2022/06/04 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にミルフィリアさんが現れました。
■ミルフィリア > 王都からさほど離れていない森
離れていないとは言っても、森の中には道らしい道はなく、あるのは獣道くらいのもの。
下草が少ないそこを掻き分けるようにして進んでいくのは三角帽子を被った小柄な少女だった。
「ここの森は、鬱蒼としてるなぁ……」
故郷の森はもう少し開けていて歩きやすかった。
場所が違えば、植生はもちろん、そこに営む生き物たちも変わるもので。
時折見かける獣の足跡なども確認しながら、がさごそと森の奥へと進んでいく。
ハンターにでも出くわせば、獲物に勘違いされてしまいそうだけれど。
見る限りではあまり人が立ち入っている風でもないので大丈夫だろうと高を括っていると――
「えっ!? きゃぁーーーっ!?」
足に何かが巻き付いた。そう思った時には、視界が急転して、180度景色がひっくり返る。
罠なのか、魔物なのか、何なのかは分からない。
ただ分かるのは、足に巻き付いたそれに宙吊りにされたということ。
当然に捲れあがるスカートを押さえて、パニックになりつつ、辺りを見渡して。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にクレイさんが現れました。
■クレイ > 戦場で結構な怪我を負った。リハビリで軽い魔物退治をと傭兵に流れて来た仕事を受けたこの男はとりあえずの仕事を終えて森を歩いていた。それなりに知能がある魔物だったから罠を解除しないと面倒な事になると判断したからだ。
そんな訳で森を歩いていると見えてくるのは宙吊りにされた少女。
「おうおう、随分いい景色じゃねぇの」
スカートを抑えているので下着は見えないだろうが足等はしっかり見えている為そんな事を冗談めかしてボヤいて。
さて、とはいえ。見たところ魔法使いっぽい見た目をした少女。ふーむと少し考えて。
「自力で降りられそうか? 無理そうなら受け身取れそうか? どっちも無理なら下で受け止めるが」
選択肢を出しながら一応問う。
自分が魔法使いだったなら紐を切り落とした上で魔法で支えるが、生憎そんなに器用な事は出来ない。なので相手の能力に合わせて対応を変えたいわけで。
■ミルフィリア > がさりと茂みを掻き分けて出てきたのは、ハンターでも魔物でもなかったのは、不幸中の幸いかもしれない。
鎧などは着こんでいないけれど、こんな森を出歩くのだから冒険者なのだろう。
ちょうど同じくらいの高さで目が合うのだけれど、相手の第一声に真っ赤になり。
「ちょっ、見てないで助け…っ!
あー、えと……むり、っぽい……ので、お願い……します」
露になった白い太ももは隠そうにも手が届かない。
そのさらに先の足首に巻き付いた蔓のようなもの。それを切れば宙づり状態は解消されるのだけれど。
とてもじゃないけれど、この高さで頭から落ちて受け身とかは無理だと首を振る。
落ち着いて対処すれば自身の魔法でもどうにかできないことはない。
なのだけれど、そのためには両手を空けなければならず。
助けてくれる人がいるのならば、素直に頼ろうと。
■クレイ >
「了解、傭兵に助け求めるんなら後で報酬はもらうぜ。まぁ助ける程度なら後で1杯付き合ってくれるだけで構わねぇが」
彼女の下に移動すると上を見上げる。目線の先は足先から足を捕らえている蔓のようなものへ。
ふむと頷けば腰にぶら下げた2本の剣の内1本を引き抜く。
「さて、一応あんまり暴れるなよ。外しはしねぇけど狙いにくいから」
足から少しだけ煙が噴き出す。そして脚力強化をした状態でジャンプ。フワリと彼女と同じ位の位置へ。
そしてこちらの落下が始まった辺りで剣で蔓を切り裂く。
落下が始まれば体重が重いこちらが先に地面に落下するのは必然で。
「はーい、おーらいおーらい」
剣をその場で地面に突き刺して受け止める体制。
彼女が変に動いていないのであればお姫様抱っこの体制で受け止められるだろう。動いていれば違う体制で受け止めたり失敗しているかもだが。
