2022/11/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > メグメールの森の中、人の住まう所ではなく、魔獣が、獣が、賊が闊歩するような場所。
 安全、とは言い難いその場所に、竜胆はやってきた。
 家の中からほとんど出ない性分とは言え、全く出ない、というわけでは無いし、魔導士として、必要な素材などが足りなくなる時もある。
 普段は、冒険者を雇い、彼等にとって来させてはいるが、今回は、自分が出る必要があった。
 面倒くさいわね、と思いつつも、冒険者を護衛に雇い、森の中にやってくる。

 近くまでは、トゥルネソルの馬車で輸送してもらい、其処から、森の中に入り暫しの行軍。
 獣などは、出てこない、魔獣も、あまり出てこない。
 理由は簡単で―――、竜胆がいるから、だ。
 竜胆は、人竜であり、人間であり、竜だ、並の魔獣、獣は、命の危険を覚えて近寄らない。
 そう言う意味では、冒険者の護衛は必要が無かろうにも思えるが―――問題は賊。
 賊の大半は、獣の様な真っ当な本能を持っていない、実力差があろうとも関係なくヒャッハーと襲ってくるものだ。
 無論、その程度の存在など、竜胆は片手でひねる事が出来るが、荷物はそうもいかない。

 得意の広範囲殲滅魔法など使おうものなら、素材が駄目になる。
 単体の魔法を使ったら、数を頼まれれば、危うくなってくる。
 なので、お金を支払い、護衛を雇い、この場所にやってきていた。

 数日の旅程になるので、護衛には食料やコテージなどの夜営道具を持たせて、設営に行ってもらっている。
 その間、準備ができるまでは、竜胆は森の切り株に腰を下ろし、懐から扇子を取り出して、優雅に己仰ぐ。

 森の中の散策は嫌いではないから、竜の尾は、上機嫌にゆらりと揺れていた。

竜胆 > 「必要な、素材は、と。」

 懐からメモを取り出し、中身を確認する、どれもこれも、普通の人間が触れると大変なものだ。
 だからこそ、竜の鱗を持ち、人間よりも強靭な自分が出張るしかなかった。
 後は、先に言った盗まれる可能性。
 普通に手に触れることが出来ないものだからこそ、貴重品であり、高額になる。
 折角手に入れた物を盗まれてしまうのは、腹立たしい事この上なくなるのだ。
 一寸軽くこの森ごと、盗賊を滅ッ☆してしまいそうにもなるので、護衛を雇ったのだ。

「そろそろ戻ってくるかしらね。」

 護衛達が夜営場所の設営をしている間、メモを見ていたが飽きた。
 周囲の安全は確保できているから、とりあえずは―――、戻ってくるのを待つのみ。
 さて、何時頃戻ってくるのかしら、と軽く欠伸を零しつつ、待つことにする。
 そして、退屈を覚えているので、魔導書を取り出し、それに目を通す。
 魔術の徒だ、勉強は何時してもし足りないものだし。

竜胆 > 魔導書を捲る、その中に書いてあるのは、単純に魔法、ではなくて、魔導の理論だ。
 魔導書というのは面白い、理論だからこそ、それを自分の中に如何に吸収するかで、習得できる魔法が変わる。
 更に言うなれば、同じ魔法を覚えようとしても、理論の捉え方などによって、変わってくるのだ。
 同じ魔法だとして、使い手ごとに違う威力、規模、射程と言う事になる。
 持て余すことなく十全に使えるようになるには、一体どのような習得が必要なのか。
 くつ、くつ、と喉の奥で笑いながら、竜胆は視線を書物に向けている。
 そんな事をしていても、周囲の警戒はしているし、誰かが来るならばすぐにわかる。

 魔導書の頁を更に捲る。
 周囲の気温が下がってきているようだ、小さく目を向ける。
 そう言えば、秋だったか、竜胆自身に季節などは関係がないので、興味も薄かったが。
 そろそろ、気温をあげる必要あるのね、と呟いて。
 竜としての異能で周囲の気温に干渉し、気温を暖かくしていく。
 熱くもなく、寒くもなく、丁度いい気温に直してから、再度視線を書物に戻す。
 拠点が出来てからではないと、収穫したものが仕舞えないので、動くに動けない。
 数日掛けでの行程だが―――モドカシイ。

竜胆 > 暫しの時間が過ぎた。
 草が揺れる音に視線を上げれば、護衛の冒険者達が戻ってきた。
 拠点の設営が出来たそうだ。
 時間は今の所遅くなっても来てるし、今日は食事を摂って休む方がいいだろう。
 夜の夜中の活動に関して、竜胆は問題はないが、冒険者達は夜の目が見えぬ。
 魔法で何とかすることもできるが……疲労や眠気も出てくるものだ。
 なら、また明日、で良いと判断する。

「とりあえず、保存庫に入って居る物を調理してくださいな。」

 保存食という物ではない、トゥルネソルの財力は並ではないのだ。
 設営に保存庫を使い、新鮮な食料、大量の調味料もあり、其れこそ、自宅でフルコースが作れるレベル。……料理する人にスキルがあればの話だが。
 それは兎も角、沢山の食べ物を料理し、酒を軽く振る舞い。
 明日以降の英気を養ってもらう事にする。

 竜胆自身は、別の部屋で一人、休息をとるのだった―――

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」から竜胆さんが去りました。