2022/10/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にダークネスさんが現れました。
ダークネス > 月が綺麗な夜はお腹が空いてくる。
肉を食べても果実を食べても空いてくる。
時折訪れる急激な飢餓感、吸血衝動。
そんな時は人気の無い場所で収まるまで、或いはそこらの動物の血で衝動を抑えこむために、今宵は自然地帯の森林を一人歩いている。

(……ああ、月が綺麗だ……。)

夜空を見上げる、黒い眼……いや深く紅い瞳で月を眺める。
それだけなのに、そう月を見上げているだけなのに、全身から溢れる魔力が血を求める衝動が、滲み、溢れ、小動物どころか虫すらも辺りより追い払ってしまう。

夜行性の獣も虫も鳴かぬ静寂に支配された闇の中。
足音すらなく、紅い輝きだけが闇に浮かんで、時折消えて、まるで鬼火が如く、森を漂う。

性格には吸血鬼の力が魔力が抑えられない分、瞳が否応にも輝きを宿し、瞬きをした刹那以外は輝き耐えず、森の中を歩けば歩くだけで、木々の隙間を縫うように鬼火が揺れる怪しげな光景の出来上がり。

「………お腹空いたなァー………。」

足元見ずとも躓かぬ、前を見ずとも木にぶつからず、全てはにじみ出た魔力が手に取るように教えてくれる、だから気にせず森をさ迷い歩く、空腹を愚痴りながら、時折生唾を飲みながら、臭いを求め獲物を求め、血を求め……。

ダークネス > 紅い鬼火が上下に揺れる、ふわり、ふわりと。
急にふわっと浮かび上がっては、またふわり、ふわり。
足元で大きく張った根を踏み越えただけであるが、闇夜に紅くぼんやりと光る何かが動けば、確かに傍目から見ればそう見えようか。

「……お腹空いた。お腹空いた……でも何も匂いがしない。」

言葉が酷く単調に抑揚的な声色になってる自覚すらあるが、それは自ら吸血衝動を抑え込もうとしているから、と自覚はある。

この際狼でも熊でも構わないと、そう思ってもあふれ出る魔力と殺気の所為で、それらが逃げ隠れしている事もわかっている、だけど止められない。

視線を月が綺麗な夜空から、地面へと落とす。
足元に何かおちていないか、視線を水平に戻せば木々の隙間に何か、枝に鳥でもいないか、と視線をあちらこちらへと。
その度に紅い輝きがふわりふわりと揺れるのだ。

ダークネス > 森に血の香りは広がることは無かった。
ただアンデッドが彷徨うような声と、紅い鬼火だけがただゆらゆらと森を漂うのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からダークネスさんが去りました。