■ミルフィリア > 「傭兵だったんだ……
そのくらいなら、構わないです。お金はあんまりないので……」
変に吹っ掛けられずに済んでほっとする。
この場に乗じて良からぬことを考える輩だったなら、ちょっぴり危なかったかもしれない。
とりあえず、お願いした以上は相手に身を任せることにして。
相手が跳躍したところまで見届けて、落下の衝撃を覚悟して、ぎゅっと瞳を閉じ。
ぽすっと予想以上に軽い衝撃とともに、相手の腕の中に納まる。
鍛えた相手にしてみれば、鎧や剣の方が重いかもしれないくらいだろう。
恐る恐る瞳を開けてみると、いわゆるお姫様抱っこと呼ばれる格好で。
「あ、あの……ありがとうございます。助かりました……」
ちょっと恥ずかしい。
そんな表情を浮かべつつも、とりあえずはお礼を口にして。
下ろして貰おうと、軽く身を捩り。
■クレイ >
「じゃ、契約成立って事で」
人によっては変に吹っ掛けるし、場面が場面だけによからぬ考えを出す奴も多いのだろうが。
戦場ならばともかくここでそういう事をする必要はないだろう。
そうして彼女を受け止める。こちらからしてみればポスッ程度の軽い衝撃。
「良いって事よ、てか軽いなお前ちゃんと飯くってんのか? もっと肉食え肉」
と言いながら動く彼女を地面に下ろして。地面に突き刺した剣を引き抜いて腰に納め直す。
そして軽く肩をグルグル回す。
「てか、こんな場所に何の用だ? 魔法使い1人で仕事……ってのはなさそうだよな」
一応ほど近い位置ではあるが魔物だって出るだろうし盗賊だとかにも出くわす場所だ。
まぁそれでもお金に困って仕事に出るという奴はいるんだろうが。
■ミルフィリア > ちょっとばかり足元がふらついたけれど、幸いにして宙吊りにされていた時間はそれほどでもなく。
頭にのぼっていた血が落ち着いてくると平衡感覚も戻ってくる。
改めて頭を下げてお礼を言って。
「ありがとうございます。
むぅ……ちゃんと食べてます。まぁ、太ってると言われないだけマシですけど。」
自身を危なげなく受け止めた相手の腕をしげしげと眺め。
確かに鍛えられたその筋肉となら、華奢な自分のそれは比べるべくもないだろう。
「あぁ、えっと、この奥に珍しい薬草が生えてるって聞いたので。
魔物避けはできるんで大丈夫かなーって思ったんですけど。」
こんなところにいる理由を訊ねられれば、地面に落ちていた帽子を拾い上げながらそう答え。
パンパンと土埃を叩いて被り直す。
そうしてから、先程まで足に絡みついていた何かを確認しようと振り返る。
「これって、何かの罠……みたいですよね?
このあたりはハンターの人もいなさげだったのに……」
■クレイ >
「みたいじゃなくてガッツリ罠だぞ。街道近くに少し知性もった魔物が出たとかでな。リハビリついでに巣をぶっ潰してきた所だ。で、罠があると面倒だから解除して回ってたら」
ん、と指をさす。お前が引っかかってたと身振りで示している。
で、奥という言葉を思い出して目を細める。
正直傭兵としても貧民上がりとしても正解としてはそっかがんばれよとでもいって。1杯分のお金をもらって無視してさっさと帰るだ。
ここにいる時点で覚悟して来ているのだろう。死んだってこっちの責任じゃない。わかっちゃいるが……心情としては無視もできないわけで。
少し考えてから息を吐き出す。
「一応参考までに聞くが、その薬草高いのか?」
無意味についていってやるというのも逆に警戒させるだけだろうし。そういうわけでお互いに納得できそうな落としどころを探していた。
そうして思いついたのが薬草の値段だった。珍しいのなら高いかもしれないと。
「もし良い値がつくなら全部は取らないが少し貰うのを報酬で護衛を受けてやるぜ。さっきみたいに罠にかかったりそれこそモンスターの残党とかいたら事だろ」
■ミルフィリア > 「……え? まぢで?」
相手が告げる事実に少々淑女らしくない声が出てしまう。
そんな知恵が回る魔物と言えば、ゴブリンやコボルトといったところか。
既に退治済みとはいえ、捕まっていたら何をされていたか分からない。
