2016/08/30 のログ
アヤメ > 「ひぃっ、ぃ、ぁ、ぁあっ――にゃん、れ、しぇーえき、れにゃい、でにゃいの、ぉ、ぉおおっ♪
 おにゃか、かきまわひゃれて、とけ、りゅっ、でにゃいのにぃっ――い、ひぁ、ぁ、ぁあっ♪」

徐々に余裕がなくなって、快楽に従順になっていく。
臍も胸も耳もねっとりと舐められ、時には吸われてかき回されて突かれて。
何もかもが融和して一つの快楽に変質していく。
中をいくつもの下で舐められるような刺激は、熱くて気持ちよくて気が狂いそうなほどだった。

「い、ひゃ、ぁ、ぁぅっ、ぁ、ぁあっ、れにゃ、ぃっ、だしゃ、せてっ、しゃせー、したいのっ、せーしっ!
 ぴゅっぴゅって、だしたいのぉっ――あ、ぉおっ♪わかった、かりゃ、おにゃか、おまんこ、ずぼずぼして、いいからっ!」
 ごしゅ、じんしゃまっ、わ、わたしの、おまんこっ、ずぼずぼおかしてっ、せーえきださせて、くらひゃいっ♪」

懸命の努力で名前こそ言わなかったものの、淫猥なおねだりは観衆に聞かれてしまって。
秘所も尻穴もひくつかせた雌猫は、せき止められた射精の為に、尊厳のほぼすべてをなげうってしまうのだった

ディン・タウロス > 「そりゃ、出せないように俺がコントロールしてるからだよ。
出したくても出せないってのは辛いだろ?俺も男だからな、
良く分かるよ」

(楽しげに笑いながら、耳を舐める舌から媚薬成分を含んだ粘液
を滴らせて。平らな乳房を舌触手で美味しそうに何度も舐めま
わし、唇触手で強く吸い付いてキスマークをつけようとする。
更に触手は増えて舐める場所は増えて、脇の下、脇腹、足の指
の間や膝裏、うなじに首筋と、身体のあちらこちらを舐めまわ
し始める)

「お前の肌も身体も凄く美味しいぜ、舐めても舐めても飽きな
いくらいだ…本当に買い取りも考えたくなるな?
ふふ、しゃせーしたいか?せーし出したいか、それじゃあおね
だりしないとな?んー…まぁ、言えたんだから取りあえずは良し
とするか。それでも、俺がお前に突っ込んで出すまではお預け
だけどな?俺が出し終えたら、お前も出させてやるよ。だか
ら、たっぷりと腰を振って締め付けて、いやらしいことをた
くさん叫んで観客に聞かせて…俺が直ぐに出せるように頑張れ
よ?」

(少女の肉棒への刺激を止めて、更にとことんまで尊厳を削り落
とすためにわざと止めて。
意地悪く囁き、己の肉棒へと触手を絡ませ一体化させ、馬並
の太さにしてから少女の膣口へとあてがい、遠慮なく一気に貫
いて。更に付け根から肉棒触手を生やし、同じくらい太くして
から少女のアナルへと突き入れて行こうとする)

アヤメ > 「にゃんれぇっ、いじわる、しにゃいで、だしゃ、せてぇっ――はひ、ぃ、ぃうぅうっ♪」

もう何度も軽い絶頂を迎えており、射精を封じさえていなければどろどろとところてん状の精液を吐き出していたはず。
それでも尿道から一滴の粘液も漏れず、むしろ何かが入ってくる感覚がして。
全身くまなく舐められることになれば、もはや軽い絶頂からは降りられない状態に。
はくはくと口を開閉しながら懸命に酸素を求め、腰をくねらせ震わせて。

「あひっ、ぃ、ぁ、ぁあっ、は、やくっ、おまんこ、びゅびゅって、だしてっ、だしてぇっ♪
 ――い、ぁ、ぁああぁああっ――お、おぉおおっ!?お、にゃが、おっきっ、ぐ、るひっ、いぁ、ぁあぁあああっ
 ひ、ぎっ!?おひりも、にゃんれっ、おかひゃ、れてっ!?」

両穴共に埋め込まれる極太長大な肉棒。
それらはそれぞれ子宮と結腸口を押し上げて、少女の中を肉の質量で満たした。
やがてねっとりした粘膜が絡みつくと、絶頂の痙攣による細やかな締め付けで精液を搾り取ろうとする。
限界ぎみな少女は懸命に腰を振りながら射精を促そうとして。
そのたびに体の奥の奥をこじ開けられそうな刺激を受けながら、必死に搾精するのだった

