2022/01/23 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にマグゴブリンさんが現れました。
■マグゴブリン > 山野の動物達が冬眠して姿を消す真冬。
狩り場から獲物が数を減らした結果、魔物達の標的は人里に向けられる。
それはこの地に根付いたゴブリンにしても同様で、
集団にて近隣集落を襲撃して冬用に備蓄されていた食糧を奪い、
同時に村娘やら護衛の女冒険者、はたまた、無関係な街道利用者を拉致して
意気揚々と戦利品を担いで根城としている洞窟へと帰還を果たす。
そして、略奪の後に行なわれるのが、戦勝の宴である事は人も魔物も変わらない。
「グギャ、ギャハハッ!」
食糧を喰らい、酒を呷り、そして、飲み食いする事で腹を満たしたならば、
粗末な牢屋に囚われた憐れな被害者へと襲い掛かり、肚を胤で満たす事だろう。
襲撃にて功があったのか、或いは、持ち回りの順番であるのか。
薄汚い亜人の一匹が、洞窟の一室にて足首を柱に繋がれた女の傍へと姿を見せる。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からマグゴブリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にイーゴリさんが現れました。
■イーゴリ > とある商団から受けた、ダンジョン化が進んでいる洞窟のマッピングの護衛依頼。
潜るに当たっての予定日程に余裕がある、と判断して数名の冒険者や傭兵と共に同行した。
其処迄は良かったものの、先行していたスカウトが見誤ったのか、突然発動したトラップ。
起点に程近い場所にいた依頼主を庇い、怪我を負った挙句、
一人何処ぞへと転移させられてしまった――のが、数時間前。
怪我自体は酷い物では無かったが、集中力が欠けてしまっている。
そんな状態では下手に動き回る事も出来ず、
石造りの壁に包まれた、灯りが一つだけ灯る薄暗い部屋の中に留まって。
「――――どうしたもんかねェ、」
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にコルボさんが現れました。
■コルボ > 足音が近づいてくる。
聴覚、嗅覚が優れているのであれば魔物のそれではない、ただの人だと分かるだろう。
「……あ? 先客か。……まー、迷宮化してんならありえたかぁ」
姿を見せた男……、見た目だけを見ればレザーアーマーにバンダナ姿、およそ緊張感のない表情で頭を掻く仕草。小物然とした振舞い。
……だが、下等な蟲や獣系の魔物を避ける為の香をあらかじめ振りまき、無用な戦いを避けている者。
「探索にでも来たのか? ……一人、で来るとは思えねえが、罠にでもはまったのかよ」
ずけずけと近づいて値踏みするように貴女を眺めながら。
「……怪我、処置しなくていいのか?」
傷を指さし、現状を即座に把握しながら問うてきて。
■イーゴリ > 己が壁に背を預け、座り込んでいるのは通路の奥。
扉の無い、小部屋状になった其の場所は、風の進みが些か曖昧だ。
集中力も欠いてしまっていれば、魔物避けの香を纏った人間が
随分と距離を縮めているのに気付くのが遅れた。
軈て姿を現した男を、上から下まで視線が滑る。
掛けられた声に露出した片目の上、眉を僅かに跳ねさせた後、
息を細く逃がしながら緩く頭を傾けて。
「――……まァ、そんな所だ。」
左腕、前腕から二の腕に掛けての火傷は、依頼主を爆発から庇った際に負った物。
衣服も焼けてしまった今、怪我をしていると一目で分かるのだろう。
指摘には左腕を垂らした儘、肩を竦めて見せた。
「応急処置は終わっているよ。
――呪いか毒かは分からンが、此れ以上はここでは難しくてなア。」
■コルボ > (見た目にしちゃあ口ぶりが……)
子供の姿をしながらどこか落ち着いた、経験を感じさせる振舞いと反応に目を細めて。
「……腕出しな。処置はしてても晒したまんまはよろしくねえからよ。
ナリからしてファイターってわけじゃねえだろ? 指先は使いやすくしといてやるから。」
しゃがみこんでそう言うとポーチから包帯を、二種類取り出す。
うち一つは薄い布で、処置をしても出来るだけ指先の感触を妨げないように考慮しているのだろう。
「……周りに一応魔物気配はないってか、俺が通って来たほうは罠もあらかた解除してある。
付き添いが必要なら連れてってやるぜ?」
■イーゴリ > 相手の台詞に、僅かに眉宇を寄せ、浅いながらも刻んだ縦皺。
冒険者同士の助け合い、と言えば聞こえは良いのだろうが、己にとっては不審に映る其れ。
目の前にしゃがみ込み、取り出された包帯を見ても、其の心情は薄れぬ。
「お前さんが――……其れをするメリットが分からンのだが。」
腕は出さぬ儘、相手を探るよに眼を眇め、じ、と見遣る。
態と隠しもしない相手への警戒。
あからさま故に、自身が相手を疑っている、と言うのは彼にも伝わるのだろう。
■コルボ > 「そりゃ今だけを見た物言いだ。
今ここでお前を無償で助ける。何も見返りはもらわない。
だが、お前って知らねえ同業と縁が出来る。
俺ぁ物理的以外の損得も大事にしてるんでな?
