2016/08/31 のログ
リン > 「はい……
 その……これはそういう魔法の品なんです。それを使って……」

媚びたような半笑い。素直に《アクリス》を下ろす。
……本当はこの呪具を手放すことにあまり意味は無いのだが、
向こうにはわからないだろうし、そこまで教えてやることはないだろう。

「わかりました。
 で、でももう別のところに売られてるかも……」

もしそうなっていたらいくらリンが正直に伝えたところで、
パトリックの居所をつかむことは難しいだろう。
もっともだからといってこの怒れる少年は許してくれるとは思えない。
……どうしてこんなに怒っているのだろう、とリンは素朴に疑問に感じた。

「うぅ……!」

首に何かが巻きつく。
なんとか隙を伺って脱出ないしは反撃したかったが、相手は油断してくれないらしい。
少年の冷酷な声に脳髄を撫でられて、生殺与奪を握られて、胸の高鳴りが益々強くなってしまう。
股の間が熱くなり、下衣の下で密かに持ち上がりはじめる。

素直に指示に従い、表通りに歩いて行く
注意して後ろ姿を眺めていれば、同じか少し高い程度だったリンの背丈が、
若干低くなっていることに気づけるかもしれない。
今はチェシャの持つ《アクリス》のケースが淡い光を纏っていた。不吉な魔力があった。

チェシャ=ベルベット > ふぅんと、バイオリンケースを眺める。
確かにそれなら保護魔術をかけられているのも納得できるし
後生大事に持っていたのも理解できる。
まぁ具体的にどんな品かはわからないがとりあえず主人に献上すれば
面白がってもらえるかもしれない。

「別のところに売られてたから何?
 そうだったらおまえが犬みたいに這いつくばってあいつの匂いを追って
 草の根分けてでも探しだすんだよ。

 そうじゃなきゃ許さないし、僕はあのクソ犬の土手っ腹に蹴り入れなきゃ気がすまないんだから」

横暴にすぎる言葉である。もはやただの性奴隷というか
別の相手のところにやすやすと尻尾を振ったことが許せないというか
それはひょっとして嫉妬なのですか?ちがいますか?ご注文は嫉妬ですか?
みたいな感じも受けるのだがチェシャにはどうでもいいし怒りが浸透している頭にそんなことを言ったら
即座にサイコロステーキのように切り刻まれるだろう。

「っていうか興奮してるの?うぇ、お兄さんも変態だったのか。
 まぁ見受け料代わりにはちょうどいいかな……。
 僕よりすごいことをたくさんしてくれる人がいるだろうから今から期待していていいよ」

上気した様子の相手の顔をにやにやとからかうように眺め、
股の間の盛り上がりに気づけば変態、と小声で耳元に吹き込んだ。

大人しく前を歩くリンの頭を見つめているうちにだんだんと自分の視線が下がっていく気がして
最初は気のせいかと流していたがそうではないらしい。
なんの因果か彼の体が小さくなっている、同時に手にしたバイオリンケースからひどく嫌な気配を感じた。

咄嗟の直感、バイオリンケースから手を離して乱暴に地面に叩きつけようとする。
これは魔法の品なんてものじゃない、呪具のたぐいだ。

「おい!なんなんだよこれ!」

詰問するように糸を引き絞りリンを呼び止める。

チェシャ=ベルベット > 【一時中断】
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」からリンさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」にリンさんが現れました。
リン > 二人の関係を詳しく知らないリンも、チェシャの言葉には
(随分とご執心で……)と思わざるを得なかったが、
訊かれた事以外を口にするべき状況ではなかった。

「あ、あんなんと一緒にしないでよ……」

あわてて手で前をぎゅっと押さえる。
自分が変態であることを否定するつもりはないが、
さすがにパトリックのようなのと同一視されるのは勘弁願いたかった。

本当にただの性奴隷であったならあるいは示談で済ませられたろうに。
あんな奴隷にしてくださいと言わんばかりのミレーを売り飛ばしたら
こんな凶暴な美少年の怒りを買ってしまうとはあまりにも理不尽であった。

やがて異変に気がついたチェシャに巻き付いた糸を引っ張られる。
首に糸が食い込み、痛みにうめき声を上げる。
《アクリス》は地面にたたきつけられたが、それで壊れることもないし
発する魔力が止まることもない。

