2022/09/03 のログ
■ティネ > ふよふよ……
夜風に漂うようにして、淡く光を放つものが近づいてくる。
数メートル上の上空を浮かんでいたが、やがて焚き火を見つけたらしく、
ゆっくりと降下してきて……
それは少年の近くにぽとんと着地する。
翅がうっすらと光る、見覚えのあるかもしれない小さな妖精の少女だった。
目が合えば、にかっと笑うだろう。
「こんばんは。火、借りま~す。
なんか、川の近くをうろうろしてたら急にどっかから水が飛んできてさ~」
濡れちゃったから乾かしたいんだよね~、と。
よく見ると全身ずぶ濡れになっている身体を、起こされた火のホストの許可を待たずに乾かし始めた……
■クチナシ > 人の気配であればすぐに気付いただろうが、そうではない。
妖精のような体格を持った少女には、流石にすぐには気づけず――ふわり、と彼女が降りてきたところでようやく気付いた。
「……ん。あぁ、ティネか。
あー……すまんな。それは自分だ。何せ、誰も居ないと思っていた。」
そう。誰かがいれば水飛ばし。なんてことはしなかったが――相手が相手だ。
普通なら少し濡れる。程度のものでも、その体格的に大雨に匹敵する状態になってしまうだろう。
暖を取り始めた相手を無下にするつもりはない。
火元に尻尾を近付け、やんわりと乾かしつつ――。
「温まってくと良いよ。
この炎は呪符で生み出したものだから、簡単には消えぬし――何なら朝まで燃え盛る。
暖を取るには適しているからな。」
■ティネ > 「こんな美少女に気づかないだなんて、クチナシ先生もお人が悪い~
乾かしてもらった程度で許してもらえるなんて思うなよ~!」
などと口先では詰ってみるが、表情を見るに本気で腹を立てている様子はない。
許可を得ればそのまま、少年の傍で温まり行為を続行するだろう。
「てゆかこんな夜中に何してたの? 遊んでた?
ボクは夜の川にしか現れない幻の魚のウワサを追ってました。
頭が三つあって、赤く光るすごい怪物なんだって」
そんな魚は多分実在しない。
小さな体だから濡れた面積も小さく、その分乾くのもすぐだ。
火にかざされて乾かされているしっぽに触りに行ったり、
火に照らされる少年の半裸姿を足元から見上げたりしている。
■クチナシ > 「美少女。と言ってほしいのなら、もう少しタッパを増やすと良い。自分からすると……ふむ。まぁ、可愛いとは思うがそういったものとは別故な。
――ならば、菓子のひとつでも食べるか?」
確かに顔立ちは整っている。しかし、美少女。というよりは「かわいい妖精」ぐらいのカテゴリに収まっている彼女。
彼女の言葉に苦笑を浮かべつつ、取り出すのは――保存食であるクッキーだ。
適度に腹が膨れ、絡めた砂糖のおかげで糖分も補給できる。袋の中に入っているものを差し出せば――。
「ん?
ああ……さっきまでダンジョンに潜っていてな。気付いたらこの時間だ。
で、身体が汚れたので、少し清めてたのだよ。……それは、魔物の類ではないか?
少なくとも、普通に魚が泳ぐこの川で……それは見かけないと思うが。」
きっと、種別:ジェノサイドキングサーモンとかそういった類の魔物に違いない。頭がみっつある時点で、なにかがおかしいのだ。
ふわり、と手を揺らせば、其処に取り出すのは小さなブラシ。それを毛並みにそってゆっくりと透かしていく。
そうすれば、見上げる彼女には光沢のある黒紫の尻尾が、ふわふわになっていくのが見えるに違いなく――。
■ティネ > 「あによ~! こっちからするとそっちが大きすぎるんだからねっ。
そっちが小さくなればいいんじゃないですか~!?」
ぷんぷんと頬をふくらませる。
「わ~~~いっ」
かと思えば差し出されたクッキーを、両手で抱えてポリポリと美味しそうにかじりついている。
その様子はたしかに美少女と言うよりは小鼠かもしれない。
「見なかった~? やっぱガセかあ。
その潜ってたダンジョンの方がまだいるかもね、冷静に考えてみたら……
怪我とかはしてない? 大丈夫?」
ふわふわになっていくしっぽを見ると、おお~!と感嘆の声を上げる。
「すご~ 触っていい!?」
食べかけのクッキーを置いて、その中に全身で飛び込んでしっぽを堪能しようとするだろう……
■クチナシ > 「むしろお主より小さいのはそう見かけんだろう。
――無理を言うな。これでも割と無理をしているんでな。これ以上小さくはならん。
――いや、ちょろいな。大丈夫か? 色々と不安になるぞ。」
怒ったかと思えば、即座に甘いものに釣られる。あったかい炎に近寄る夏の虫のように。
仕方がない。と思いつつもそれは彼女にプレゼント。自分はそもそも迷宮の中で軽食を取った故、其処までお腹は減っていない。
「全部食べて良いぞー……。
……そもそも、だ。そんなのがいればもっと話題になって、ティネ以外の冒険者たちも来ているだろうさ。
レアモノには労力を惜しまない。それが冒険者故、な。
……ん?