一人で立ち回ること前提の奴はそういうのを売り込める時に売り込むモンなんだよ。」
所詮世の中は数。そして情報。今の時代にあって、ダンジョンの中に一人で足を踏み入れて
ここまで”罠を看破して無力化してきた”という男はそう言って。
「そもそもこんな迷宮で理由はどうあれ罠にハマってドツボんなってる奴が言うべきなのは、
不利な状況で相手を疑うことじゃなくて、少しでも自分に有利な状況をかすめ取って足場固めてから
相手が胡散臭かったら背中からぶったぎりゃいいんだよ。
純粋かお前」
■イーゴリ > 彼の物言いに、警戒と猜疑を前面に出していた表情が、きょとり、と抜ける。
今の己の容姿は、露出する部分が少ないとは言え、子供と分かる体格だ。
こんな場所では殊更搾取の対象、と判断されがちな見目。
そんな姿を相手取って、縁の一つと宣われれば、呆気に取られるのも当然だろう。
其の上、言うに事欠いて純粋、と迄言われてしまった。
「――――ふ ッ、 はは! 純粋。 純粋か!」
思わず、と言った調子で吹き出し、爆ぜる笑い。
久しく言われた事の無い言葉が酷く新鮮だ。
己が他者――特に、見知らぬ相手からの善意やら労わりやらを軽々に受け取らない理由は多々ある。
突発的な事故で離れてしまってはいるが、依頼の随行中だと言うのも、今であれば理由の一つ。
己の行動理念や、此処から抜け出す為の手段自体は保有している事等、
知る由も無い相手には愚鈍な新人の行動のひとつ、に映ったのやも、とは想像するが。
「いやア、勉強になった。
それじゃあ君は、後で私に切られても仕方ない、と思っているワケだ?」
■コルボ > 「助けて斬りかかられたからって悪態吐くほど善人でもないんでな?
ただの健全な縁が出来りゃそれでよし。
カモだなんだと後ろからとびかかるような奴と腐れ縁が出来るのもおもしれえじゃねえか。
もし仮にお前さんがこの迷宮に住み着いてる、
怪我人を装った高等な魔物だとしたってそりゃ愉快な話さ。」
目の前の同業者を助ける。そこから生まれる無数の選択肢。
少なくとも、警戒されて”助けない”という何も変化がないことこそ”面白くない”のだと。
好きに生きて、それで危険が舞い込んでも楽しむ。
「つか、よく分からんがお前がもし仮に女だったら薬盛ってヤるのもいいんだがなあ。
一服盛るにしても相手が弱ってる時にヤるのなんかちげえんだわ。」
もう全部言ってしまう。警戒すべき手の札を明かしてしまう。
逆を言えばそこを警戒しろ、俺はそういう人物だという”自己紹介”のようでもいて。
■イーゴリ > 男が変化と変則を良しとする性質なのだ、と言う事は、其の口振りからも十二分に理解した。
加えて、数多の可能性を理解した上で行動する事が可能な人物である、と言う事も。
然し、続けられた言葉には、笑いに弛んでいた面が、怪訝な物へと戻り、
「そう言うのは――隠しておくべき、なんじゃアないのかね。」
指摘した。
次の瞬間には、ふツ、と笑みの混ざった吐息を逃がし。
「残念だったのう。そんな機会は来ぬよ。」
言外に、己の性別を偽る台詞。
勘違い――若しくは、判断が付いていないのなら、勘違いはしてくれていた方が良い。
嘯いた後、緩やかな動きで左腕を差し出し、素直に彼の治療を頂戴する事になるのだろう。
暫しの休憩を挟んだ後、此処迄の罠を無力化した、との言を確かめでもするように、
相手の伴いを乞うては地上へと向かう心算―――。
■コルボ > 「全員一様に同じ印象を持ってほしい、なんて都合の良い夢見てんなら
隠しておいた方がいいかもな。
情報を集めきってない迷宮で、想定外の怪我人を見つけて、
そいつに警戒されて、端的に自己紹介をしないといけない。
ならお前が女かもしれなくてヤれるかもしれないなんて得は見切って損切りする。
つーとこだな。」
変化と変則を良しとしてもそれに無策で相対するのでなく、少しでも自分に不利な状況を未知の場所では潰していく。
無謀に死地へ飛び込むのではなく、危険に恐怖することなくつぶさに観察、把握、対処することを染みつかせて糧とする類。
「女抱くなんざ、そういう時だと思った時にやればいいのさ。
そっちは繋がりとは別の、流れみたいなほうの”縁”だ。駄目な時ぁ駄目なんだよ」
判断がついてない、のではなく”迷宮という安全圏ではない場所で判断する必要がない”のだと、
差し出された左腕に手早く隙間なく包帯を巻く。
……軽く動かしてみても、まるで肌をかぶせられたかのように、違和感もない、
ロープワークに近い、点を重視して筋肉や関節の邪魔とならない発想の固定方法。
その後、貴女を連れて地上へと向かう。その間男は無造作に歩くが罠が発動することもなく、というより、
壁の一部に鉄片や木の切れ端が差し込まれていたり、
すでに誤作動させられて無力化させられたものが見受けられる。
時折転がる魔物の亡骸。血に誘われないように香油を振りかけてにおいを潰し、
増援の魔物さえも出てこないで、散歩するように入口へと辿り着くだろう。
「行けるなら仲間追ったって後はお前さんの勝手だが、
カンが鋭いなら一個前の部屋で待ってりゃ仲間が出てきた時に気づけるだろうよ。
んじゃ、俺ぁ俺の仕事するから戻るわ。気をつけてな」
片手をあげて貴女に言うと、男はそう言って元来た通路へと戻っていく。
……思えば、男も目的があってこの迷宮と化した洞窟に訪れたのだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からイーゴリさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」からコルボさんが去りました。