ディン・タウロス > 「ご主人様におねだりする態度じゃないな?
それに、ご主人様に自己紹介も出来ないような悪い奴隷には
出させてやらないお仕置きもありかもしれないな?」

(媚薬粘液を耳の奥へと流し込み、ゆっくり触手が抜き差しを
始めてまるで耳の孔も犯すべき孔であるというように、奥へ
入り、入口まで来てまた奥へ入りを繰り返す。
小さな絶頂を繰り返しながらも射精出来ない少女の姿に興奮
しながら、舌触手はだらだらと唾液と粘液を滴らせ、少女の
肌へと擦りつけ塗りつけ染み込ませようとする)

「たっぷりと出してやるよ、お前のおまんこにもお尻にもな?
んっ、くぅ…へぇ、なかなかいい締め付けだな…これならすぐに
出せるかも知れないぞ?頑張ってもっと締め付けて腰を動かし
て俺を気持ち良くするんだ」

(少女の膣奥を強く突き上げ、同時にアナルを突き上げて。
お腹がぽっこりと肉棒の形を浮かび上がらせるほどに奥へと
突き込み、痙攣の締め付けや少女の腰の動きに快楽を味わっ
て。アナルを犯す肉棒も奥を遠慮なく突きあげ押し広げるよう
にかき回して。徐々に射精感が高まってくれば、少女の身体の
ことを全く考えない、荒々しく激しい、乱暴な腰使いで少女
の孔を貫いて犯し、突き上げていく)

アヤメ > 「あぐっ、い、ひっ、ぎぅっ♪おにゃか、おくっ、こわれひゃ、ぁ、ぁあっ――ごしゅじ、ひゃま、おにゃかに
 せーえきいっぱい、らひて、だしてぇっ♪びゅぅって、おなか、ぱんぱんにしてぇっ……♪」

耳も秘所も尻穴も目いっぱいに犯されて、目隠しの下の目は蕩け切っていた。
快楽が強すぎて白目すら剥きそうで、もはやあらゆる体液にまみれた状態で懸命に腰を振っている。
ぐぼ、ぐぼ、と空気が入る音がして、抉られるたびにぶびゅ、と出ていく。
荒々しい突き上げに体が揺れるのを感じながら、やがて少女はひときわ大きく跳ねると。

「は、ひゅ、ぁ、ぁあっ、や、うぁ、いっひゃぁ、ぁああぁああああああぁああっ♪」

きゅぅぅ、と弓なりに体がそりあがって、かくかくと震えて。
男の肉棒を思いきり圧搾して精液を搾り取ろうとすると同時に、少女は強烈な絶頂を迎えるのだった。
男が許してくれるならば、この場で激しく射精しただろうし、あるいは許されずずっと射精を禁じられてしまったかもしれない。。
どちらになるかは男の胸先三寸だが、翌日以降、射精を禁止された状態でよがり狂う娘の姿がよく見られることになる。
奴隷としてのマゾ雌調教――その第一歩としての射精管理は、少女の心と体が蕩け切るまで、徹底的に繰り返されていくことになるが、それはまた別の話である――。

ディン・タウロス > 「これぐらいで壊れたりしないよ、大げさだな?
それにこれからたっぷりと俺の精液を、せーしをお前の腹の
中に出すんだから…これくらいで音を上げてたら駄目だぞ?」

(遠慮なく少女の膣を突き上げて肉棒を扱き、少女の絶頂の
痙攣で受ける刺激に気持ち良さそうに息を零して。
アナルもまた強く突き上げ、交互に突いたり同時に突いたりと
膣を犯す肉棒とごりごりと擦れるような感触をさせながら、
激しく動かして)

「はぁっ、んっ、くぅぅ…さぁ、出すぞ?たっぷりと出してやる
からな…お前にも、一回だけ出させてやるよ…んんっ、くぅぅ!!」

(力を込めて二本の肉棒を少女の奥、限界までねじ込んで。耳孔
を犯す触手も奥まで入りこみ。膣とアナルの奥へと入りきらな
い精液が逆流するほど、勢いよく精液を注ぎ込み、耳穴の奥へ
は粘液を注ぎこんで。
一度だけ、少女にも射精を赦して辺りに少女の精液を飛び散ら
せて。
それから奴隷商人が戻ると言っていた朝まで、少女には一度も
それ以降は射精を赦さず。触手を使い、己の肉棒を使い、
少女が限界を訴えても止めることなく犯し続けていくことに……)

ご案内:「奴隷市場都市バフート/奴隷市場」からアヤメさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート/奴隷市場」からディン・タウロスさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 「ったく、任せた仕事ほっぽってどこかに行きやがって……」

