞恥に晒された少女を眺めながら、何思うことなく、カクテルを傾けた。
■カミラ > 競りが始まり、値段はどんどんつり上がっていく。
穢れを知らない柔肌は羞恥で薄っすらと桜色を帯びながらも、自身を道具のように扱う客達の眼差しと声に、少女の表情は青ざめていた。
掛け声が止まれば、それは判決の時。
自身の価値と運命を決めるハンマーの音に、総身を震わせる少女を見やりながら……女は笑う。
絶望と共に心が折れる一瞬は、ガラス棒がへし折れるような幻聴すら覚えるほど、心地よい音色を感じる。
目を細めつつ、その様子を眺めながらカクテルグラスをカウンターへ起き、お代を添えていく。
「美味しかったわ」
お世辞の言葉をバーテンダーに送りつつ、そのまま会場の片隅へと消えていく。
そこにいるのは依頼を持ってくる上客の一人だ。
今宵は誰を消してほしいのか、玩具として攫ってほしいのか。
それはこれから相談することであり、夜の帳へ消えていく。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からカミラさんが去りました。