2023/04/15 のログ
ティアフェル >  引き裂くような悲鳴が夜闇を一頻り渡り。
 しばし騒動が墓所を揺らす。

 ―――それもやがては静まり返り。
 再び静寂を取り戻した永遠の瞑り。

 ただ、月が蒼く淡く冷たい光を投げかけていた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にunkownさんが現れました。
unkown > 月が分厚い雨雲に隠れた夜。
降りしきる雨は弱いが止む気配はない。
――今宵の森を包み込む空気はいつになく冷たく重い。
あまつさえ木々や葉の合間を抜けて吹く風は生ぬるい。

やたら眩しい世界より逃げ出しこの森に迷い込み、彷徨い始めて既に数日経過した。

食料はそこらを駆ける小動物や稀に無謀にも挑んでくる獣を喰らい、水に関しては貪った際に得られる以上に欲しい場合は近くに川が流れているのも確認していて、生存するのに難しくない。

ただ時々遭遇するオークやオーガといった生き物は手ごわく、極稀に遭遇するボウケンシャという生き物には手傷を負わされる事があり、それらと遭遇する率が高くなるなら森から別の場所へ逃げるべきか、と思案する。

バシャと呼ばれていた食料を大量にもっているモノが行き来する場所近くに一時的な巣を作るべきか、或いは……ニンゲンのいる集落を襲って、そこを巣とした方がいいか、と考えながら今夜も当て所もない散策を続けていたが、考え事をしながら行動できるほど器用でもなく、ゴリ、と大木に鼻先をぶつけて、文字通り痛い目をみる。

――森を闊歩しているのは1匹の人造……狂気の産物か何か目的があったのか、今となっては理由は定かではないが、人為的に創られたドラゴンの名残が見える黒色の長い体毛に身を包んだ魔獣。

今夜森を包む夜の帳の御蔭で、黒色の体毛に見える微細で長い触手状の感覚器に意識を割かなくても、周囲の闇と黒色のそれは見事に同化し、なるべく抑えている様子の呼吸は雨音にかき消されている、つまりは周囲からは認識され難い状況下で然程警戒もせず闊歩しているのだった。

unkown > 当面の目的は安全な棲かと食料である。
後者の方は先ほども考えたが万全には遠いが問題はない。
しかし前者の安全な棲かは森を彷徨ってから数日立つがついぞ見たことがない。
あの眩く白い世界に比べたら今の生活はマジだと思えたが、それでも生きていくには棲みかが必要だというのは理解出来る。

――ひとつ忘れていた。
棲みかと食料と同じだけ大切な物を。
それは肉、獣の肉などではなく苗床になる健康で成熟した雌。
ミレーゾクという奴でもただのニンゲンでもいい、最悪ボウケンシャと呼ばれているモノでもかまわないが、とにかく食いでが有り、良く鳴く雌が欲しい。

安全な棲みかがあって、食料が充実し、苗床に良い雌がいる生活、それを当面の目標と理解すると、改めて――…お腹がすいた。

ぐぅー……と雨音よりも大きな腹の音。
そう言えば今日は何も喰っていなかったと、がくんと首を傾げると、鼻孔を大きく広げて嗅覚を鋭敏にし、土と緑のにおいの中に食料になりそうな匂いがないかをスンスンと嗅ぎ始める。

もちろん、泥と化した獣道をぐちゃり、ぐちゃりと鈍く重たい音をたてながら、さ迷い歩きながらである。

後は器用に微細に動かすことが出来る髪に似た触手の一部を使い、両目にかかる部分だけを眼から遠ざけて、闇を見通せる眼を持って辺りを見渡し、獲物になりそうなものの痕跡がないかも探し、嗅覚、視覚を総動員で空腹を埋め満たすものを探し始めた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からunkownさんが去りました。