ぶつぶつと不機嫌そうに娼館通りを歩く少年一匹。
大股で荒い足取りに、客引きの奴隷や商人たちですらこれは厄介者の気配だと声をかけるのを躊躇うレベルの不満を露わにしている。

数日前色々と調査を頼んだミレー族の知り合いが連絡もなくふっつりと姿を消してしまった。
まぁもしかしたら王都で強盗にでもあって物を取られた挙句死んだとか
あるいはあんまり冴えない兵士だったので左遷されたとかそういう話で消えてしまったのかと思っていたのだが
どうも調べるうちにそういうわけでもないらしい。

最後に姿を見かけた人々の情報を辿れば、どうやらよく似た特徴の歳若い少年が奴隷として売られたとか売られてないとかで
こっちの都市へ運ばれていったらしいというところまではなんとか突き止めた。

チェシャ=ベルベット > まぁ間抜けなやつだしその手の誘惑や魔法にとことん弱いから
奴隷として売られてしまっても有り得る話だろうからと一応探しに来たものの
右を見ても左を見てもミレー族の奴隷の数が尋常ではなくて探すどころではない。
女よりは数が少ないものの歳若い少年なんてそこら辺ごろごろいるし。
砂漠で砂金を探すようなものである。

その上どいつもこいつもド派手な露出の服か逃げ出せないような首輪に鎖、
横道のちょっと陰った場所ですら人目をはばからず誰かと誰かがナメクジのようにのたくって盛っている。
明らかに主人から虐待を受けている奴らの目は落ち窪んで死んでいる。
チェシャにとってイラつく事この上ない地獄のような場所だった。

チェシャ=ベルベット > この怒りも、矛盾した憤りも全部同族嫌悪、あるいは同胞嫌悪のようなものであるのは自覚している。
過去に自分が属していた集団もそんなものだったし、今だってたぶん自分も何らかのきっかけさえあれば彼らと同じ所まで落ちてしまうのだろう。

正直、こんなミレー族に生きづらい世の中だ。
多少媚び売ってでも快楽に屈してもその方がずっと可愛がってもらえるし
その日の食事や雨露をしのげる寝床には困らない。
気に入られれば綺麗な衣服や多少の自由だってもらえるし、あるいは腹の中では貴族の妾や愛人を考えて狙っているやつだっているだろう。

何より、奴隷は何も考えなくていいのが楽で心地が良いのだ。
何も考えないなら自分の境遇について嘆く必要もないし他に比べるものもない。
ずっと停滞して死に続けているのと同義である。

あるいはある一面では奴隷の方こそが快楽や関係性における主導権を握っており
良い主人は奴隷の要望をきちんとつかみとってそれを与えてやれるという話なのかもしれない。
真の主人はどちらであるのか、そこでチェシャもまた考えるのをやめた。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 娼館通り」にリンさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 「面倒くさい……」

吐き捨てるように道端の石ころをつま先で蹴り飛ばす。
そもそもなんだってこんなところまで来てしまったのか。
別に情報なら自分で探せば良いし、たった一人ツテが無くなったというだけで
わざわざここまで出張ることもなかったのだ。
ただちょっと縁があっただけで、だからといって相手が特別な関係のある相手ということも無かったわけだし。

それにあいつ、案外奴隷になっても困ってないでむしろ喜んでいそうだし
見つけた所で連れ帰ろうとしたら嫌がられるとかそういうことも有り得そう。
そう思えば、さらに輪をかけて腹が立ってきた。
どこかで性病にかかってしまえ、クソ犬。心のなかで盛大に罵る。

『シャッチョサン、シャッチョサン~カワイイコイルヨー?オサケアルヨー?ヨッテカナイー』

片言の、マグメールの主要言語ではなさそうな訛りが入った命知らずの呼びこみがチェシャの袖をひいた。
殺意を持ってフードの下からひと睨みするとそそくさと立ち去った。
チェシャのイライラが有頂天もとい怒髪天というやつであった。

リン > 通りに面した娼館の一つから、楽器のケースを提げた藍色の髪の少年が出てくる。
口元を自前のハンカチで軽く覆っていた。
どうにもここの淫臭を直に嗅いでいると嗅覚がゆがんでしまいそうに思えた。

居心地のいい場所とはとても言えないが、リンのような整っているのは見かけだけのならずものには
仕事とツテというのが案外あるもので、来ざるを得ないのである。
今日は背負った《アクリス》を必要とした仕事だった。

ふと道のむこうに視線をやると、呼び込みに絡まれる少年の姿があった。
この淀んだ街で彼だけが異なる彩度をまとっている。
遠目に見てもかなりの美少年だとわかる。
おまけにどうやらここの奴隷ではないらしい。奇異な存在だ。