「こ、これはその、こいつに呪われていて……
 ぼくが興奮したりすると、身体を小さくされちゃうんだ……。
 ひょ、ひょっとしたらあなたにも影響あるかも……?」

ひきつった笑みで、嘘ではないが微妙に真実ではないことを言う。
この呪いは持ち主以外に降りかかったことは今まで無いのだ。
魔力の流れを注意深く読めばチェシャには向こうとしないのがわかるだろう。
それに気づかず、自分に対して慎重になってくれるなら儲けものである。
完全な嘘を言えば露見した時が恐ろしい。せめてもの抵抗だった。

もうリンはチェシャの胸元ぐらい――子供のような背丈になってしまっていて、見上げなければ視線が合わない。
先ほど耳元で"変態"と囁かれて、余計に昂ぶってしまったためだ。
このまま何も手を打たないなら、より興奮するたびに際限なく小さくなってしまうだろう。

チェシャ=ベルベット > あんなの呼ばわりされている、というのをパトリックが目の前で聞いたらどう思うのだろう。
いや余計に興奮するだけかもしれない。なので同情心はチェシャの中から速攻消え失せた。

「そぉ?まぁあれは結構一線超えた変態だからそうかもだけど。
 でもお兄さんだって、普通の人から見たら十分じゃない?
 同い年の同性に生殺与奪握られたくらいでなんで興奮するのかなぁ……。
 被虐趣味とかひょっとしてあるんじゃないの。素質あるよ」

これまでの苛つきをリンをなぶることで発散するように相手を言葉でいじめる。
だがそれでリンが縮むのを止められるわけでもなし、むしろ逆に加速したような気もした。
叩きつけたバイオリンが壊れもせずに未だに魔力を発していることに舌打ちをする。
厄介なものに巡りあってしまった、これもあれも全部クソ犬のせいだ。

リンの言葉を素直に聞き入れることはないが、それでも注意には耳を傾けてしまう。
呪いが具体的にどのようなものであるかはわからないし、目の前で呪われている人物がいたらそれが自分に降りかかるのも時間の問題だ。

「……止める手立てはないってことでいい?
 使えない持ち主だなぁ、悪いけど僕は呪われてもなんとでもできるからそれじゃあ脅しにもならないよ」

はったりにははったりを。こうした時チェシャの少し先を読む直感は優秀であった。
叩きつけた手に手甲を現し、慎重にバイオリンケースに糸を巻き付け再び持ち上げる。
不可視の糸に封呪の効果を持たせるため特定の編み方で絡めとったのだ。
傍目からはひとりでにケースがまた手の中へ戻ったようにしか見えないだろう。

「……服、邪魔そうだね。剥いじゃおっか」

すっかり子供の身長に縮んでしまったリンのぶかぶかした衣服の背中、
その隙間に鋭い手甲の爪を入れて一気に下着もろとも切り裂いた。
公衆の面前でいきなりストリップである。その行為に誰もが二人のことを見てしまうだろう。

リン > 「う、うっ、ひぃ……ごめんなさい……」

頭を垂れて、詫びろと言われているわけでもないのに詫びてしまう。
嵐が過ぎ去るのを待つ無力な小動物のようにただ堪えるしかできなかった。

「あっ……」

あれよあれよという間にケースが糸に縛られる。
少なくとも、余波がチェシャに向かうことは防がれるだろう。
また、これでリンの《アクリス》への指示は飛ばせなくなってしまった。

「ひぃっ……!」

どよめきが起こる。
急に寒くなった、と思ったら自分の衣服がまるごと切り裂かれてなくなっていた。
一糸まとわないつるりとした、発情に赤らむ柔らかそうな肢体が白日のもとに晒される。
肌には傷一つついていないのが大した妙技であった。
歳相応の大きさの(小さくはなっているが)陰茎がすっかり元気になっているのも丸見えだ。
胸の薄桃色の突起もつんと尖っている。
困惑と羞恥、恐怖に身体をよじるさまは仕込まれたように艶めかしく、
女ならずとも生唾を飲み込むほどのものだった。

