2016/08/25 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にロージィさんが現れました。
■ロージィ > ―――そうして今日も、とうに日は暮れた。
相も変わらず太った店主の座る椅子の傍ら、真新しい金属製の檻の中。
膝を抱えて座る子供はうつらうつらと、迫り来る睡魔と戦っている。
戦っている―――いるけれども、どうやら敗色は濃厚。
こくり、こくりと舟を漕ぐ頭、ほぼ完全に閉ざされている瞼。
気づいた店主が檻をコツリと叩くと、びく、と身動いで目を開けるが。
「……ふぁ、……」
辺りをきょときょとと見回して、欠伸をひとつ。
それからすぐにまた、うとうとと微睡み始める有り様で。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にグローリー・コンフォートさんが現れました。
■グローリー・コンフォート > 今日も今日とて奴隷を求め街を歩くも日が暮れてしまい。
収穫なしかとため息を零しながら宿へと向かう途中、奴隷商人の店があるのが目に入れば帰るついでだと立ち寄ることに。
「今日も無駄足だったな…ここは奴隷を扱っている店か。
どうせろくな奴隷もおるまいが、立ち寄ってみるか…こういう店に掘り出し物があることがあるから…なっ、これは…」
…そして真新しい檻の中に座る少女の姿に息を飲む。
美しいプラチナブロンドの長い髪、眠たそうにしている瞳の色は綺麗な真紅。
そして何より、自分の好みの年齢に体型。
「まさか、このようなところで見つかるとは…掘り出し物があったな。おい、店主…この少女だが…もう買い手はついているのか?」
椅子に座る太った店主と思われる男へと声をかけ、買うための商談を始めようとする。
その最中も、ちらりちらりと檻の中の少女へと視線を向けては欲しい気落ちを表に出しすぎないようにして。
■ロージィ > かくん、と項垂れた頭、すよすよと零れる寝息を、今度は咎める声もない。
傍らの檻の中身へ興味を示した客人に、店主の意識は集中した。
目も鼻も、おもだった顔のパーツはことごとく肉に埋もれたような顔が、
なんとも嫌らしい笑みに歪む。
『おや、旦那。こちらに興味がおありで?』
相手の身なり、年の頃、一瞬の観察眼で良い金がとれそうだ、と判断すると、
肉付きの良い手指をちまちまと動かし、躾の行き届いていない奴隷にしては、
そこそこ高い金額を持ち出すだろう。
曰く、家柄、血筋共に正しき貴族の娘であったこと。
なかなか手に入らない、まっさらな生娘であること。
それなりに元手がかかっているために、安売りが出来ないこと、なども。
勿論、もっとも重要な情報は、『未だ買い手は決まっていない』ということだが。
■グローリー・コンフォート > 「興味があるから声をかけたのだ。
なかなかに高いな?…なるほど、確かにそれならばその値段も納得できるのだがな、だが少々高い。店主、本当にその値段で間違いないのか?買い手がつかぬのはその金額が高いからではないのかな?」
奴隷商人の説明に内心ではなるほどそれが真実であるならば高い理由も良く分かる。
貴族の娘であり、家柄血筋が明らかであること、この見た目でまっさらな生娘ともなれば貴重であるのだから金額も相応にすることも納得である。
買い手が決まっていないと聞き、半ば買う心算になっているのだが、もう一度金額がそれで間違いないのかと尋ねて。
■ロージィ > 吹っかけすぎている、と笑い飛ばすでもなく、怒るでもなく。
再度繰りだされた問いかけに、店主の笑みはますます、不気味に深められる。
『たしかに、高い、とお感じになられるかも知れませんがね…、』
ちょい、ちょい。
そっと手招き、相手が店主の方へ身を屈めたならば。
この娘に施された秘術のこと。
幾度でも、破瓜の背徳的喜悦を味わえること。
決してこれ以上に育たない、いつまでも愛らしい子供のままであることを、
ひそひそと囁き声で伝えるだろう。
『……まぁ。
それでも高い、とおっしゃるなら、無理に買ってくれとは言いませんがねぇ』
■グローリー・コンフォート > 店主の笑みが深められ、手招きをされる。
身を屈め、店主の言葉を聞けばにやりとこちらも深い笑みを布の中で浮かべて頷き。
「なるほどな、それはそれは面白い術がかかっているものだ。
しかし、いつまでもこの姿のままとはな、くくく…店主。
面白い術を知っているものだ。我が屋敷に招いてその術を行使して貰いたいくらいだぞ?良かろう、店主。その娘、買わせて貰おうではないか」
己の理想の一部を具現した少女、これを買わずに何を買うとばかり買い取ることを表明して。
店主へと店主の提示する金額に5割の色を付けて手渡す。
「これは店主、良い奴隷を見つけ売らずに取っておいてくれたことへの礼だ。もし次にまたこのような良い奴隷を見つけたなら…そしてそれを私の為に取っておいてくれたなら、報酬はまた弾もう。それはそれとして…店主よ、本当に私に仕えてみないか?給金は弾むぞ?」
施された秘術を施して欲しい少女は王都に戻ればたくさんいる、おそらく断られるだろうというのは承知の上で、駄目元で聞いてみて。
■ロージィ > 手もとに置いて、美しく育ててみたい、という客も居るだろう。
しかし、育った奴隷を見限る客が居るのも、また事実。
目の前の客がまっすぐにこの檻へ興味を示したのを見て、この客は
どちらかと言えば、後者に近い、と店主は判じた。
仕えてみないか、という誘い文句にはほとんど見えない首を左右に振りつつ、
奥に控えていた従業員の男へ、檻の扉を開くよう命じて。
『いやいや、あたしみたいな卑しいもんが、旦那にお仕えするなんざ畏れ多いや。
それより、…また、是非とも御贔屓に』
要求したよりも多額の金を、当然のように受け取って、申し訳程度に頭を垂れ。
こつん、と檻を叩いて、眠る子供の目を覚まさせる。
ぱちぱちと稚い仕草で瞬き、眠そうな目で店主を仰ぎ見る娘に、
『こちらの紳士が、今日からお前を預かってくださる。
お迎えが来るまで、この方のお宅で大人しくしてるんだぞ?
