2022/10/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯「森」」にゲネロムさんが現れました。
ゲネロム > 夜空には星、冷たく輝く月、それに僅かに雲。
そんなありふれた夜の自然地帯の比較的街道に近い森。
木々が倒れ、草が踏み荒らされ、自然とサークル状の空き地となっている場所で灰色い体毛をもったゲネロムが1匹何かをしている。

パチパチと燃えて朽ちてはぜる音。
涼しげな夜を暖める橙色の炎。
其処から漂う不思議な香りと酒の香り――…そして肉が焼ける匂い。

「…………………………………。」

背もたれに調度良い角度で倒れた大木を背に、時折思い出したかのように枯れ枝を焚き火に投げ込み、火加減を調節しながら酒盛りをしている。

肉は交易所で人間と交換した高いスパイスがふんだんに効いた半生の肉塊、それを焚き火間近の岩にのせて焼きながら、同様に人間と交換した陶器の酒瓶も焚き火近くにおいて中身を温める。

何故こんなことをしているかと言うと、オマエ雌の一人くらい連れてこいよオスだろ?と兄弟に集落から蹴りだされたからだった。

つまりはふて酒盛り。
一人で人間の集落を襲うことも難しいし、かといってこんな時間に街道を見張ったところで獲物になりそうな人間はおろか冒険者だって歩いていないだろうと判断。

そんな状況で考えたのが酒盛り。
肉の焼けるいい香りと共に――…無臭の誘引香を。
魔力があるものであれば無条件で惹かれて怪しげな香りのする香を燃やして待ち伏せる事にしたのだ。

効果があるか否かは、まったくわからない。
これは人間にオマケだと押し付けられたものだから。

ゲネロム > 焚き火にあぶられて程よく肉は焼けていく。
焚き火に温められて陶器の酒瓶は温まり、手を伸ばして少し熱いのを我慢しながら口で蓋を外せば、温まった分だけ芳醇な酒の香りと酒に混じって入れてあるハーブの香りが辺りに広がる。

それをまず一口。
傾けて喉に流し込む、ゴクと音を立て美味そうに飲み込めば、口元を腕でぬぐい、ぷはぁ……と一息。

次によく焼けている肉を爪の先でつまんで、焚き火から遠ざけると、自分の脇に置いてある皿代わりの大きな葉の上にのせて、猫舌なのでしばし冷ますことにする。

誰か引っかかればよし、引っかからなくても酒でも飲んで寝転がって一晩過ごせば、集落の兄弟も落ち着いてるだろうと楽観し……。

気がつけば冷めた肉を喰らい、酒を飲んで、酒瓶を抱いて眠っていたのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯「森」」からゲネロムさんが去りました。