「や、やだっ、もう見世物はやだっ……小さくなりたくないよっ……」

糸の効果で若干速度は緩んではいるようだが、
衆目がリンの裸体に突き刺さるたびに、彼の背丈が少しずつ縮んでいく。
これ以上興奮したくないのに、疼きが止まらないし、息は荒いまま。
絶望の表情で、思わず縋るようにチェシャへと抱きつこうと近づく。

チェシャ=ベルベット > 「なんで謝るのさ、情けない。
 謝るぐらいならこんなことしなけりゃいいのに。もう遅いけど」

猫が自分よりもずっと小さいものをいたぶるような底意地の悪い態度。
しかし本当に小悪党の少年だったらしい、よくこれまで生きてこられたなぁと感心した。
まぁ小悪党なりに処世術は長けていたのかもしれないけれど。

白日のもとに晒されたリンの肢体にひゅうと下卑た口笛を吹く。
それなりに整った見目に好色な輩なら思わず舌なめずりしそうな仕草と肌。
これなら誰かを奴隷に売りさばくよりも自分を売って金にしたほうがよほど良かっただろうに。
ひと目に晒されたせいで興奮したピンク色の肌をまじまじと見つめ
性器を隠そうとする手を乱暴に払ってどける。

「わがまま言うなよ。ははん、さてはお前も奴隷だったくちか。
 なら仕込む手間が省けてちょうどいいや、さぁさっさと歩いた歩いた。
 このまま何処まで小さくなるかちゃんと見ててやるよ。
 赤ん坊まで戻っちゃったらどうしようかなぁ、子供に恵まれない夫婦のところにでも置いていって
 一から育て直してもらってもいいんじゃない?」

よたよたと縋り付いてくるリンを、糸の首輪で操って再び前を向かせて歩く。
そう簡単に褒美はやらないし、自分には触れさせてやらない。

「ちゃあんと案内できたらいい子いい子って褒めてやるよ」

にぃと口の端を歪めて笑う。

リン > 「許してぇ……後生ですからぁ……」

わざとらしい口笛に、またほんの少しだけ縮んでしまったような気がした。
くしゃくしゃになった顔に涙を零し、慈悲を乞うその姿にもはやプライドの欠片もない。
素直に指示に従い、前を歩く。
衆目は相変わらず注がれているし、露骨に囃し立てる者も出る。
その状況下にリンの身体の縮小は進んでいき、歩幅も小さくなっていく。
太ももと若勃起がこすれあうのも歩みを遅くする原因だった。
本人はできるだけ早く歩いているつもりなのだが、チェシャを苛つかせるかもしれない。

ようやくリンがパトリックを売った奴隷商にたどり着くが、
どうやらすでに買い手がついてしまった後だということがわかる。
どこぞの邸宅で可愛がられているのか、奴隷のショーに出演しているのかもわからない。

「あ、あの……まだ……」

おそるおそるチェシャの機嫌を伺う。奴隷特有の媚びた上目遣いだ。
未だ縮小は続いているが、今では最初のちょうと半分――チェシャの股座にリンの頭が来る程度になってしまった。
幼児にも劣る身長だが、手足は細く、見た目の雰囲気自体は変わっていない。
歳が退行しているわけではなく、初対面の容姿からそのまま縮尺が小さくなっているのだ。

チェシャ=ベルベット > 「大したものをぶら下げているわけじゃなし、
 もっと堂々と大股で歩いてくれない?それとももっと皆に見られたいの?」

縮小した体で勃起し、自分との歩幅に差が付いているのは百も承知で
もっと早くと急かすようにつま先でリンの膝裏を軽く蹴った。
辿り着いた先で、奴隷商から得た情報が空振りで終わったことにさらに苛つきが増していく。

「ああ、そう」

それだけ吐き捨てるようにぼそりと呟くと奴隷商にもリンと同じように魔法の糸で縛り付け、窒息させる寸前まで締めあげる。
何処の誰に売ってどういう経路で流したかを洗いざらい吐かせた。
突然の出来事に目を白黒させるさまが無様でうっとおしいが

「今何処にいるか突き止めたなら教えろ、買い手にもお前にも損はさせない。

 クソ犬ミレーは貰っていく。けど同じ値段だけ出しておまけにコイツを代わりにやる」

そう言って裸身を晒して怯えるリンを視線で示した。
果たして奴隷商はこの条件を渋々飲んだ。まぁリンもまた上玉の奴隷であるし悪い取引では無かったのだろう。
またあとで連絡する算段をつけると、その場を去っていく。
もちろんリンを引き連れたままである。