ああ、怪我はない。そもそも自分は治癒の術式も使えるし、な。」
その言葉通り、その身体には怪我はない。あったと言えば血糊や汚れ。暗いダンジョンの中にいたことでこびりついたもののみだ。
「――いや、返事を聞く前に飛び込もうとするんじゃあない。
……まぁ、いいぞ。前みたいにいたずらしなければな。
した時はこのまま身を捩り、お主の身体を川の方にぶっ飛ばす故な。」
――割と前回の事を根に持っているのかも知れず。
それはそれとして、飛び込むことは了承。
■ティネ > 「妖精ぐらししてるとなかなかこういう甘いものにはありつけないんだよね~」
ポリポリポリポリ。クッキーを貪る姿は実に幸せそうだ。
飛び込むことが許されれば、それはもう全身を使って遠慮なくふかふかを堪能し、
すーすーと匂いを嗅いだりする。
「えへへ……っていたずらの代償高くない?
川に落ちたら下手したら死ぬよぉ~
いたずらにはせめていたずら返しぐらいで勘弁してくれない?」
しっぽを伝うようにして、じりじりと少年の脚の付け根……陰部付近へと近づき始める。
どのあたりからいたずらとみなされるのかを測っているのかもしれない。
■クチナシ > 「ん、そうなのか?
……むしろお主ならこう、餌付けの一つや二つ。もしくは、そうさな……商店街を飛んでいれば差し入れの一つでももらえるのではないか?」
いい意味で社交的な彼女だ。そういったところで人々と仲良くしている姿を想像する。
実際、今の自分のように彼女にそういった差し入れをする人は少なからずいるのではないか?――そう思いつつ。
その食べている様子を眺めている。その横で、水筒を取り出し、中に入れていた水を一口。
「そうか?
因果応報という言葉もある。――まぁ、自分がするのはともかく、他人にされるとこう。したくならないか?反撃。」
――ここで、意地悪く笑う。
その様子は、何処か古風な雰囲気を混じらせる口調とは違い、外見通りの子供っぽさを宿したかも知れず。
「――ま、その時は助けるさ。
そもそも、此処まで小さいといたずらした時にぷつんと潰しそうで怖いのだよ。
……こら。言ってるそばからやろうとするな。埋まるぞ?」
――その瞬間、彼女が撫でている尻尾とは別の尻尾が、ふわりと蛇のようにうねり、怒涛の勢いで彼女の体を埋め尽くさんと殺到する。もふもふわしゃわしゃ。
■ティネ > 「普通の人には、なんか気づかれにくいんだよねボク~。
妖精だからかな?」
首かしげる。
もちろんボクに気づいた優しい人にはたかってるけどね! と胸を張った。
「潰されるより溺れる危険のほうがボクにとって深刻なんですけど~?
まあそんな簡単に潰れたり溺れたりもしませんけど。頑丈だから。
ってあああ~~♡」
殺到するしっぽに包まれくすぐられ、甲高い変な悲鳴を上げた。
窒息しかけて、なんとか端っこから頭を出す。
わしゃわしゃされた勢いで変なところに当たったのか、
顔は火照ってるし、着衣が乱れている。
このまま外に出たらあられもない姿になってしまいそう。
「ひぃ、ひいっ……参りましたってば……」
涙目で見上げる。
「クチナシがえっちな格好でいるのが悪いんだよ~?
ボクじゃなくたっていたずらしちゃうよ……もう……」
■クチナシ > 「……かもしれんな。
ただでさえ、小さいのもあるが。魔力を持たない一般人だったら、尚の事気づきにくい。……まぁ、冒険者ならば、感覚で気付いたりもするが、そううまくはいかぬ、か。」
こちらも、腕を組み、少し考える素振り。考えてみれば、そもそも彼女に気づくのは……。
そう。自分に関しては、目の前にぽとんと落ちてくる時だ。其れまでは気づかない。
――案外、彼女にはそういう特性があるのか?と、推理するが。結局のところ答えは出ない。
「いや、潰される方がまずいだろう。仮にも友人の轢死体など、見たくはないぞ?
