2017/07/18 のログ
ヴァイオラ > 口の利き方など、構っていられる精神状態ではなかった。
とはいえ、それはこちらの事情であり、そのままであれば、
態度が悪くてごめんなさい、くらい言ったかもしれない、が。

「…ちょっ、なに捲ってんですか!?
普通、いきなりそういう―――

―――――え、……」

聖堂騎士。
己の頭のなかで、目の前の男の印象はめまぐるしく変化を遂げていた。
いきなり衣の裾を捲られたことで、痴漢というやつか、と。
けれど聖堂騎士の称号は、一気に、相手の信頼度を上げるもの。
名乗ってくれたのだし、迷子だとわかってくれたのだし、
きっとここから無事、連れ出してくれるに違いない。

「あ、あ、行きます、置いてかないでください…!」

手を離してくれたと思ったら、さっさと歩き始めてしまう相手に、
己は慌てて追い縋る。
さすがに飛びつきはしないものの、手を伸ばせば捕まえられる距離を
保って、彼の後をついて歩き――――。

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ご案内:「奴隷市場都市バフート」からヴァイオラさんが去りました。