「疲れた、お前この街に詳しいんだろ。
 安全で余計な詮索されない休める所に案内しろ」

ふあぁと生欠伸をきめつつ、リンの首の糸を再びくいっと引いた。
だるそうな態度を見せながら油断も隙もないらしい。

「にしても変な呪い。そんなに小さくなったらまともに扱われないだろうに」

知り合いに同じような具合で小さくなっている妖精を知っているせいか
魔術師としての興味もいくらかは湧いてきた。
もしかしたらコイツの呪いを解いて逆の術式を組めたらその妖精も元に戻れるかもしれないなどと考えつつ。

リン > 奴隷商を躊躇なく拷問する手際にリンは心胆を寒からしめる。
こんなのに声をかけた自分の軽挙さを改めて呪うこととなった。

「注文が多い……」

聞こえないような声量でぼそりと口にしながらも、注文に応じて歩き出す。
裸足に地面の凸凹や砂利が刺さって痛い。

ともあれチェシャのオーダーを満たす施設にたどり着く。
かつて奴隷時代に使用したことのある宿だった。
筋肉質の亭主が二人の姿を見比べた後、驚く素振りも見せず寡黙に部屋へ案内する。
チェシャのことをリンの新しい主人だとでも思っているのかもしれない。

「魔族の作ったアイテムだから……あいつらは、何考えてるかわからない。
 もっと呪いがひどかったときは、毎日見世物にされてたよ。
 籠に入れられて、虫と戦わせられたり、玩具みたいに……」

顔を覆って語る。忌まわしい記憶である。
だから今は弱者を食い物にする側にまわろうとしているのだが、この様だ。
無論パトリックを売ったことに罪の意識などないし反省もしていない。
機会が巡ってくればチェシャにはむちゃくちゃに復讐してやろうと思っている。

チェシャ=ベルベット > 「何か言った?」

猫の耳にはしっかりと届いていた。あえてニッコリと微笑みこれ以上余計なことを言うなよという圧を与える。

それでも文句を言いながらこちらの要望どおりにそこそこの宿へと案内してくれたのは助かった。
亭主には余計な詮索はするなというようにわりかし多めの量の金貨を握らせてやり
さっさと二人で部屋の方へと入っていく。

内装を見渡し、窓際から見える風景を確かめてカーテンを閉める。
ああー窮屈!と叫ぶとぽいぽいとその場で衣服を脱ぎ捨てて、
惜しげも無く裸身を晒してベッドの上にばふりと飛び込んだ。

「おっと、忘れてた」

そう言ってちょいちょいと指先を動かすと天井の梁に糸を巻き付けて滑車のようにバイオリンケースを持ち上げて吊るし上げる。
これなら縮んだリンがおいそれと持ち出すことも出来ないだろう。
ついでにリンも吊っておいたほうがいいかなぁと思ったが人形のような手足がずっとぶら下げられていたら
途中でちぎれる可能性があったのでやめておいた。
そんなつまらないスプラッタショーは見たくもない。

だからといって自由にさせておくわけもなく、リンの首に巻き付いた糸を操って
もう何度かぐるぐるとチョーカーのように太く絡ませた。
即席の首輪の出来上がりだ。

「僕に危害を加えたり一定距離から離れたりしたらそれがお前の喉を締めあげるから、気をつけて」

ついでのようにリンの股の間で未だ勃起しているはずの小さな男根の根本も同じようにしておく。
勝手に一人で射精されて臭い精液を撒き散らされては困るし、何かあったら去勢するという意図もある。
これで無駄な抵抗は出来ないだろう。

「へぇあれは魔族の持ち物だったんだ。それがどうしてお前の手元に。
 言いたくなかったら話さなくていいけど。

 まぁ小さいってだけで嬲りたくなる腐った性根の奴らはどこにでもいるし。
 僕は全然そういう性癖はないから安心していいよ」

今現在虐待真っ最中のどの口がそれを言うのか、
ごろごろとベッドの上で猫が顔を洗うような仕草でくつろいでいる。
立ちっぱなしも何だし、お前も好きにしたらというようにリンを見た。