「やあ、そこの君。
 ひょっとして迷ってない? 道案内してあげようか」

営業用の微笑みを浮かべ、近づいて声を掛けてみる。
こんなところで憤ったような様子になっているのなら、多分そういう理由だろう。
経験者なのでわかる。

チェシャ=ベルベット > 「あぁん?!」

声をかけてきたらしい相手に非常にドスの利いた声とともに振り返る。
せっかく褒めてもらった容姿もチンピラのごとき態度でかなり台無しである。

見れば自分と似た背丈の全体的に涼しそうな色彩の少年、こちらもまたこの場所に相応しくない(ある意味相応しいかもしれないが)整った容姿である。
怪しい、直感的に警戒する。片手に持ったケース、たぶん形からして楽器、バイオリンが入っているのだろう。
旅の楽師か吟遊詩人か?まぁどちらでも構わない。そのケースに何かしらの魔術紋様が刻まれているのを見て取る。
たぶん微細に施された式からして保護の魔術だろう。念入りなことだ。

ためつすがめつ相手を検分し終えた後、明らかな不機嫌を隠そうともせずに腰に手を当てて睨んだ。

「なに?今僕忙しいし機嫌が悪いんだけど。別に迷ってないしナンパとか客引きとかならお断り。他所を当たって」

リン > 「うわっおっかなっ!」

ひええと剣幕を遮るように両手のひらをかざす。
怒ったら美貌が台無し、などと言おうものならもっと怒りそうだ。
とはいえここでしっぽを巻いて逃げたりはしない。
やくざ者相手は慣れている。暴力を振るわれたわけでもないのに屈するほど弱くはないのだ。
それと美少年に睨まれたり罵倒されたりするのはそんなに嫌いじゃない。

「ま、まあまあそうじゃけんにしないでよ。
 忙しいって、好みの女の子を探しているわけじゃないよね? 尋ね人か何か?
 こう見えても僕はこの街に慣れてるから、何か手伝えるかもしれないよ?」

食い下がる様子を見せる。
似た印象の二人だが、楽器の少年の笑い方はこの街の毒気に馴染んでいて、どこか誠実さに欠けている。

「それにここ、一人で歩くにはちょっと危険だよ。
 君は腕に覚えがあるのかもしれないけどさ」

魔術に通じているわけではないが、相手が強力な魔術師であることはなんとなくわかる。
普段から呪物とともに過ごしているおかげだ。

チェシャ=ベルベット > 胡散臭い態度の相手に半眼で見つめる。
そう容易くは信用出来ないし、この街にそれなりに馴染めるなんて
容貌はそこそこでも性根はきっと褒められたものではないだろう。

尻でも蹴飛ばして追い返してやろうかと思ったのだが
この街でまともな衣服と高価な楽器を普通に所持出来るだけの何かが彼にあるのだろうから
自分の知らない魔術を隠し持っていたりするのかもしれない。
迂闊に手を出すことはやめておいた。

はぁ~と大げさにため息をついてつかつかと目の前に歩み寄る。
小声で簡素に要件だけ告げた。

「人を探している。名前はパトリック、僕よりちょっとでかいか同じくらいの青年っていうか少年。
 なよっちくて弱くって女装が大好きですぐ変態に尻尾を振るのが趣味のクソ犬ミレー。
 王都で最後に見かけて以来消息を絶っていてここでそれらしい奴隷を見たっていう情報があったから来た。
 今は縮んでいるかもしれない……どういうわけかしらないけど、魔法か何かで」

一息に自分の求めている相手の特徴を、特に変態性を強調して伝える。
無言で視線を送る、何かしらないか?という態度。

リン > 「…………」

若干の間。
まさかよーく知っているとはいえない。
握った拳に我知らず汗が滲んだ。

「……えーと、どこかでそんな話を聞いたような、聞かなかったような……。
 随分詳しいみたいだけど、どういう関係、友達?」

極力嘘くさくならないように慎重に言葉を発したが視線が若干泳ぐのは止められなかった。

「確かこっちのほうの娼館に居たって話を聞いたね」

口から出任せを並べて、人気のない路地の方向へと相手を誘導しようとする。

チェシャ=ベルベット > 「性奴隷」

どういう間柄か問われれば間髪おかずにそう答える。
一々見知らぬ相手に説明するのも面倒だしたぶんそういう関係性でも間違っていないだろう。
いや、大いに間違いはあるのだが。

リンの視線がふらふらと怪しくさまよいだしたのを見て、ますますチェシャの眉間の皺が深くなり目つきが鋭くなっていく。
自分を路地裏に誘導しようとしているのが感じられれば途中までは無言で大人しく付き従った。

