2022/12/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にテンドンさんが現れました。
テンドン > 昼間!でも余り日中とか関係はない!
どうしてかって此処は洞窟の中だから!
より正確に言えば自然地帯に存在する鉱床を発掘した坑道跡だ!
今では閉鉱してしまっているけれども、通り道自体は残っている!
だから此処を近道として選択する人も居るという知る人ぞ知る隠れ路なのだ!

「フッフッ…フッ…」

その道筋を走っている。普段以上にペースは弛め。
既に廃れた場所である為に整備などされておらず当然。
身に纏っている上着の襟首辺りから下げている小さめの頑丈ランタン。
そこにくゆり灯っている明かりが行く末を照らし出す。
錆付いたトロッコ用のレールと比較的に平たく整地された岩の路。

テンドン > 「くらーいなー」

時々蝙蝠とかが天井から釣り下がっているのを見かける。
後は多少じめっとしている場所なので沸いている小さなスライムとか。
他にも百足やゴキブリなどの小蟲などもひっそりと棲息している。
外はめちゃくちゃ寒いけれども坑道内の温度は割合に安定していて。
吐き出す息遣いも冬風びゅーびゅーの屋外だと真っ白にけぶるが、此処ではそうでもない。
ただ、風通しがお世辞にも良いとは言えないので空気は澱みがちだ。
たん、たん、と、規則的に蹴り付ける走りの靴底が足元を蹴り付ける都度に周囲に打音が軽く木霊する。

テンドン > 「狭いし。此処でもしも、対向者とかに遭遇したりしたらちょっと骨だよね…それも普通の対向者だったりしたなら良いけれど。怪物とか盗賊さんだったらこんな閉所だと困っちゃうしね。それならまだしもゴーストとか……」

孤独の限りのルート奔走、果てしなく変わり映えの無い暗いトンネルの中。
対話を出来るのは自分自身だけ。独り言が自然と増える。
ペース維持だけは徹底して走り続けている。

「一応聖別した水とか貰ってるけど効くのかなあ…何でこういうのって通用するのか良くわかんないよね。あの世の魂と聖職者が何か癒着でもしてるんじゃないかと、ボクは思っちゃうな。へへへこれで一つ御退散くださいゴーストさん、その代わりにこちらの山吹色のお菓子を、ほっほっほっ、お前もワルよのう…」

ちゃぷんちゃぷん鞄に括り付けられている聖水の瓶も一緒に揺れている。

テンドン > 「……此処でも昔は鉱山労働者が働いてたりしてたんだろうなあ」

彼処にツルハシで殴り付けて掘削したり、発破で破壊された痕跡が残っている。
崩落しないようにと天井にかけられた木造の梁は、時間が経過して蜘蛛の巣だらけになってもまだ壊れそうな気配は無い。
ぴょんっと跳ねるようにして、崩れた壁際から転がり落ちている鉱石の欠片を跨いで通る。

「っとと!頭上注意!無事故!無怪我!」

蝙蝠の糞だけではなく、急に天井が低くなってぶつかりそうなのを慌てて屈み込んで半スライディングがちに通過!

テンドン > 「…………」

てってってっ、片手に地図を携え複雑怪奇な坑道迷路を攻略中。
右。右。左。真ん中。右。左。
違う。やっぱり戻ってからまた右。

「……♪~~」

順調な進路の舵取りの合間に、何となく気分が乗ってハミングが零れ出す。

「…おーいら達は鉱山採掘者ー、眠れる者達を掘り起こすー。
ちょいと手に持つツルハシで、御宅をノック!
金と銀の淑女(レディ)達、少しお出かけしてみては。
鉄と銅の戦士(ファイター)よ、鍛え抜かれて研ぎ澄ます剣や槍。
今日も営業、暗い洞窟の中で訪ね歩く♪
草臥れたらおうちで酒を一杯、そーれが鉱山採掘者~♪」

楽器も何も無いので、ふるうのは自分の喉だけだ。
陰々と風音すらも無い坑道の暗がりの中に震える歌唱が満ち渡る。
疾走闊歩の足取りも、リズムのベースを取るかのような調子!

テンドン > 「ふんふんふん~♪そーれーがーこうざーん、さいくつ~しゃ~♪」

軽やかな独りリサイタル、狭い洞窟の暗闇の中を突っ切る走り。
尾を引くメロディを御供にして、配達員はそのまま駆け抜けて行くのでありました。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からテンドンさんが去りました。