ゾッとして、華奢な二の腕を擦り。
「え? えぇっと、それなり……かな。
効能的は滋養強壮だから、それほど珍しくもないんだけど、組合せで精力増進にもなるから。
貴族の人には需要があるみたい。」
薬草などには縁のなさそうな相手からの問いかけに、頬に指をあてて、街での相場を思い浮かべ。
薬草自体は珍しいけれど、効能のほうは然程珍しくもないために、そのまま売ってもお値段はそこそこ。
むしろ薬にしてから売ったほうが儲けになるだろうという答え。
「いいんですか? 私としては大助かりだけど。
んー……だったら、薬にして渡しましょうか? そっちの方がお得だろうし。」
製薬の手間賃はおまけです、と軽く微笑んで。
■クレイ >
「まじまじ。巣はぶっ壊したから残党がいたとしても奥地に逃げ帰ってると思うけどな」
流石に1人で全滅は不可能な相手なので残党はどうしても出てしまう。
出会うかはわからないが。
そして薬の価値を聞けばふむふむとうなずいて。
「なるほど、貴族が欲しがりそうだ。OK、じゃあそれで」
手をスッと差し出す。握手の恰好。
「じゃあそういう契約でお前の護衛を引き受けさせてもらう。クレイだ。傭兵をしてる。副業として先生やらやってるけどな」
あくまでメインは傭兵である。と言いわんばかりに。
それはそれで事実なのだが、相手が生徒であるとは気がついていない様子であった。まぁたまにしかいかない上に自分の授業を取ってる奴以外はほとんど知らないのでさもありなんといった所だが。
「その薬草の群生地というか、生えてる場所はわかってるんだよな? なら道案内は任せるぜ」
■ミルフィリア > 「はぁ……この森、そんなのがいたんだ。
聞いてないよ……」
それが単独や、もしくは小グループならば問題ない。
けれども巣を作るほどに繁殖しているとは事前の情報でもなかった。
依頼が出ていたのだから、情報自体はあったのかもしれないけれど。
どちらにしても、そんな大人数に囲まれたらひとりでは対処できなかった。
安堵するとともに、自身の幸運に感謝して。
「ん、じゃあ契約成立ね。よろしくお願いします、見習い魔女ミルフィリアです。
先生? って、学院の? 」
その手を取ってから、相手の副業に首を傾げる。
思わぬところで世間は狭いもの。とはいえ残念ながら、その授業は取ってはおらず。
「任せて。このまま奥に進んだ水場に生えてるらしいの。
魔物とか罠とかは、お願いします。」
いつまでも話し込んでいては日が暮れてしまう。
とりあえずは目的に向けて移動する。
ひとりの時に比べれば、サクサクと進み。その後は、罠にも引っ掛からずに進んでいけることで。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からミルフィリアさんが去りました。
■クレイ >
「ああ、ラジエル学園の。応用戦闘術ってクラスをたまに開いてる。てか、その言い分生徒か? まぁそれなら少しは割引価格で引き受けるか」
興味があるなら覗きにきなと告げて歩き出す。
生徒だからといってタダでは受けない。それは傭兵としての矜持……ではなく、それをやってしまうと色々な所で問題が起きるからだった。
「了解、水辺な。草なんて見分けつかねぇし。そっちの判断は任せるわ」
彼女に付き添って歩きだす。
サクサクと進み、特に大きな危険もなく。
こちらは2つの依頼を達成できたという事で暖かくなった懐を抱えて今晩の宿に帰っていったことだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からクレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 自然地帯の洞窟の中。
焚き火を前に、冒険者が一人。
床にはいくらか、血が落ちた痕跡。
冒険者の体には大小いくらかの傷。
「…くそったれ…」
外套は縦にバッサリと切り裂かれていて、とくに大きな傷がある。
こうしているということは周囲には危険はないのだが。
コカの葉をかみつつ、失った体力を回復させるために体を休めているといった所。
