2022/08/28 のログ
■ギニオル > で、だ……自分でなめし皮のズボンのポケットの辺りを手探りしたのだが、火種になりそうな物も松明のようなものもなく、何時もの食料兼財布代わりの皮袋しか見つからず、じゃあそこ等の枝でも拾って火をつけるしかなく……止めた足を進め、足元を注意深く観察しながら適度に燃やせるものを見つけようと歩く。
「……火事、に、なるのは、まずい、……。」
ボソとかモソという感じで口から吐きだした言葉は重く、加減が苦手な自分の事が加減を誤れば、高熱のブレスは辺りに容易く着火して火事に…と想像するくらいはできる。
ので結局のところそれに踏み切れず、手探りの先にある皮袋から今宵何本目かわからない銅棒を取り出すと、口慰めに咥えて噛んで咀嚼を始めた。
ガリとかボリとか凡そ自然地帯に似つかわしくない音が静かに木霊することとなる。
■ギニオル > ――…そろそろか。
結局焚火、かどうかはまた別として火を点すに至る前に、空腹と体感的な感覚で王都に戻れば丁度いい時間であると、判断すると、適当に拾い上げた木の枝を剣や杖の代わりに振り回しながら、来た道を引き返す。
獣道であるが、一度歩いた道を忘れる事はなく以外にもすんなりとトラブルに合う事無く帰路につくのであった。
その道すがら何度欠伸を噛み締めたことか…
退屈の苛立ちをぶつけるように口にした銅棒を咀嚼し続ければ、気がつけば財布の中の銅棒もなくなって、それでも足りないと硬貨すら食べつくし無一文になったのはいう間でもなく……。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からギニオルさんが去りました。