リン > 「いえっ……」

わかりやすくびくりと竦み上がる。これほど怖い笑顔はそうそうない。
宿に入ってからも一切自分に対し警戒を緩める気配はない。
ほとんど意識せずの行動だろう。相当な実力者だということがリンにもわかった。

「骨董屋で売られてたのを見つけたんだ……魔族謹製の曰くつきのブツだと知ったのは
 僕の人生がまるごと狂わされてからだよ。
 最悪の運命の出会いだった……」

苦い顔で述懐する。
何もされる気配がないので、ベッドによいしょ、と登って腰を掛け、一息つく。
今のところ縮小は小康状態にあった。

何かされるのは恐ろしいが、何もされないとそれはそれで不安になる。
逃げ出すことも出来ないし射精も禁じられている。
この大きさでは、首を縛られておらずとも単純な力比べですら勝てないだろう。
チェシャは堂々と裸で居て、目のやり場にも困る。
こんな状況で楽にできるはずもない。

足をぶらぶらさせたまま(もうベッドから床まで足が届かないのだ)
しばらくはもじもじと座り込んでいたが、
やがてちらちらとチェシャのほうに物欲しそうな視線をくれる。
元気に猛る陰茎に、糸が食い込んで痛い。
相対的に大きくなったチェシャはただくつろいでいるだけで、リンを心理的に圧迫できていた。

チェシャ=ベルベット > 「ふぅん、骨董屋ねぇ……。まぁお気の毒様、そんな品を見抜けなかったお前が悪い。
 でも骨董といえど楽器を簡単に買えるならそこそこ良い家の出身だったとか?」

くぁあと再びのあくび。ベッドに横になったら眠気が襲ってきたのか
瞼がとろとろと下がってくる。
元々ねこは「寝る子」なのだし、こんなことが無ければ今頃主人の膝の上で怠惰な午睡を楽しんでいたのだ。

ううーんとベッドの上でごろごろ背中をこすりつけていたが
物欲しそうなリンの視線に気づくと再び意地悪な笑みで見つめ返す。

「何?なんか用?」

あれだけ欲情していたのになにもしないのもそれはそれで辛いのだろう。
わかっていてチェシャは何もしない、どうして欲しいか自ら言わせたほうが手間がないし面白い。
わざとらしく、相手を誘うように身を捩り娼婦のように煽り立てる。

リン > 「…………」

それ以上、自分については押し黙って語ろうとはしなかった。

本当に寝てしまいそうな様子のチェシャに、リンは密かに焦る。
このまま自慰も出来ずに放置されるのは地獄の苦しみになるだろうというのはわかっていた。
見つめ返されて、口をぱくぱくと動かす。お預けをくらった犬そのものだ。
そのうち意を決したか、チェシャに向かいベッドの上に手をついて頭を下げる。

「あのっ、ぼくのおちんちん、苦しくてっ……
 楽にっ……射精させてくださいっ……お願いしますぅ……
 なんでもしますからっ……」

こう言わせたいのは痛いほどにわかっているが、言わないわけにもいかない。
わなわなと震えながらそう懇願すると、胸の内がさらなる屈辱に塗れるのを感じた。腰がくねくねと揺れる。
陰茎はぎんぎんに起ち、糸の拘束が絶え間なくリンを傷めつける。
より縮小が進んでしまうかも知れなかったが、もう構わない。

チェシャ=ベルベット > 奴隷のように自分に頭を下げて懇願するリンを哀れみと侮蔑が入り混じった嘲笑で迎える。
所詮人間はこんなものだ、自分の欲求にはどうしたって逆らえない。
それは自分も当てはまるのだが、だからこそチェシャは自分を含むこの世のありとあらゆる人種を嫌っていた。

そんな胸中をおくびにも出さず、しょうがないなぁという風によいしょと身を起こした。
よしよしと小さなリンの頭を犬を褒めるようになでてやる。

「いいよ、でもそれで?
 お口でしてほしい?それとも手か足?中に突っ込んで欲しい?それとも僕に突っ込みたい?
 何でもしてくれるって言うならしてほしいけど
 さっき言ったとおり僕、自分より小さい奴にそうそう簡単に盛ったり出来ないからなぁ……」

