2016/12/27 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にフローディアさんが現れました。
■フローディア > (奴隷市場都市バフ―ト・・・主に奴隷の売買や珍しいアイテムの売買などを主に行っている少々特殊ではあるが商業都市・・・と言っていい場所であるだろう。その街で今、ひとつの催しが行われていた。曰く、捕り物・・・。新たな奴隷として目をつけられた誰かを皆で追い立て捕まえ、奴隷に堕とす・・・つまりは、狩りである。その対象はたまたま街にやってきた哀れな犠牲者であったり、どこからか逃げ延びてきた王族や貴族であったり、はたまたどこかから脱走した奴隷であったり・・・種類や立場は様々であるが、時折こうして複数の人間が一人の奴隷候補を追い回す・・・そんな、狩りのような催しが行われるのだ。誰かが企画した訳ではない。誰かが言い出した訳ではない。ただ、その動きが熱気として、狂気として人々を伝達し、いつの間にか多くの人々が参加するイベント、としていつの間にか広がっていく。
――どこに行った? 探せ!まだ近くにいるはずだ! 探し出して捕まえろ!あいつは高く売れそうだ!
・・・そんな奴隷商や彼らに雇われた傭兵達の怒号が遠くに聞こえる。・・・今回、この街で行われた 狩り その被害者として選出されたのがこのフローディア、という名を持つ白い狼の特徴を持ったミレー族であった。近くに寄ったのでここで狩りで得た皮やら肉やらを売ってお金にしよう・・・この街の実情を何も知らなかったミレーの少女はそんな無警戒な思考でこの街に立ち入り、気がつけばこんな有様である。はー・・・はー・・・と壁に背を預け、息を乱しながらも人気のない場所で息を殺し・・・)
まさか・・・獲物として追われる日が、来るなんて・・・。
(狩人として獲物を追った経験はあっても、獲物として逃げる経験なんてロクにない。そのストレスや疲労たるや狩りの比ではなく、最早白狼は疲れ切っていて。しかし・・・その足をいつまでも止めている訳にはいかない。)
とにかく・・・脱出しなきゃ。
(この街はどこかおかしい。流石に白狼もそう気づき、彼らから逃げながらも街の出口を目指す。しかし・・・白狼に地の利は全くなく、おまけにこの街の作りやらも何もしらない。単純な身体能力では彼らの上を行っている自負はあるが・・・いかんせん、数が多い。おまけに怪しげなアイテムまで持っていて、真正面から戦うのは得策ではないだろう。数回のエンカウントでそう判断して白狼が選んだのは 逃走 という選択肢。流石に街中で武器を取って戦う訳にも行かない故に脱出の道を選んだのだ。 ――そして、白狼はしらない。外への道を探しながら、人目を避けて行動した結果、彼らの手によって出口どころか街の中心部へと誘導されている事実を・・・土地勘が全くない白狼はしらない。そして、今も自分を探す奴隷商達の目を盗み、移動を開始したものの・・・その足は再び出口から遠のき、気がつけば街の中心部を目指すように逃走をしていた。)
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 男は、喧噪渦巻く狂気の宴の最前線を見学しようと街の中心部の広場を見渡せる近くの店の屋根の上に居た。鈍器を担ぎ、ニヤニヤと物見遊山で楽しんでいた。
(絶景かな、絶景かな。)
打ち倒されるもの、打ち倒すもの、絡み合い、狂乱の宴がそこかしこで始まる。この宴に乗り遅れるなと煽る熱が吹き抜ける。屋根の上に立ち上がった。
「よっと……まあ、こんなところにフラフラ出てくる馬鹿は……」
目の前に広がる広場はどこからか連れられてきた獲物が奴隷に堕とされるステージだ。わざわざそんなところに出向くものなど……。
