2022/12/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にイノさんが現れました。
■イノ > 今の自分は、王立コクマー・ラジエル学院の生徒イノとして、この自然地帯に立っていた。
もちろん、生徒として、授業の一環としてここに居る訳だ。
内容は、この付近に生息している…何といったか、まぁ、植物の採集だ。
名前は忘れたが、どんな植物かは覚えているから、大丈夫だろう。
この辺りは、自然地帯と言っても、比較的安全…らしい?
それでも、動物や、弱い魔物は出るらしいから、最低限の警戒は必要との事。
「とりあえず…討伐目的じゃないし、適当にやり過ごせば良いよね?」
もっとも、自分を前にすれば、動物の類は寄って来ない。
気を付けるのは、弱い魔物、とか言われているものくらいだろう。
とか、そんな事を考えている時に限って、遭遇してしまうのが常である。
個人で行動しているのか、誰かと一緒に居るのか。
そんな呟きを零しながらも、構えの一つも取ってはいないが。
現れた相手さんは、やる気満々に武器を構えている。
ともあれ、目の前に現れたのは、数匹のゴブリン。
…あ、ちなみに、そんな説明をしているが、自分にはゴブリンなんて名前は出てきません、残念。
さて、どうしようか…と、獲物も持たぬ、手ぶらの少女はのんびり事の流れを眺めているのだった。
■イノ > じりじりと、近付いて来るゴブリン達。
やっとやる気になったのか、ぐ、ぐっ、と軽く腕を伸ばしたり曲げたり、体を解すも。
「………あ」
と、不意に言葉を発し、ゴブリン達の背後を示すように、指を差すのだ。
ゴブリンに言葉が通じる、と言うものでもない。
だが、その動作に対し、何ら反応を見せない…と言うものでもなく。
何匹かが、それに釣られるように、背後に視線を向ける。
こちらに注意を向けたままなのは、先頭にいた一匹だ。
少女が動きを見せたのは、その直後。
たんっ、と地を蹴り、こちらに注意を向けたままのゴブリンに放つのは、足刀。
その踏み込みは、そんなゴブリンさえ反応し切れぬもので。
声を出す間もなく、後ろに吹っ飛び、背後に注意を逸らされたゴブリン達へとぶち当たる。
「お、上手い事いったかな?
それじゃま、まったねー♪」
スカートなのに足刀、誰かが居れば見えるものが見えてしまうが、大した気にもしておらず。
しゅたっ、と手を上げそう言えば、混乱するゴブリン達を後にして、背後に向かいダッシュする。
まぁ、さすがに見逃してくれはしないのだが。
差の付いた状態での追いかけっこだ、分はこちらにあり、である。
■イノ > 木々の隙間を縫うように、するりするりと抜けて行く。
駆ける先は、より森林の密集した地帯で。
少しずつ、広がっていた差は、一気に大きく。
そう経たずして、完全にゴブリン達は見えなくなった。
「まったく、相手するのは楽だけど…
さすがに、それはそれで、あれだよね」
一旦足を止め、耳を澄ませる。
声も、足音も、完全に引き離したみたいで、聞き取れない。
それを確かめれば、はふー、と大きく吐息を吐き。
「よし、それじゃ、再開するかなぁ」
気を取り直し、当初の目的へと意識を戻し。
そのまま、探し物を求め、更なる森林の奥へと歩いて行くのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からイノさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にドラゴン・ジーンさんが現れました。
■ドラゴン・ジーン > 夜更けの自然地帯、鬱蒼と生い茂る森の中、比較的に拓けてこそいるが尚も周囲に草叢が渡っているのが窺える。天をもつかん太古の大樹の群生が差し伸べる枝葉によって月光も遮蔽された暗闇を寝床にして、そこに蹲っている影が存在する。即ちは一体の怪物が。
しかしながらに個体という意味でこそ言えば一体と数えられるがそればかりではない、何故ならばそこには数多くの恵まれた子供達が長い胴体に取り巻かれるようにしてちょろちょろと徘徊しているのが散見されるからだ。
どれもが粘液質の母体に比較すれば余り似ているとは言い難い外観なのは、その多くが摂取した森の動物達の遺伝子を基礎としているからに他ならない。子供達という枠内で考えるだけでも個々は千差万別を織り成しており、同じ胎から生まれたとは思えないバリエーションを成していた。唯一つの共通点と言うならば、誕生時期自体には殆ど差異も無い為に、その多くはまだ産まれたばかりの未熟な幼児ばかりであるという事だ。
■ドラゴン・ジーン > 文字通りの畜生腹に多胎を呑み込み、子宝に恵まれたが出産してそれで御終いという訳ではない。遺伝子の摂取対象に産ませた子供も含めてその大半は打ち殺されでもされていない限りは帰巣本能に基づいて己の元にへと舞い戻って来る。それら全てを等しく迎え入れてはこうして世話を焼き、子育てに勤しんでいるという訳になる。