―――いい子にしてりゃあきっと、すぐに迎えに来て貰えるからなぁ』
―――心なし、不安げな眼差しが店主から、見ず知らずの紳士へ流れる。
それでも、迎えに来てくれるまで―――そう、迎えは来るのだ、と念を押されれば。
こくん、と従順に頷いて、檻から這い出そうとするだろう。
■グローリー・コンフォート > 「まぁ、断るだろうな。初対面の妖しい男に誘われて
ほいほい着いてくるような迂闊な者がこの都市で生き残れる訳もなし。ああ、店主が良い奴隷を見つけてくれれば、そしてそれを私が気に入れば、な?」
断られるのも当然と頷き、手渡す金を当然と受け取る様子にくっくっくと機嫌良さそうに笑って。
そして少女が目を覚まして檻から這い出てくればそっと手を差し伸べて、少女の手を取り立たせようとし。
「さぁ、今日から私がお前の主だ。娘、名前はなんという?」
口元を覆う布をずらし、素顔を晒して少女の真紅の瞳を見つめながら名を尋ねる。
■ロージィ > 紳士の台詞に、店主はただ、にんまりと笑い返すのみ。
四つん這いで檻から這い出てきた鼻先へ、差し伸べられた大きな掌。
ちょこん、と小さな手を預けて、眠気の名残を残した覚束無さで立ち上がる、
己の足許は素足のまま。
「…えっ、と。
ロージィ、は、ロージィ、なのよ?
―――ある、じ、って、なぁに?」
聞き慣れない単語に、かくりと首を傾がせる。
ほぼ同時、店主から命じられた従業員が、奴隷の『血統書』と称して、
一通の書類を紳士に手渡すだろう。
娘が生まれた時に作られた、正式な出生証明書。
本名、生年月日、父母の名前など、全てが記載されたそれ。
両親が数週間前に屋敷で惨殺された貴族であることに気づくかどうかは、
渡された紳士次第ではあるけれども。
とにかく確かなことは、この娘を探し出し、迎えに来る『両親』が、
もう、この世の何処にも居ない、ということだ。
■グローリー・コンフォート > 「ロージィか、良い名だな?
ふむ、難しいことはまだ良く分からぬか。
主というのは私の屋敷でロージィが働くから、私がロージィのご主人様になるということだ。働くと言ってもまだまだロージィは幼いからな、まずは見習いから始めて貰うことになるが」
少女の不思議そうな言葉に分かるだろうか、と思いながらも説明をして。
店主から渡された血統書を読み進めていき、そう言えばと心当りのある惨殺事件を思い出して。
貴族が狙われた、ということで一時期話題になっていたと思いつつそのときの生き残りが目の前の少女かと。
もっとも、重要なのは少女を探す両親はもういないということ。
家族は少女を見ればもう売られるなりしたのだろうとも分かり、手に入った少女を奪う者はいないだろうことに満足げに笑う。
「確かに書類も預かった。良い買い物をさせて貰った、また次の機会がもしあるならば、そのときは楽しみにしている。
さぁ、ロージィ、明日にはもう王都に向けて戻ることになる。
私の泊まっている宿屋にいくぞ?そこで…お腹が空いているなら食事にしても良いし、湯浴みをするのも良い。
今宵は私がロージィに添い寝をしてやろう、一人では心細いだろう」
優しく笑みを浮かべながらプラチナブロンドの長い髪を梳くように頭を撫で。
買い物も済ませればもうここには用もない、と宿に向かうため裸足の少女を抱きかかえようとする。