実に困った様子でそう言い聞かせるがそんなのは演技だと簡単に知れるだろう。
揺れ動く腰の間、太ももの付け根で揺れる陰茎の先を足の指でついとつついて
まるで瓶の蓋を捻るような動きで少しだけ刺激してやる。

リン > 悔しさにぎり、と歯を食いしばる。
胸裏は屈辱と怒りで煮えたぎっているのに下半身は言うことを聞かず、
頭を軽く撫でられるだけで妙な多幸感が染み渡ってきてしまう。
それがまた腹立たしい。自分を弄ぶチェシャも、気持ちよくなってしまう自分にも。

「く、口でも手でもっ……――あぅっ❤」

張り詰めた先を足指で軽く刺激されると、大げさとも思えるように激しく身体を跳ねさせる。
たったそれだけでまたリンの身体はひと回り小さくなってしまった。
もう赤ん坊とどっちが大きいかもわからない。

「あんよで、あんよで小さくなっちゃうっ……❤」

上がる声が甘い。理性が蕩けはじめていた。
へこへこと自身の腰をチェシャの大きな足指にこすりつけてさらなる快楽を得ようとする。

チェシャ=ベルベット > はしたなく声を上げて身悶えするリンにおやおやと肩をすくめる。

「気持ちよくなるのは勝手だけどさ、このままじゃあお前
 本当に虫けらみたいに小さくなるんじゃないの?戻れなくなったらどうするのかなぁ」

どうでも良さげに言いながらそれでも足の指の動きは止めてやらない。
みるみるうちに自分の足の裏側に隠れかねない大きさになり始めると戸惑うが
勝手に盛り上がって自分の足に猛った部分をこすりつけているリンに任せることにした。

「どーしよっかなー……本当に見えないぐらい小さくなっちゃったら
 うっかり間違えて踏み潰しちゃうかもなぁ……。
 そうでなくても寝返りうっただけでも弾き飛ばしちゃいそうだし」

猫の本能のせいかちょっとずつ小さくなっていくリンを前足でつついて追いかけ回し
玩具にしたいようなうずきが沸き起こってくる。
だが一応交換材料なのだから手荒な真似をして殺したくはないのでギリギリの所で持ちこたえた。
白く細い足は執拗にリンをけたぐり、徐々に力加減を強めていく。
それでもリンの根本を縛る糸は緩まない、縮めば縮むだけそれもまたきつく締まっていくようだ。

リン > 「やめてっ、それ以上言わないでっ」

残酷な結末を示唆するチェシャに、いやいやをするように首を振る。
縮むペースが上がっており、その言葉で高揚を覚えていることは明らかだった。
やがて、(ごく少量の)先走りをなすりつけながら、本当に足裏と同程度の身長にまで縮まってしまう。

「あう、ぅぅ……っ❤」

竿部分が欲望でぱんぱんに膨れ上がっているが、射精には至らない。
相変わらず根本がきつく拘束されているからだ。

「とってぇ……これとってぇ……」

潤んだ瞳で哀願する。
自分を手荒にけたぐる足の裏にしがみついて、勝手に指の一本に舌を這わせはじめる。
そうすれば慈悲がもらえると思っているかのようだ。

チェシャ=ベルベット > ちろちろとこっちが命令してもいないのに指に舌を這わせて舐める様に
本当にどうしようもない変態だねと呆れる。

「やだね、僕にメリットが全然無いじゃん。
 そんな小さな奉仕じゃ全然気持ちよくなれないし……もっと頑張れないの?」

わざと足を上にあげてリンから遠ざける。
大体これ以上小さい相手がどうやって自分を気持よくさせるというのだろう。
無理難題を押し付けている気がするし、どうせこんな小人相手に奉仕をねだっても大したことがなさそうではと思い始め
そこで何か妙案をひらめていたように手を打った。

「しょうがないから可哀想な小人くんのためにご主人様がお手伝いしてあげよう」

そう言ってひらりとベッドの上で宙返りをすると小柄な黒猫に変じる。
夜色の体毛を持つしなやかな猫の肢体が柔らかにベッドの上で着地するとぴょんとリンを上から前足で押さえつけた。

(あ~やばい……このまま地面に転がしてベッドの隙間とかに押し込んで遊びたい……)

