2023/01/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 肺の塔」に幸龍さんが現れました。
幸龍 > ―――外からでも、呼吸する音が聞こえる。
此処は廃塔の一つ 自然地帯で遠くからも見える場所
未だ崩れないまま残る此処は一定の目印としても利用される
しかし、中には住み着く破落戸 魔物 空を舞う飛翔体などが巡る。


濡れた石のような色合いをしたフード付きの羽織るだけのマント
それを頭から被る刀持ちは、胸元で衣を集めて被ったまま徒歩なのか
途中まで何かを利用したのかはさて置き、この場所にたどり着いていた。

ダンジョンと言えるのかもわからない
しかし一部が崩れたことで、廃墟から一種のダンジョン扱いされるようになった
宙の生物が留まる場所として利用される狩場の一つ。


「……随分煩い“鼾”。」


刀持ちは、瞼を閉じたまま、入り口と思える場所を探す
門の前は閂すら既に無く、手を寄せると簡単に寄りこむことができた。
内部は、外よりも聞こえる
上へ向かっていく流れの音
下へ向かっていく流れの音。

その中で、刀持ちは上を見上げるような素振りを獲ると、フードを身に着けたままにすることをやめる。
この色の衣なら、周囲に多少の擬態効果は望めたかもしれない
しかし、刀持ちは敢えて全身を晒してみせながら、門の傍の適当な出っ張りにフードマントを掛ける。
まるで、後でこの場所に戻ってくることを示すかのように。


「どこまで、高められるのか。」


刀持ちが望むのはただ一つ
自身に対する飽くなき強さのみ。
強くなりたいという意思のみ。

願うのは最強の自分などと言えば陳腐で安っぽく
そして青年手前が夢見る言葉。

しかしそれをいつまでも思い続けていれば
誰だって、馬鹿になる。

幸龍 > 偶然の産物の場所
しかし見つけた後はその話は広まっていく。
有効利用できる場所なら、余計に。

ダンジョンクエストの一つとして
ある一定のランクが求められる場所。
無駄死にさせて人手が減ることを避けたい組合なら人を選ぶ。
しかし、この国でそれを成立させてくれる場所がどれだけあるだろうか。
場所さえ知っていれば依頼などなくとも何かしらを起こしてしまう者だっていそうなもの。

刀持ちはそんな腐った国で見つけたこの場所に対し、冷たい表情
冷たい鼓動 けれども、背中だけは筋肉が細かに震えることがある。
恐怖でも 怒りでもない 修羅の震えと存在感に対する反応。


「―――。」


塔というものは上を目指す物。
自然と、刀持ちは上に対する場所を目指し始めるだろうか。
見えない瞳 闇めいた視界 聞こえる空気の音
視線や吐息 匂いに対する反応。

この季節に袖無しの、詰襟姿
露出する肩 首筋にはなんら凍える反応を示さず、白い吐息だけがうっすらと漂う。
空気の吸い、出される音は聞こえるものの、大きな本流の力は感じないまま
白い吐息も自然と拡散していくだろうか。

塔の構造上 螺旋上の凹凸 もしくは半径か集会の終わりに階段、または梯子があるというもの。
刀持ちは自然と空気の流れに従い、歩き始める。

幸龍 > 塔は階段状 壁という壁に囲まれた通路ではなく、中央が覗ける形
だからこそ、壁が崩れ、途中の空気が混ざり、息吹が出来上がる。
その中、階下 底で感じた鉄錆の匂い
靴底に感じた半乾きの練りのような感触を思い出す。


「―――破落戸は、いなかった。」


そう言って、周囲には飛び交う何かが巡る。
飛び交うのは魚 背鰭 胸鰭 が発達し、口元はギザ歯
もしくは骨をそのまま剥き出しにするような
まるでかぼちゃの被りもののように成型された口元。

手段は鰭 若しくは口。

強い者ほど 鰐が亀や蟹の殻を砕くように飲み込むのなら
弱者は柔らかい部位を狙う。 例えどれだけ時間がかかっても。
周囲に感じるのはハゲタカに似た執念。
ねっとりとした視線を感じる中、剥き出しの肩から肘
太もも 貌 である。

破落戸を食した後は、刀持ちに狙いを定めた様子。
塔の中心で飛び交う数匹が、狙いを定めて突進してくることは無い。
壁に体当たりしてしまう。
それをしない為に、回り込むように 外側からこそげ落とすようにさせる嬲りにする視線。


二匹が円を描くようにして切り込んでくる。


「   。」


鼻息を一つ。
鞘の鯉口を握る左の手指
鞘の中心を用いて、狙いを定めてくる飛び交う魚擬きの腹に当てて狙いをそらしていく。
しかし、宙の中のせいか、衝撃は軽い。
逸らされた者らは、様子を伺い来る手前


          ―――“キンッ”―――


鍔を押し上げる親指が弾く音と共に、二度目の強襲。
それに対し、垂直に胴を打つかのように、刃が動体に向かって二度
振り下ろし 振り上げの二撃。
波を描く軌道はUの字を描いて、それぞれの動体
それの骨身に沿って片側を“おろした”。

堕ちる二枚の切り身。
バランスを崩し、壁に体当たりして骨の折れる音
崩れる静止した躯。

フォンッと刃を一度振り、露が滴るかのような刀身から脂が剥がれ落ちた。
軌道を描いて落ちた床の線引き。
刀の峰側から鯉口をなぞり、切っ先が入り込んでいく。
刀を振るう際の意識 余韻を残すような残心の姿勢。
刀身が鞘の中へと入り込んでいきながら貌の中心に持ち上げ
人の指を立てた右の手のひらに包まれた柄が、降りていく。

 カシ   ィンッ   と静かに鍔を鳴らした姿。

周囲を眺めると、魚らは瓦礫の隙間か、どこかに引っ込んだ様子だった。


「―――フン。」


舌を打つ様子。
それは、向かってこない姿勢 野生の理性が動いたことによる防衛行動に対する不満。 

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 肺の塔」から幸龍さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にフェルトさんが現れました。
フェルト > 自然地帯の森林地帯。
昼間でも茂る木々のお陰で薄暗い森の中を慣れた足取りで歩く。
歩く途中に足元などを確認をして、時折に足を止めてはそこに生える薬草や木の実などを採取して袋にとつめて。

「今の時期はやっぱ少ないよな。最悪はポーションにして売ればいいんだけど」

寒い時期にしか生えない植物を求めて森に入るも、先客が居たのか生えていないのか数はあまりなく。
予定では採取袋の半分程度にはなると思っていたのが三分の一程度。
そのまま売って稼ごうと考えていたが手間がかかるが製薬するしかないかとため息を吐き。

「出来れば帰るまでには半分は集めたいよな」

そうじゃないと割に合わないと口にして、次に薬草が生えているはずの場所に向けて草木を掻き分けるようにして森を進んでいく。

フェルト > 「これぐらいで何とかかな」

一人で何度か無事に戻れるぎりぎりの場所にまで潜り採取を続け。
一応は足を運んだ甲斐がある程度は集めることが出来て安堵の息。

後は無事に戻るだけなら何とでもなるだろうと肩の力を抜き。

「帰るまでは仕事だな」

そう言って気合を入れなおせば来た道を戻っていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からフェルトさんが去りました。