……――まぁ、それならいい。とりあえず、いたずらはやめておけ?」
しゅる、しゅる。まるで触手のようにうごめく黒紫の尻尾。
まるで触手のように。はたまた蛇のように。熱源によってふわふわを取り戻したそれらは、彼女の顔だけじゃなく脇の裏側。お腹。様々な場所を擽っていく――。
結果的に、まるで自分が悪戯を返したような状況になったが……。
「――よし、宜しい。
……いや、えっちか? そういうのは女子に言う言葉だろう。
それに、ほれ。もう乾いてきてるしな?」
――彼女の言葉は、余り理解できなかった。そもそも、自分の格好にそういう感情を持つならば、一張羅の羽織とサラシのみ。なんて格好はしていない。
言葉通り、体を広げれば、既に乾き、ラインが目立たなくなったサラシに巻かれた身体が。
「まぁ、参ったというならいいんだ。
……そろそろ、自分は眠るが。……此処で少し眠って行くか?」
――そして、体が温まったことでやってくる、眠気。尻尾の1本をしゅるりと後頭部に寄せ、枕にするようにして、――寝転がり。
残りの尻尾を掛け布団のようにしつつ、問いかける。
■ティネ > 「んっ。んわ~~~~っ
ひう~~~~~っ
だ、だめっ、だめだからっ
ふえ~~~~~~~っ♡」
毛の群れが執拗に小さな妖精の身体をなぞり、責め立てる。
声がだんだん人前で聞かせてはいけない感じのものになっていき、最後にはしっぽの中で小さく震えてがくりと力を抜いてしまった。
「ふああ……乾いたけど濡れちゃったんですけど……」
文句を垂れる。ぽ~っとした顔。
「ん。おやすみのちゅーして。じゃないと寝られない」
しっぽの一本にくっついたまま、頭を上げてわがままを言う。
■クチナシ > 「―――ん、大丈夫か?」
今までこんな小柄な少女を相手にしたことがないからか、加減というものが分かっていなかった様子。
尻尾の中でがっくりとした様子の相手を見れば、小首をかしげるが――。わがままが飛んでくれば大丈夫か。と思うことにする。
「――まぁ、濡れたのなら尻尾の中で暖まればいいさ。
……幼子を寝かすのは慣れていないのだがなぁ。
……おやすみ、ティネ。」
ぐったり。としてしまったのは自分の責任。――なら、まぁ。
少しぐらいは甘やかしてもいいだろう。そう思えば、顔を彼女の元に寄せ、――ひっついたままのその額に、ちゅ……と、小さな音とともに口付けを落とした。
そのまま、此方も寝ぼけ眼になりながら、目を細め――笑みを浮かべ、ゆっくりと眠りの世界に誘われることと、なり。
■ティネ > 「大丈夫か、じゃないよも~~~~……」
今のちょっと、クセになっちゃうかも。
しでかしたことをわかってなさそうな相手に唇を尖らせている……
と自分にとっては大きな顔が近づいてきて、額を唇が覆うように触れて、すぐに離れていく。
「…………次は大人のキスがいいな……」
何かたわけたことを言いながらも、大人しくなって、
しっぽに潜り込んだまま目をつむる。
そうして揃って寝息を立てることになるだろう……
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からクチナシさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティネさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にルイーザさんが現れました。
■ルイーザ > 自然地帯に広がる森林地帯。
蒼々と茂る木々は日の光を遮り薄暗い所もある森の中。
そんな場所で受けた依頼、薬草を採取るする為に茂みを掻き分け、獣道を歩いては探して歩く。
「おかしいな…前はこの辺りに生えてたんだけど。
誰かが採りきったのかな」
採取する薬草はどんな店でも買えるような物。
しかも森の奥に入らずとも採取出来てお手軽な依頼なのだが今回は以前に採取した場所は全滅、
しかも数か所がそうなので先客が採取し尽くしたのかもしれないと考え。
まだ必要量が集まっていない、それを採取するにはと考え、
「奥に行くしかないよね。一人だとあまり行きたくないけど仕方ないか」
奥に行けばまだ生えているだろう、しかし危険もあるので渋りはするが。
