2023/02/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湿地帯」にオークさんが現れました。
■オーク > 昼間。日が高いが、周囲の木々のために陽光はまばらだ。緑肌の巨漢がのそのそと湿地帯を歩く。
半眼で周囲を見渡し、小さく唸った。
男はいわゆる探検家・冒険家が着る薄茶色の服を身に纏っている。ブーツや手袋など、どれもしっかりした装備だ。
身なりはまともなのに、男の大きさのせいで冗談のような存在に見える。鎧や両手斧の方がよほど似合っているだろう。
「やはり私のような者一人では姿を現してはくれませんか……」
この魔物学者はユリカゴイモリの生態調査に訪れていた。
以前、何も知らぬ女性冒険者を人を介して雇い、追跡し、イモリに凌辱される姿を観察することで生態調査を行った。
調査時には十分な情報を得たと考えていたが、論文を執筆する上で疑問点がいくつか浮かんでくる。
知れば知るほど知らないことが増える、とはよくいったものだ。
追加調査をするために再度繁殖地を訪れたが、一人で来たことに若干後悔している。
魔物は警戒心が強い。以前も餌、つまり女性冒険者とかなり距離を離した状態でないと襲撃してはくれなかった。
交尾は生物が無防備になる瞬間。大抵の動物は短時間で済ませる。時間がかかる動物は安全を確保してそれを行う。
餌もなしに現れてくれるのは奇跡に等しい。魔物を興奮させたり、危害を加えたりもしたくない。
身長2m超の存在でも女性体ならば“托卵”しに来ることはわかっている。不幸なことに、性転換する方法を男は知らない。
「……小休止をしながら考えましょう」
背負った鞄から食べ物を取り出し、立ったまま頬張る。木の実や穀物を固めて棒状にしたもの。
■オーク > 小休止を済ませると、魔物を求めて立ち去っていく。
体格に似合わず静かに、ゆっくりと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 湿地帯」からオークさんが去りました。