2017/04/15 のログ
ご案内:「娼館通り」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
■チェシャ=ベルベット > ミレー族の一部には発情期がある。チェシャもそれに時々煩わされて
仕事の邪魔になるときはこうして奴隷市場を見て回ることにするのだ。
別に奴隷を買い付けに来るわけではない。
娼婦や男娼を求めてこの都市へとやってくるのだが
それならば王都でも事足りるはずである。
単にここに来るのは色々な噂が立ちにくく自分の足取りを追いにくいというだけである。
かつて自分も奴隷であったことから、同じ境遇のものを見るのは
なんともむかついた嫌な気持ちでも合ったが
結局這い上がるのは個人個人の力のみでしかない。
冷めた目線で無気力に俯く奴隷たちを眺め、発情を抑える薬を飲み込んだ。
■チェシャ=ベルベット > 手頃な相手がいれば値段相応で買うし、
それがなければ自分の身体をタダ同然で売ってもかまわない。
とにかく今は発情期を乗り越えるのが肝心だからだ。
持ってきた奴隷の首輪、チョーカーに似たそれを首に巻き付ける。
これが男娼としての印、売りに出していますよという合図である。
窮屈なそれがチェシャはあまり好きではなかったが
郷に入っては郷に従え、仕方なく身につける他ない。
適当な場所を見つけると木箱の上に座り、膝を抱えて買い手か、あるいは売り手を探すようにじっと通りを見つめた。
■チェシャ=ベルベット > 待てども待てども待ちぼうけ。めぼしい相手は通りを歩いていない。
これは今日はだめだなぁと頭の片隅で思う。
乱暴にチョーカーを剥ぎ取り、がりがりと首筋を苛立たしげにかきむしる。
悲しいかな、情欲の炎に炙られた身体は火照り、
理性で押しとどめるにはどうにもならない情動にさらされて舌打ちをする。
今夜はうずく身体を抱えて寝るしかないようだ。
ご案内:「娼館通り」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。