2022/12/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 夜の帳が落ちて、獣や梟の啼き声が静かに響く森の中。
ロープを張り巡らせて、鳴子の罠も仕掛けた先に焚き火を囲む男女の姿がある。
片方の男は中年の域に達した熟練の冒険者であり、もう片方の女は彼よりも若い事だろう。
冒険者ギルドからの依頼を共に受けて、即席のパーティを組んでいる間柄である。

「運良く比較的新しい足跡も発見できた事だし、明日には連中の塒を突き止めることができそうだな」

彼らが引き受けた依頼は、冬支度の為なのか、近隣の村落や街道の馬車を襲い始めたゴブリンの退治。
昼間の内に依頼主の村長の話を聞き、周辺の森林内を捜索した結果、手掛かりに行き当たり順調な滑り出しであるとも言えた。
そもそも、ゴブリンどころか、より困難な偉業も過去に達成してきたベテラン冒険者にしてみれば、役不足の依頼である。
本来ならば駈け出しから精々中堅向けの依頼を、パーティを組んでまで引き受けたのには相応の魂胆がある。

一つは、生活に密着した依頼は枚挙に暇がなく、手隙きや金欠のタイミングでも受けられる事。要は手軽な小遣い稼ぎである。
そして、もう一つは、今回、共に依頼を受けた冒険者が女であるという下心ありな理由である。
特に最近は彼も臨時講師を勤める学院のお陰で、若手の女性冒険者の類も増えてきており、
度々、彼女達に狙いを定めては好からぬ行為に及ぼうとする不逞の輩も現われていた。

そして、他ならぬ彼自身、――――何を隠そう、その手の輩なのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。