採取できなければ依頼は失敗、それは困るので周囲に気を配りながら森の奥へと足を向けていく。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にマグゴブリンさんが現れました。
■マグゴブリン > 樹々が生い茂る喜びヶ原の森林地帯の奥。
冒険者の少女と同様に獲物を狙う小鬼達の群れがある。
迷彩柄の如く、森林に溶け込むような肌色の彼等の目的は、
彼女が狙う薬草やら兎や鳩の鳥類ではなく、魔物の蔓延る地に足を踏み入れた憐れな仔羊。
少女よりも小柄な彼等は臆病さを隠す事もせず、狡猾に一体の獲物を執拗に追い掛ける。
やがて、少女がやや開けた、されども、足許には樹々の根が蔓延り、足場が悪い場所に差し掛かれば、
その正面の藪がガサガサと揺れ動き、一体のゴブリンが突如として姿を現わす事だろう。
「――――キシャァッ!」
目立つように声をあげながら藪から飛び出してきたゴブリンは、しかしながら、ただの囮に過ぎない。
同時に彼女から左右の背後から二体のゴブリンが忍び足にて近付けば、
少女の身体を転ばして地面に押し倒してしまおうと突進を仕掛けてくる。
■ルイーザ > 普段は一人で足を踏み入れないエリアにまで警戒は蜜となり。
少しの音や気配にもできるだけ気を配って歩く。
それでも目当ては薬草なのでどうしても視線は地面、木の根元などに向けられていて。
「やっぱりこの辺りまで来れば生えてるね。
採取すれば十分な量だけどその前に……」
暫く進んだ先、足場はよくないがやや開けた場所に目的の薬草を発見。
あれを採取すれば依頼は終わり、そう考えては剣を抜き。
いつの間にか消えていた鳥の鳴き声に何かいると感じ取って。
「悪いね。それは目立ち過ぎだいよ」
目立つ声をあげて飛び出すゴブリンに目を向ければ間合いに入り次第なぎ払い。
「……!知恵は回るんだね!」
囮から間合いを取るようにし一瞬視線を巡らせれば突撃してくる一体に気が付き、そちらにも気が付き更に剣を振るい。
ただ、突撃が2体とはきがついていなく、もう一体の突撃は避けれず倒れそうになるのを何とか踏みとどまって。
■マグゴブリン > 不意打ちであったとしても、所詮、ゴブリンはゴブリンである。
更には相手が警戒していたと言うならば、尚の事、囮役の一体目は
一薙ぎにて腰を断ち切られて、地面に転がる事になるだろう。
そして、死の運命は同様に二体目の突進を行なったゴブリンにも訪れる事になる。
正々堂々、正面から対峙したならば初級冒険者でも十分に対処できる存在。
それ故にゴブリン達は常に獲物よりも多人数にて取り囲んで数の有利を確保して、
更には不意打ちや罠を用いて、狡猾に策を練るのである。
「キキッ、キッ!」
二体の仲間達が一刀の下に斬り伏せられても、憐憫も哀悼も持ち合わせぬゴブリンは、
ただただ己の目的を果たす為だけの行動を最優先する。
運良く少女の身体に飛び付いた最後の一体は腰蓑からナイフを引き抜けば、
転ばぬように踏ん張る少女の足に向けて刃を突き立てようとする。
その刃には麻痺毒が塗られており、浅くでも皮膚を切り裂かれたならば、四肢の自由が奪われる代物で。
■ルイーザ > 不意を打たれたとはいえゴブリンに負けるほど弱くはない。
最初に飛び出した一体を斬り捨て地面に伏すのを確認する事なく二体目に剣を振るう。
「ゴブリンに負けるほど僕は弱くはないよ」
数が多ければ分らないが少数ならば負ける理由はない。
二体目も斬り捨てたのはよかったが死角の三体目に飛びつかれ。
近すぎ剣が振れないとなれば武器の形状を短剣にと変え、逆手に持ち替え振りかぶるが。
「っ……やったね!…え…?」
三体目に短剣を突き立てる前、ゴブリンのナイフが先に足にと突き立てらて。
深くは刺さりはしなかったがそれでも傷が付けられた痛みに顔が歪み。
お返しと短剣を振り下ろすが突然の痺れにゴブリンに突き立てる前に手から落としてしまい。
踏ん張る事も出来ずに地面に倒れてしまい、何が起きたのか分らないと驚きと混乱をしてしまう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からルイーザさんが去りました。