なぜこのような傷を負っているかといえば…。
獣に不意を撃たれた。
冒険者やって長くなるが、そんな格好の付かない理由だ。
なんとか退けたものの、このざまである。
■ブレイド > ある程度熟練した冒険者であっても
年齢としてはまだ若い方。
時には油断もするし、野生動物に後れを取ることもままある。
「今日は…ここで休むしかねぇか…」
いくらか疲れが取れたら、応急処置などもしないといけない。
獣に引っかかれた傷は病気をもたらすこともある。
薬草なりポーションなり…そういったものも使わなければなるまい。
余分な出費だ。
■ブレイド > なんにせよ、ほうっておいていいという類のものでもない。
切り裂かれた外套を脱ぎ捨てて
ボロになった服もそこらに脱ぎ捨てておく。
一応着替えはまだあったはず。服も、外套も。
「水…は…余分には使えねぇな…」
傷口を洗うのには必要なのだが、直接浴びるといった贅沢な真似はできない。
できれば無駄に動きたくはないから。
そうなると布に水を染み込ませて拭くことになるわけで…。
背中側とか手を回すだけでも傷が痛む。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアニューさんが現れました。
■アニュー > 教会の職務の一環として、自然地帯まで薬草集めに出ていたアニュー。
薬草の類はいくらあっても困ることはないものだが、教会従事者は街生まれ街育ちの者が多く、城外での仕事に慣れない者も多い。
教会内で未だ見習いの域を出ないアニューに厄介な仕事のお鉢が回ってくるのもごく自然な流れ。
実際郊外の農家生まれのアニューにとって薬草集めは慣れたもの。
幼少期に遭遇したトラウマが時折不安を喚起するものの、仕事であれば振り切って頑張れる。
……と、そんなところに地に点々と溢れる血の跡を発見する。
争いの跡に、獣の血と人間の血が混ざって散り、それぞれ別方向に伸びている。
当然アニューは人間の血の跡のほうを追って……。
「……ど、どなたかそこで怪我をされているのでしょうか!?」
若き女性の声が、ブレイドが休んでいる洞窟の入り口のほうから響く。
追い払われない限り、反応があろうとなかろうとすぐに入ってくるだろう。
■ブレイド > 「……」
治療をしていると…足音がした。頭の上の耳が音の方へと向く。
音からして、獣だとか…大人数ではない。
少し軽い、鎧など、金属音がしないあたり軽装といったところか?
すると、女の声がした。こんなところで女ひとり?
「ん、だれだ?盗賊とかじゃなさそうだけどよ…
怪我はしてるけどな」
物取りであれば襲いかかってくるだろうが…
一人であれば、その可能性も低いと、返事を返す。
■アニュー > 「や、やっぱり怪我をされてるのですね!? 血の跡を見つけたので追ってきたのですが……。
お一人なのですか? 大丈夫ですか!?」
返答があった。若い男の声で、案の定怪我をしていると。
それを聞くと、1人なのか複数人なのかを問いつつもアニューは慌てた足取りで洞窟へと入っていく。
ざりざりと岩床を鳴らしながら駆け寄ってくる気配。たしかに軽装であり、靴も木底のブーツだ。
そしてブレイドの目の前に姿を表したるは、シスター然とした装いの女性。
ゆったりとしたワンピース形ローブである程度身体の輪郭をごまかしているが、多分に女性らしい曲線を帯びている。
一応は雑嚢に武器と盾を下げているが、野をうろつくには心もとない装備であり、冒険者には見えないだろう。
……だが、怪我をしたブレイドにとっては今まさに必要な人材である可能性も高かろう。
「こ、こんにちわっ!! け、けけ怪我をされてるって本当ですか!?
どこを、だれに、どのように!? ちちち治療は必要ですかっ!? 私にできることなら今すぐ治療を!!」
アニューは大変慌てた様子で、焚き火の傍に投げ捨てるように雑嚢を置く。
そして少年に駆け寄り、傷の具合をよく確かめようとかがみ込んでくる。
もつれる舌や慌てた挙動から、修道女としての経験の浅さが見て取れるかもしれない。