だが本能はどうしようもなく猫だった。小さい生き物をみればそれを夢中になって追っていく。猫的狩猟本能なのだ。
かなりの努力を要してぎりぎりの自我を保ち、べろべろとリンの体を猫舌で舐め回す。
もちろん、きつく締め付けた陽根もその奥にあるすぼまりも毛づくろいのように綺麗にしてやる。

リン > 「うわ」

足を遠ざけられ、ぺたりとベッドの上に転がる。
何をするつもりなのかと巨人と化したチェシャを見上げていたら、
唐突にその身体が黒猫へと変わった。
無論虫の大きさの今、猫にもその力はかなわない。
ただされるがままに前足で押さえつけられる。

「何をっ、あっ、ぅぅ――っ❤」

ざらざらとした舌が敏感になった素肌をひっかく。
人間が変じたとはいえ畜生にいいようにされるという屈辱と興奮は、
やはりじわじわとリンを縮めさせていく。
腰が持ち上がり、綺麗にさせられた後孔がひくひくと蠢き、
直接弄っても居ないのにたらりと蜜を垂らす。
開発済みであると知れた。

「な、何するのぉ……」

わざわざ猫に変じていかなる仕打ちをするつもりなのかわからず、
リンはただ恐怖と困惑に震えた。

チェシャ=ベルベット > うつ伏せになったリンの背中を前足で押さえつけ、腰が持ち上がったのを確認すると
わざとらしく覗きこんでひくついた後孔にふん、と鼻を鳴らす。

「触ったら小さくなるのに生意気にも貫通済かよ。
 虫とでも寝たの?それとも僕みたいな猫かあるいはあいつみたいな犬かなぁ」

べしべしと前足でだらしない尻を叩き、毛むくじゃらの体がのしっとリンの上にのしかかる。

「何するってこうするんだよ!おら、変態らしく泣き喚いてイっちまえ!」

がぶりとリンの背後、肩口を噛んで押さえつけぐっと自分の猫のペニスをリンの中にねじ込んだ。
甘い棘のようなものがついた獣の性器がごりごりとリンの内壁をなぞり一度入ったら最後
安々とは抜けないように反りのような役割を果たしてなぶる。

ついでにリンの性器もようやく解放してやる。糸の拘束が緩み、射精管の通り道が出来るだろう。

リン > 嘲る言葉に、遅れて何をされるのか悟る。
快楽に弛緩していたリンの表情が歪んだ。
口に出すのもおぞましい記憶を、チェシャの言葉が触れたのだ。

「い゛っ」

のしかかられ、反応する間もなく肩口を噛まれ、

「ぎ、ぎぁぁぁぁぁぁ――ぅッ!!」

高圧力の電撃を一瞬で流されたような衝撃。
ほとんど爆発と言っていい勢いで先端から白濁が吹き出した。
孔という孔から体液を垂れ流して絶え間なく絶叫する。
いつのまにか、チェシャの身体の下でリンの意識は途絶え、まさしく糸の切れた人形のように力を喪った……。

チェシャ=ベルベット > 「あ」

断末魔のような悲鳴を最後にがっくりと気を失ったリンが絶頂して
臥せった先のシーツにだらだらと精液の水たまりが出来た。
遅れてそのことに気づいたが、時既に遅すぎる。
ぐったりと弛緩したまま動かない様子に少々やり過ぎた事を後悔するが
とりあえずそのまま気を失ったからだを貪って出すものだけは出させてもらう。
動物の本能には抗えなかったのだ。

ようやく事が済めば再び人の姿に戻り、疲れたように伸びをする。
ベッドに壊れた人形のように打ち捨てられたリンを摘んで亭主に貰った湯とタオルでとりあえずの後始末はしておいた。

しかしよくもまぁ難儀な相手ばかりにぶち当たる運命だなぁと面倒くさそうにベッドの上で頬杖をつく。
チェシャの言った言葉に歪んだリンの顔。そのあまりの酷さに、今度起きたらちょっとは優しくしてやるかと心に決めた。
でも吊るした糸の先、リンを猫じゃらしのように振り回したい衝動もあったのだが(猫としては魅惑の玩具であった)
今日のところは我慢しておく。

とりあえずさっきの奴隷商が吉報を持ち帰るまで一眠りしようと
猫のように体を丸め、リンの眠る枕のそばで目を閉じた。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」からリンさんが去りました。