竜顎から食み出る舌の腹で丁寧に舐めて毛づくろいをし、腹を空かせているならば狩猟に出かけ地べたを掘って蟲を取り出し、あるいは野に駆ける別の獣達を歯牙にかけ、溢れ返る草花や果実を毟っては見掛けも豊かならば食性も多種多様の子供らに分け与える。
今は寒々しい冬の時期である為に寒波に未熟児が凍え死んでしまわぬように辺りから搔き集めた枯れ葉や水鳥の羽、原始的に歯で噛んで柔らかくし、分泌液でなめした獣の毛皮などを寝床にして寝かせ、不凍である我が身に蓄える熱で温め体温を維持させ。
もしも好奇心溢れた子供が巣から這い出してしまう事あらば慌ててその後を追い掛け首ねっこを噛み捕まえて巣の中にへと連れ戻す。生育は普通の他の獣達に比較すれば飛び抜けた速さであるが、環境に適応する前の期間の間はやはり気が抜けない。三大本能の内睡眠の欲求が無い事は幸いこそしているが、母乳に似た甘露を産生して分け与える母体は微かにやつれるように細っている。
「………」
暗闇の中の索敵に薄っすらと輝きを湛えた触角が三本ばかり弧を描くように睨め回した。現状においては閑静なる森の木々に囲まれた中に危険らしき気配は窺えない。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエキドナさんが現れました。
■エキドナ > 「おもしろもの見ーつけたっ」
それは唐突に聞こえたであろう人の雌の声。
子育てをしている生き物であればそれなりの警戒心を持っているであろう状況の中でその気配はあまりにも唐突にしてはっきりと感じられるであろう魔の気配。
敵意や殺意は発せられず、しかしその声色は至って平静であり、妖艶な気配すら漂わせていて、普通であればそんな異質など最大に警戒されておかしくはないだろう。
その女は竜の姿を持った生き物とそれとは似ても似つかぬ子供たちの前に堂々と現れ近づいていき、とても興味深そうに、そして愉しそうに舌なめずりをして見つめていた。
こんな僻地に現れるにしてはあまりにも軽装で大胆な着衣と、警戒心0でありながら漂わせる雰囲気は人のそれとは大きく異なるもの。
普通の生き物であればそんな人物が現れれば明確に牙を剥けて警戒を露わにするところだが。
そんな女は自らの店にて飼える&エッチなオモシロ生物を自ら探しにお出かけしているだけで、あわよくば強めの生き物とか蛮族とかにアレコレされたりするのを妄想する欲望垂れ流しの淫乱女でしかないのだ!
■ドラゴン・ジーン > 「ウル……?」
聞こえ及んだ発声が先ず知覚された。その次に拾い上げたのは何者の『気配』、忽ちに薄っすらと孕んでいた緊張はより鮮明に輪郭を結び。いずれ何時か竜に近づく才を秘めているかも知れない幼体達を護るかのようにその場にへと緩慢と立ち上がる。ぎょろりと蠢く触角はその感知した気配の方向性を探り、その姿を現した方角にへと振り向きながら。
「グルル…!」
警戒の唸り声をあげてゆったりとその黒い粘液質の顎を開いてうっそりと牙を剥いた。認識する眼差しがひたりと相手の姿を見据える。その際において触角の色味が真紅に輝き始め、発動するのは以前に採取した遺伝子から拾い上げた『鑑定の魔眼』だ。
見た目だけでは到底に推し量れない相手の真の実力や敵意の観察の為に閃くそれは相手の本質を探り出す。もしも圧倒的な力の差異があるならば、直ぐにでもこの場を離脱しなければならないからだ。
じりじりと余りにも無防備な相手の歩みに対してこちら側は若干において間合いをはかりながら慎重に当たるような振る舞い。
■エキドナ > 「あはっ、大丈夫、取って食べたりしないよ」
思いのほか知性は高いようだ、しかし人語を解するほどではなさそうに思える。
一応は魔族の端くれ…どころではないので相手がこちらを『鑑定』しようとしていることくらいすぐわかって。
おそらく単純な戦闘能力で言えばその力量は図るまでもなく、女が明確な敵意を向けた瞬間その生き物は全てを諦めるかもしれない。
でもそんなことこんな母性あふれる親子たちの前じゃとても可哀そうでできないので、鑑定される前に自らにデバフを掛けまくって、それこと町娘に毛が生えた程度の能力に落としているのだ。
逆になんでそんなステータスのやつがこんなとこにいるんだって話にはなりそうだけど。
それにしても、魔法生物?あるいは人工生物か、王国にはマッドな賢者が多くいる故に、こうして野に放たれる出自不明の生き物が時折見つけられるから面白い。
それにそういう生き物はその殆どが性的な能力が高かったりするのだから。
女はピタリと足を止めてただじっと、愉しそうに竜をそしてその子らを眺めるのみ。