「稀に、いるらしい」
目の端に捕らえたのは、迷い込んだ白銀の影。
どうやらまだ捕まっていないらしい。見つけたのは俺一人か。
肩をこきこき慣らして、薬を、自分に打った。
「ごちそうが、そこにあるならば……据え膳食わぬわなんとやら、か」
狂化した身体が滾る。屋根から飛び降りて、その白銀の影をおう。
小細工はいらない、ただ真っ直ぐに一撃を見舞ってみせよう。
■フローディア > (白狼は逃げる。人目のない方へ、人気のない方へ・・・。その一心でひたすらに足を動かし、プライドを踏みつけただひたすらに。――その足が外ではなく、中央に向かっていることなんて気が付きもせず・・・。)
広場・・・。
(そして、再び入り込んだ路地。そこから次の目的地を探す。そして、少女の目に入ったのは広場である。そこを抜ければもしかしたら外へつながっているかもしれない。・・・けれど、広場である以上人目はさけられない。迂回し、ぐるりと回って行くべきか。それとも最早人目を避けるのは諦めて一気に突っ切ってしまおうか。そう考えて、こそりと広場の方に視線をやる。そして・・・広場に視線をやりながら考えていれば突然、直感が告げた 避けろ! と。研ぎ澄まされた野生の勘はここ一番で少女の危機を救い・・・頭上が降って来た男の一撃を躱すことに成功した。無理な姿勢で避けた為、ずざざざっ、と体勢を崩しながら足で地面を擦りつつ、広場の方へ勢い余って吹き飛ぶように白狼は回避行動を取る。
――いたぞ! あいつだ! そんな歓喜に満ちた怒号が広場を埋め尽くし)
■グスタフ > 「やるねぇ」
男が振り下ろした鈍器は勢いがついていたにも関わらず、
地面に叩き付けられる前にピタリと止まった。再度振り上げて突進する。
単純明快直線的と人は笑うだろうか。それが瞬きの間に繰り返されたとしても。
「避けろ避けろ。すぐに次が飛んでくるぞ」
影がすれ違うように言葉を落として周囲を回る。
二度、三度と鉄槌が振り下ろされるのを避ける女……年若いそれは少女程のようだ。
四度目で、男は鈍器から手を離した。
振り下ろす途中で放たれた重量物が掠めていけば、女は"逆にしか飛べない"。
覆いかぶさるように男がその陰に飛びかかる。
■フローディア > (無数の視線が少女と戦士に注がれる。その視線の主に白狼の味方はおらず。 やれ、やっちまえー! という、下卑た声ばかりが飛び交うだろう。けれど、白狼はそれに従うつもりもなく・・・ただひたすらに自信に牙を向く戦士に向けて反抗的な視線をぶつける。速度と柔軟さを武器にし、奇襲を得てとする白狼。それに対するは非常に重たそうな鈍器を構え、見るからにパワー系な風貌の戦士。その2つの視線が重なり、その戦いが街中で始まった。 ――戦いは白狼が終始劣勢であった。白狼はこの戦いに勝つ必要はなく、ただ逃げればいい。けれど、彼に背を向けて一気に駆け出すことが出来る程彼に隙もなく。少女は戦士との戦いは余儀なくされた。少女の獲物は小太刀であるけれど・・・あのような鈍器相手では少々分が悪い。ならば、下手に武器を構えるよりも両手を自由にし、柔軟に対応した方がまだ可能性がある。そう信じ、白狼は武器を手にせず無手にて彼の相手をした。ブン、と風を切って振り下ろされる鈍器。それらを紙一重で避け続け、場合によっては蹴りの一発でもいれたかもしれない。彼との打ち合いは僅か4合。その四合目で戦いは動いた。彼の振り下ろした武器から身体を逃がす為、彼の想定通り、白狼は逆に身体を動かし、その鈍器から身体を逃がす。 ――そして、そこを捕らえられた。その逃げ道を塞ぐように大柄な男の身体が視界すらも塞ぎ・・・)
なっ・・・!
(驚愕の声と共に、白狼は彼の身体に押し倒されることになるだろう。)