が、二人が表の通りから容易く見えない位置に入れば
ぐいとリンの肩を掴んで壁際に叩きつけるようにして追い込み
自分の方へ向かせたついでに顔の横に手を叩きつけた。いわゆるひとつの壁ドンである。

お互いの唇が重なりあいそうな近さで顔を寄せ、ひどく艶めかしく愉しそうな表情で目を細める。
チェシャ猫のような意地の悪い笑顔、それに反して囁かれる冷たい声。

「ねぇ、嘘ついてない?本当に知らない?こうして変な所連れ込んだってことは
 本当に何も知らないけど僕に邪なことがしたいか、心当たりがあってそれを隠したいかじゃない?

 僕、今とぉっても気分が悪いから嘘をついたりしたらお兄さんのことひどい目に合わせちゃうかも♡」

見れば壁についていた手が銀色の手甲にいつの間にか包まれている。
鋭い爪先が黒板をひっかく猫の爪のようにじゃりっとレンガ造りの壁を抉る。

リン > 「えっすごいな」

パトリックがこの美少年に虐げられている絵図を想像して、
口をついて出た素直な言葉がそれだった。
他にも感想は出てきたが心のなかに押しとどめる。

自分はあまりろくな死に方をしないだろうなとは漠然と思っていて、
その予想の一つがこうして食い物にした男女の関係者がやってきて
セレネルの海に沈められるというものだった。

この場をうまくごまかせたとしてもパトリックが発見されれば
やがて自分にたどり着かれてしまうだろう。
人気のない場所に誘い出して、なんとか《アクリス》で始末できれば、
そう思っていたのだが……

「…………ひ!」

たちまち壁に追いつめられてしまう。
魔術師だと検討をつけていたがその敏捷性は想定以上で、
手にする呪具以外はただの小悪党でしかないリンの反応を遥かに凌駕していた。
こんなことなら奏者じゃなくて演者の修行をしておけばよかった。
アドリブは苦手なのだ。

削られるレンガに青い顔をする。
《アクリス》を起動して――いや、迂闊な動きを見せたら
即座に首を撥ねられてもおかしくはない。危険過ぎる賭けだ。

「ごっ……ごめんなさいっ、
 パトリックは……その、僕が丸め込んで、
 奴隷にして売り飛ばしちゃいました……ははっ……」

震える声でそう白状する。
だって、あんまり嬉しそうだったから、つい、とか言い訳も重ねて。
詰め寄られた恐怖と興奮で心臓が高鳴っている。
この興奮は……きっと“よくない”興奮だが、止めるのは難しい。

チェシャ=ベルベット > 「すごくない、別に普通」

ぴしゃりとリンの感嘆を切り捨てる。
いや同性同士が既に普通ではないしさらに性奴隷とかいうのも多分違うというか普通では無いのだが
もはやチェシャの中の倫理観や道徳みたいなものは一種独特の形にゆがんでいるので
これが彼にとっては”普通”の”日常”の”延長”である。

案外思ったよりも抵抗がなく、あっさりと自分の悪事をビビって白状した。
面倒がなくて大変よろしい。いくらか機嫌が回復した。乾いた砂漠に数滴スポイトで水をやった程度だが。

褒めるように壁についた手とは反対の方で優しく顎下を持ち上げくすぐってやる。

「そっかぁ、お兄さんが奴隷にして売っちゃったんだ。
 で、どうやってそんなことが出来たのかな?その手に持っているバイオリンが手品の種?」

顎をしゃくってリンが手に持っているケースをその場に下ろすように指示する。
さて、その後はどう調理してやろうか。

「まずはあのクソ犬を売った先を教えてね、嘘を言ったりしたらその舌切り落としちゃうかも。
 それからお兄さんをクソ犬の身請け料代わりに奴隷として売っちゃおう。
 あいつがされたみたいに女装させて街角に立たせて尻穴をごっつい男たちに輪姦されるとかさ。

 そこまでしてない?でもどうせこれからそうするつもりだったりするでしょ。
 じゃあおんなじ目にあっても仕方ない」

怯える姿があんまりに哀れなせいでついいつもより饒舌になる。
分かったらさっさと歩けと言わんばかりに再び肩を掴んで表通りに押し出す。
ついでに銀の手甲が糸を操るようにひらめいて、リンの首に不可視の糸が巻き付いた。

「喉笛掻っ切られたくなかったらキリキリ歩いてね」

もう片方の手でバイオリンケースを持ち上げ奪うと膝蹴りで軽くリンの尻を小突く。