2023/05/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にドゥゲイルさんが現れました。
■ドゥゲイル > 男は嗤った。泥水のようなものを啜りながら。
どこで生まれ落ちたかは知らない。大きな月に産み落とされたように虚空から墜落して。
傷だらけの身体で嗤う。嗚呼、生きている。生きているじゃないか。
ソイツは目の前のものを喰らっている。獣のような態勢で、骨ごと、顎でかみ砕く。
ニンゲンの姿をしていながら、ヒトではない。
楽しいなァ、月に笑うその顔は泥水のようなものに塗れて真っ赤。
全身を泥のようなものを浴びて真っ赤。何かの臓腑をまき散らしながら貪って。
嗚呼、その泥のようなものは血であった。それを啜る男は吸血鬼とでも言えるだろうか。
人の姿で人でなく、獣の唸りで獣でなく、夜の底にいる。
■ドゥゲイル > 布切れのような衣服を残して、全てを平らげた男は、何もなかったかのように立ち上がる。
布を脱ぎ捨てて素っ裸になると、近くの川で体に付いた血を洗い、髪を搔きむしった。
食欲は満たした。そしてようやく、雌を喰らったのはもったいなかったなという後悔が胸をよぎる。
衝動に身を任せて喰らってしまったが、犯してからの方が、などと独り言ち。
犯した牝の肉を食うのもな、と更に思い直した。
他の獲物を探すか、衣服の代わりに使っていた布切れも血にまみれて川に浸したが汚れは取れない。
まあいいか、と濡れたままのそれを身に纏う。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からドゥゲイルさんが去りました。