2023/05/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 「♪~~♪♪~~」

小さくハミングをしながら悠然闊歩。
山林の中の御世辞にも歩き易いとは言えない凸凹を慣れ切った軽い足取りで跨ぎ渡る。
腰に吊るしているのは片手で扱える鋭利そうな孤を描いている草刈り鎌。
背中には竹材を編み合わせた背負子を背負い。
その中にはどっさりと初夏入りにおいて芽生える山菜群が入っている。

テンドン > 余り人通りの多い場所とは言えない、というよりも普通の人間なら立ち入らない様な場所だ。
その証拠にろくに整地されていない太古原始のままの足場に時折窺える足跡に人間のものは無い。

「お。獣の足跡、発見」

その代わりに大小様々な獣の行き交っていた痕跡がそこに見受けられる。
春から夏場に差し掛かる季節の折に活発化した生態系を物語るそれらを確認し。
手に握り締め直す鎌をぶんぶん振るって垂れ下がる森の枝葉を伐採して払い、歩き易い道を文字通りに切り開く。
木漏れ日だけでも十分に明るい空間に視野を確保して方々を注意深く何度も見まわしながら。
時折に屈みこんで自生している野生の山菜を採取して回っていた。

テンドン > 「収穫良好良好!アレだよね、余り群生しすぎるとかえって育ちに良くないし多少は間引きしないとね!出来る限りは下処理して、塩漬けにして。売れそうなものはそのまま生で卸そうかな~♪アシが早いのは天ぷらとかもいいかな~」

ずっしりと背中に圧し掛かる重みを何度か揺すって背負い直す、大猟大猟。
毎年来ているその証に手持ちに広げる森の中の羊皮紙マップ(手書き)。
何度か確認を繰り返しながら樹木の根を跨ぎ、段差や崖などを身軽に跳ねて飛び降りる。
足繫く通っているフィールドは勝手知ったる庭のようなもの、危なげなく怪我も無い。

テンドン > 「と……」

立ち止まる足運び。
何かを感じ取ったような面持ち。
ぴこんっと牛の耳がそばだつように立ち上がる。
きょろんっと目の動きで辺り一帯にへと目を配り。

「………」

腰に携帯している革製のスリングを手に取り直した。
カップ部分にへと手ごろな形の石ころをセッティングする。

テンドン > ぶおん。
風切りの音が軽く唸った。
手首の捻りによって回転力を得た皮束が回転する。
頭上にへと携える手を掲げ。
収めた石を重石として安定した遠心力で振り回されるそれが何度か躍ったその後に。

「そいっっ!!」

放られた石弾は鋭い放物線を描いて、周囲に成育している茂みの一か所を貫いた。
ゴッ、と、何か堅いものにぶつかるような衝突音。

テンドン > 「っし」

ワンテンポをおいてそこからそれ以上の物音がしないのを確認後。
注意深く足を運んで茂みをかき分けその中に立ち入り。
そこで屈み込んでごそごそ。

「やっぱり!」

にっこりと笑いながらそこに倒れているものを片手に掴んで持ち上げる。
凄くでっかいカエルだ、ちょっとした犬ぐらいの大きさの。
石が直撃した頭からは血が垂れ流しになっており、ぴくぴくと放り出された四肢が痙攣するように震えている。

「獲物確保!」

テンドン > 「今日はカエルのフライだね~☆良き哉良き哉、夏場が近づくと、やっぱり生き物の活動も活発になるな~」

ぱたんぱたんとはしゃぐように揺れる尻尾。
気絶しているカエルと向き合いながらも、直ぐにその場より離れ出す。
血の匂いや小さな騒ぎに何かが引き付けられて来たら面倒だから!
そして普段通りの順路を辿り辿りに山林における活動は続くのでありました。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からテンドンさんが去りました。